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ケイシロウとトークアバウト

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ワンダフルパパ

2025-06-14 23:45:00 | 日記




エイジにはツナギのいう名のダチがいる。
このダチとは、
小学校時代からの仲良しやった。
このツナギが4歳の出来事というから、
今から10年前ということになる。

ツナギにはキングギドラという名の小型犬が飼われていて、
いつもキングギドラと遊ぶことが一番の楽しみやった。
そしてキングギドラは、
父親が反対する妻を説得して、
小型犬をずっと欲しがっていたツナギへのお誕生日プレゼントしてあげたものやった。

ある日、
ツナギがキングギドラの姿が見えないからと、
朝から探し回っていたので、
ツナギの両親は、
まずは幼稚園に行きなさいとツナギを諭して、
幼稚園へと車で送った。
そして両親はキングギドラを探し回ったが、
見つけることが出来なかった。
キングギドラが迷い犬になったことを知った父親は、
会社の同僚が持ってる犬の着ぐるみを譲ってもらった。



父親はこの着ぐるみを着て、
キングギドラの犬小屋に寝そべった。

ツナギか帰ってくると、
母親が、
「キングギドラが見つかったわよ」と言ったので、
ツナギは喜んで犬小屋に行くと、
父親が入った着ぐるみ犬が寝ていた。
ツナギは母親に、
「ナンでキングギドラが大きくなっちゃったの?」と尋ねた。
母親は、
「あなたが寝ていた時小惑星が爆発したの。その光をマトモに浴びちゃったのよ」とデタラメを語り、
小さなツナギはそれを信じた。

ツナギはドッグフードを食わせようとすると、
母親は、
「獣医さんから注意されたの。キングギドラにはあたしたちと同じ食べ物を与えるようにって」と言って、
ハンバーグステーキと野菜サラダとご飯🍚を持って来た。
ツナギがじっと見ていると、
母親は、
「獣医さんから注意されたの。これからはキングギドラがご飯食べてる間は見てはいけないって。もし見たら、またいなくちっちゃうって」と、
ツナギに語った。
ツナギは「わかった」と言って頷き、
「お父さんは?」と尋ねた。
母親は、
「青年海外井戸掘り隊に志願してアフリカに行ってるから当分戻って来ないわ」と言うと、
ツナギは、
「青年海外井戸掘り隊?お父さんはジジイなのに」と言ったので、
着ぐるみ犬は不満そうな遠吠えをした。

ツナギはキングギドラのお散歩に行くと言ってきかないので、
仕方なく、
着ぐるみ犬は四つん這いになって、
ツナギとお散歩に行った。
母親は散歩先を早回りして、
着ぐるみ犬のお散歩を小馬鹿にしないようにと、
その場にいる人々に、
商品券を配った。
それが功を奏して、
お散歩は無事に終わった。

着ぐるみ犬の父親は、
ツナギが眠った時に入浴して、
また着ぐるみに入って、
犬小屋で寝たという。
そしてツナギが幼稚園に行ってる間に、
着ぐるみを脱いで会社に行くんやった。

こうしたことが数日も続き、
ツナギが寝てる時に、
妻は着ぐるみに向かって、
「いい加減そこから出て本当のことを言って!」と言うと、
着ぐるみ犬は、
「確かに体はきついけど、あの子を傷つけるのは嫌だワン❗️」と言い返した!

そんなある日、
ツナギが幼稚園に行ってた時に、
迷い犬のキングギドラが保護されて帰って来た。
母親はそれを夫に報告したので、
父親は堂々と帰って来た。

ツナギは元の小型犬に戻ったキングギドラを見て、
「元に戻ってる」と不思議がった。
それを父親は、
「小惑星の爆発の汚染物質が無くなったからだワン」と答えた。
ツナギは父親を見て、
「いつ帰って来たの?」と尋ねると、
母親はツナギに、
「いつ帰って来たかは問題じゃないのよ。お父さんがここにいるという事実だけで十分なんですから」と詭弁めいた言葉で納得させた。

そして8年が経過した時。

たまたまマクドナルドで一緒になったレフティから、
「お前の親父偉いよな👏俺の父さんなんか絶対あんな真似しないぜ」と言ったので、
ツナギがナンのことかと思いめぐらしていると、
エイジが来て、
「レフティ先輩。俺、中学になったら先輩が入ってるサッカー部に入部します」と言ってごまかした。
ツナギは、
おぼろげなキングギドラの不審な思い出を怪しんでいたので、
家に帰り、
父親の部屋に入って室内をあちこち探しまくった。
そして、
犬の着ぐるみを見つけた。
そのとき、
ツナギの背後から父親が、
「バレちゃったワン!」と声をかけた。
ツナギは向き直って父親に抱きついて、
いつまでも泣いた。

ツナギは、
今年の父の日に、
貯めておいた小遣いやお年玉で、
「岩手県わんこそばツアー」券をプレゼントするんだとエイジに語ったという。