オノウコが高校時代のこと。
男友達のサンシャインが、
オノウコと、
髪一面にパッチン留めしている東京DQNッパ娘に、
哲学クラブの集まりが森を借り切って、
スイーツやジュース飲み放題サービスをするから行こうと誘った。
オノウコは困ったように、
「テツガク⁉️ウチは製鉄に関する知識はゼロなのよ」と言った。
サンシャインは、
「お前の言ってるのは鉄学だろ⁉️そうじゃなくて哲学」と返答した。
東京DQNッパ娘はサンシャインに、
「この女は初めから終わりまでカオスだから相手にしない方がいいわよ」とアドバイスした。
そして哲学クラブによる森の貸し切り、
すなわち、
『思索の森』に参加したオノウコらは、
多くの参加者が、
スイーツもジュースも手にせずに考え込んでいるのを見た。
そこに1人の男性が来て、
「あなた方は帰納法（きのうほう）を支持してますか？」と尋ねた。
（帰納法はフランシス・ベーコンによる経験による認識を重んじる考えのこと）
オノウコは、
「ウチは昨日のことよりも明日を支持してるのよ」と答えたので、
男性は困惑しながら😦
「あなたベーコンは好みではないんですね？」と尋ねた。
オノウコは、
「そうね。ウチは生ハムの方がいいわ」と答えたので、
男性は不愉快そうにその場を後にした。
するとすぐに別の青年が来てオノウコに、
「あなたはスピノザ生まれの思想がありそうです」と言った。
（スピノザは汎神論｛はんしんろん｝という、人格的神の存在を自然と宇宙の秩序と説いた人物）
オノウコは、
「スピノザ生まれじゃないの。ウチは双子座生まれなの」と答えたので、
この青年もその場を後にした。
サンシャインは顔色を変えて、
「ナニか場違いなところに来た気がする」と言った。
サンシャインが帰ろうと提案する先に、
初老の男性が来て、
「あなた方はカントについてどう思われますか？」と尋ねてきた。
（カントは認識は感性と知性と理性の３つの形式を持つと説いた人）
オノウコは、
「カントはウチらはカウントしてないのよ。関東なら説明するわ。日本で一番人が多いところよ」と答えた。
初老の男性もすぐにその場を後にした。
東京DQNッパ娘はオノウコに、
「さっきからテキトーなことばかり言うんじゃないのよ！」とキレた😡
そこに若い女性が来て、
「あなた方はサルトルについて何かご存知ですか？」と尋ねた。
（サルトルは個としての人のあり方を説く実存主義｛じつぞんしゅぎ｝を第一と主張した人）
オノウコはキレて😡
「ウチらは動物愛護の心を持っています。猿とか捕りません！」と強く答えたので、
女性も急いでその場を後にした。
サンシャインと東京DQNッパ娘はオノウコにキレまくり🤬
「恥かきに来たんじゃない！スイーツとジュースのただ飲みに来た！」と言いまくった。
そこに、
数人の老人グループが来て、
「先程からご立派な回答を目にさせていただきました。あなた方の考えの通りです。哲学は定義づけられている一方実に曖昧なのです」と感心した。
サンシャインは悲しそうに、
「誤解です。僕らは定義などありません」と答えた。
が、
オノウコは元気よく、
「定義が無い変わりに定期があるのよ」と言って、
通学用バスの定期券出して、
老人グループに見せた。
牧カオリはオノウコについて語る。
「宇宙と世界の曖昧さと不条理を具現化したオンナです」、と。