
俺の高校時代の現代国語の教師であるマツモトことわが輩が、
老いと貧困の悲惨な現実のルポ目的で、
とある高級喫茶店に入った。
ここには上から目線のマスターが、
関節痛と喘息に苦しむ、
病弱な犬を連れて来る老人に悪口罵詈(あっこうめり。ヘイトスピーチのテンコのこと)することで有名だと知人に聞いていた。
とにかく見るも哀れ、聞くも哀れ、話すも哀れやという。
多くの者がその光景に耐えられなくなり、
飲み物を残して店を出るらしい。
わが輩は、
残酷な現実を直視する覚悟を持って、
店内でじっとしてた。
わが輩がコーヒーを注文すると、
店のマスターがツンツンしながらコーヒーを持って来たので、
わが輩は砂糖とミルクが置いてないので持って来るように頼むと、
マスターは、
「コーヒーに砂糖とミルクを入れるという発想は奇想天外にござりますな」と言って爆笑した🤣
わが輩が心に、
マスターを蓮🪷の咲いているところに送ろうと考えていたところに、
あるお年寄りが苦しそうにゼエゼエ言いながら入って来た。

わが輩はこの老人を見たとき、
気の毒さ以上に、
M1グランプリ推薦高齢者というイメージを持った。
次に、
老人の後ろから、
病弱な犬が入って来た。

この犬も、
哀れさ以上にコミカルさを感じてしまい、
わが輩は予想を覆す現実に狼狽した。
が、
マスターは意地悪く老人に、
「相変わらずわからん死にかけやな。犬を連れて高級喫茶店に来るな!」と叱った。
老人は、
「あしとトガルマは寒さと空腹に地の塵に成り果てそうです。どうかカフェ魔王様、お店で暖とらすてくらはい」とお願いした。
マスターは更に意地悪く、
「知らんね!お前らは死なんね!」と方言混じりに悪態吐いた。
老人は犬を撫でながら、
「どうかカフェ魔王様。トガルマだけでも暖をとらすてくらはってサーロインステーキを食わせてやってくらはい」とお願いした。
マスターは、
「ふざけんな❗️」と叫んでグラスを床に叩きつけた!
その音のショックで老人の愛犬トガルマはショック死を起こしてしまった。
老人は動かなくなったトガルマを撫でて、
「ああ!トガルマは天に昇り神の右に座している」と言った。
そして老人は汚いハンドバッグからしょうゆの小瓶を出して、
続いて取り出した小皿にしょうゆを注いだ。
また箸🥢を出し、
しょうゆの入った小皿を左手に箸🥢を右手に持ってトガルマに向かおうとしたので、
マスターは怪訝に🤔
「お前、ナニしよんや⁉️」と尋ねた。
老人は、
「トガルマを葬る金が無いので食葬にて弔わせていただきます」と答えた。
マスターはガチギレして🤬
「こんなところで死んだ犬を食うな❗️」と怒鳴った!
マスターの怒鳴り声に驚いた老人はしょうゆの小瓶を落としてしまった。
しょうゆが床に流れ、
トガルマとマスターの足元を濡らした。
老人は、
「カフェ魔王様。ナンれあしとトガルマはこんな目に------」と涙を流しながら寄り目になった。
マスターは、
「神罰や❗️この店では俺こそ神なり❗️」と叫んだ!
同時に、
店の前に雷が落ちた!
マスターは足元のしょうゆのせいで落雷の惻撃を受けて、
蓮🪷の咲いているところに魂が瞬間移動した。
が、
マスターからの雷の惻撃通電がトガルマに来て、
そのショックでトガルマは元気に生き返った。
亡くなったマスターには子供がなく、
親戚は、
マスターからの意地悪の極致の数々のお詫びとして、
老人に喫茶店を譲り渡した。
こうして、
落雷による人生の転換劇に心を惹かれた者達によってお店は繁盛した。
ただ、
老人はコーヒーをドリップする技術がなかったので、
ネスカフェのインスタントコーヒーをお客に提供することしか出来なかったけど、
お客は気にしなかった。
お客の関心ごとは、
落雷での復活を果たしたトガルマにあったからやった。
ただ、
わが輩だけは気落ちして、
老いと貧困の悲惨な現実探しへの新たな出発を余儀なくされた。