古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

水域      椎名誠

2020-06-10 09:54:23 | 本の紹介
講談社     1990年

ようやく出会えた女ズーというキャラクターも死んでしまい、

シーナさん、それはないじゃないかと、フンマンやるかたな

い気持ちは抱きつつ、なんか心にぽっかりと穴があくほど

この物語にのめりこんでいる。

そして、言葉の話せない少年に出会う、ここでもテーマは

言葉ということになろう。言葉にすると、水という存在。この

骨太の物語に魅了されて五日、ボクの知の冒険も一応の

終点を見た、が、読み終わって気づいた、ズーの死も決して

ムダではなかった、あれは必要な死だったのだ、と。

新たに物語を語り継ぐための犠牲だったのだ、と。

ボクらは伝説を目の前にして初めて、小説の持つちからを

知ることとなる……合唱。

                  (鶴岡卓哉)























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