古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ポトスライムの舟    津村記久子

2018-04-25 09:47:36 | 津村記久子
講談社文庫  2007年~2008年。


まずとっかかりでつまずいてしまって、なんかつまらないな、という


印象だった。でも、十二月の窓辺へと読み進めるうちに、この作家の


言いたいことがわかってきたような気がして、それからは一気読みし


てしまった。


この人独特のリズムと文体について、やはり、特異な新しい世代とも



いうべきものを持っているというべきだろう。同じように、仕事について


描いていて、同世代作家に同じく芥川賞作家の小山田浩子がいると思うが、


この二者をもってしても、その切り口にしろ、語り口にしろ、まったく違


うように思う。しかし、その仕事というものに関する、手触りには似たものを


感じる。リーマンにとっては共感すべき点があるだろうし、我々のような自


営業にはシステムで働くことのタイヘンさが分かる、という点において、新たな


労働文学ともいえるものがあるのではないか、と思えてくる。

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