新潮文庫 平成2年
開高氏も参戦したヴェトナムの日々のことを描いている。
でも、ルポというんでもなく、やはりこれは文学である、と言えるのではないか。
水井君という青年が、引っ越し先で弾の破片を頭に喰らって、死んだ
ことが描いてあって、頭をベッドで反対にして寝ていた。そして、土嚢が積んで
いなかった。数々の不幸が連なって亡くなったという。人の死ぬとき
というのは、そういうものなのかもしれない。数々の不幸が重なって
、それで、死んでしまう。本人は戦争の起こっている国にいくくらいだから
ちょっとは覚悟していたのかもしいれないが、その日、寝ていて死ぬとは
思っていなかっただろう。死とは唐突に、突然襲い掛かるものかもしれない。
うーん、僕はわりと運はいい方だと自負しているね。いや、かなり
いい方だと思うけどね。曲がり角を曲がると死神とばったりと出くわすかも
しれないから、気を付けないと。
(読了日 2024年8・22(木)8:25)
(鶴岡 卓哉)
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