ライギョ(Channa属)を巡る旅は、アジアを広く深く釣る旅になる。
小型種を含めれば30種以上記載されているライギョ。
インド滞在中、詳しい友人から
「最近“コブラスネークヘッド”が細分化さレましたよ!」と聞いた。
インドシナ半島~ボルネオ島のマルリオイデス(marulioides)種と、
それ以外のアジア圏に広域分布するマルリウス(marulius)種。
体側斑紋系ライギョはザックリこの2種だと、生息地基準で頭に入れていた
&インドで釣って「コブラ系はクリア!」と思っていたが・・・

(marulius種。2014年、インド・カーヴァリー川水系でスピナーにて)

(marulioides種。マレーシアにてスピナーベイトで)
カーヴァリー川と同じ南インドでも、西岸に流れ出す川の個体群、
俗称イザベラスネークヘッドはmarulius種から細分化され、
pseudomarulius種となったそうだ。

(pseudomarulius種。フロッグにて)

(個体差も大きかった。1匹1匹釣り愛でる愉しみは、
タナゴやピーコックバスにも近い)
アジア圏他地域のコブラスネークヘッドも、
さらにいくつかに分かれたらしい。
自分が釣った&撮影した画像に限っても、

(auroflammea種。メコン川水系にて、メタルバイブで。たしか92cm)
コイツは“メコン・コブラ”なんて俗称がついていくんだろうなぁ。
ミャンマーのイラワジ水系上流にも別種記載された
“イラワジ・コブラ”(aurolineata種)がいるらしい。
・・・また、旅する理由が増えてしまった(笑)
移入種なので生息地からの種判別は危険だけど、
過去に出会ったコブラにはこんなのもいる。

(フロリダにて。フロッグで。現地友人に船を出してもらって)

(全身が黒化しているけれど、尾びれの付け根、
皆既日食のような赤斑が特徴的な個体だった)

(タクトくんの。上の魚と1km県内なので、同じ種と思われるが、
こいつは尾びれの赤斑が目だ高bないなぁ。フロッグにて。たしか87cm)
トーマン(micropeltes種)、カムルチー(argus種)、そしてコブラ。
上記3種を指して「世界三大雷魚」と呼ばれている(現状自分からだけw)けど、
長さでで一番は、コブラだろう。
現地友人曰く、信頼できる情報で128cmまで確認されているそうな。
琵琶湖のバスの世界記録もそうだと思うけど、
環境の良い新天地では、生態系のバランスが再構築されるまで、
生き物は極端に多く&デカくなる傾向が見られる。
(日本のカムルチーが在来生息地よりでかいのもそう、
そしてたしかカムルチーの世界記録はアメリカで記録されていたはず)
移入種なら、“ゲームフィッシュ”として釣り遊ぶことにも罪悪感が薄い。

(MV-75とバトラクスにて)
在来生息地のアジアでは、どちらかというとレア種の印象で
狙って数やサイズを求めていけるエリアを僕は知らないが、
フロリダ半島南部は、コイツがカバーの優先種になっている。
コブラは、性格が慣れ親しむカムルチーに近い。
カバー周りのフロッグゲームがメインの釣りになる。
ファイトも口閉じだから、
口開けファイトのトーマンのようにバーブ有りが有利ということもない。
地に足ついた、自力開拓&水路打ちという日式雷魚スタイルでOK、
カムルチーオフシーズンの日本の雷魚マンにも、
それ単体で遠征する価値があると思う!
個人的には、南米へ行く際の中継地点として数日寄り道し、
とりあえずメーターオーバー目指して継続的にサイズを追っていくつもり。
・・・以上、雑誌に書ききれなかった部分(コブラに限っても)でした。
月末発売のFielder誌・連載『怪魚料理』をお楽しみに!

(ライギョ属は食っても美味いぞ)