
(10本切ってからはまず1週間持たないので、迷われている方は決断を。
弊社的には売れ行き低調だった『MX–6+』もそのステージに入りました!
ウチの直営サイトでのみの取り扱いロッドです→
http://monsternet.base.ec)
アマゾン特化モデル『MX–6+』が、
残り10本切りました。
迷われている方がいましたら、お早めに。
この竿に関して、あんまり語ってこなかったけど、
下記のストーリーを書けば早々に売り切れちゃうのは、
これまでの流れからわかっていた(からしなかった)
だからこそ、実験してみたいことがあった!!
「専用、って謳わないと、
昨今釣り具は売れないんだよ!」
と、とある釣りギョーカイ人に言われ、
「でも専用竿のクセに他の釣りもできるって書き添えるのは、ウソにならない?」
と意地悪なツッコミをいれ、
「アマゾン“特化”」とその程度にだけ謳ってみた実験ーーー
そんな、
“この竿と俺物語”、の最終章(エンディング)。
そこに至るまでは、下に長々語りますよ(こういうの好きな人がいるらしいんで)
・・・先に実験の結果から。
(ウチのユーザーさんに関しては)むしろ
そんな小細工(?)は邪魔だった!
と結論できて嬉しい。
『MX–7』も直営ネットショップで1ヶ月持たず(しかも自分は一切煽らず)、
『MV–65』は予約だけでネットショップには並ぶことすらなく終了
(発注数納品できなかった小売店さんスミマセン。そのうちまた作ります)、
そんな中、3ヶ月も売れ残った、
愛すべき不人気ディアモン『MX–6+』とはーーー。
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では、始めます俺物語。
この“6フィートアンダー”竿にまつわる物語の最初の1ページは、確か2009年。
ディアモンの初代モデル『MX–71』(2012年発売)から、さらに約3年さかのぼる。
『ブラジルから注文来てんだけど、
小塚くん、どんな竿作ればいいの?』
という1本の電話に、
『“ゴーテン”を、レングスままに、グリップエンド長くして、
トルクあげて、ガイド大きくしてみてください』
とアドバイスした。そして完成した1本の竿があった。
その、仮称『ゴーテン・アマゾン』(※1ピースロッド)に触れ、
「このブランクをさらに発展させ、いつかマルチピースで出せたらな」と思った。
その後、その時電話をくれた方と、いざディアモンを作ることになり、
「オレの血が混じってんすから、
あの竿、1本ぐらい安く譲ってくださいよ!」
と言ってみたが、「1本残らずブラジルに行っちゃって無い」とーーー。
それから5年以上の時が流れ、2015年12月。
パプアニューギニアでの“おもてなし”釣行から帰国した翌日、
『MX–6+』の、その最終テストとして向かったブラジルで
マナウスで1番大きなショッピングセンターの中の釣具屋の一角にて、
まさかの“再会“!!
「お前、まだここで燻ってんのかよ~!(笑)」

(君の名は?笑)
18000レアル、2015年末の為替で、日本円だと6万円の値札が貼られていたソイツ。
(1レアル=32円ほど。ブラジルは関税率がやばい)。
海外でこの価格は、信頼の日本製品とはいえ、さすがに高すぎるかもしれないなぁ。
入荷当初は勝負できたかもしれないけど、
為替変動によっても、こうなっちゃったんだろう・・・いい竿なのに。
「可愛そうだし、日本に連れて帰ろうかな?」
と思ったけれど、値段はもちろん、せっかく世界半周してたどり着いた、
そのポテンシャルを最も発揮できる土地。
「わざわざ僕が追加で半周、結果、無意味なる世界1周をさせる必要はないか」
と、マナウスに残して帰って来た。

(まさかの、マナウスで撮影w)
その残念な子の名は
『Squall』(スコール)。
きっと、マナウスの小綺麗すぎるショッピングモールの釣具店、
その片隅でクーラーの風に吹かれ、
蒸し蒸ししたしたジャングルでアマゾンの雨に濡れる日を今日も待っている・・・と思う(笑)
いつか大事にしてくれるお金持ちが現れる日を心から願う!
その釣具店を今後、訪れる方がいたら“不遇な我が子”の近況を報告してくれたら嬉しい。
(できたら買って、使って、帰りに土地の人にプレゼントしてほしい・・・次回、自分でやるか)。
僕が漫画『刃牙』の範馬勇次郎だったら、ジャックハンマーみたいな竿だなぁ。
若すぎる時代にポットできた子というか。手をかけてやりようがない。
一方『MX–6+』は「俺の血が濃い」刃牙だ。
ポテンシャルも、ジャックハンマーと刃牙の関係そのまんまだと思う(笑)
でも『MX–6+』のニックネームは、“BAKI”でも“KIBA”でもない。
いつも新モデルは発売に際して“私的ニックネーム”(印字はしない)を紹介するけど、
うっかり忘れてたので、売り切れ直前の、最後に。
71がノーリミット、8がシーラカンスドリーム、6がプレゼント、
7がパンクロック、∞がインフィニティ・・・じゃぁ、6+の名は?
この『MX–6+』はもう1つ、
重要なミッションを背負って生まれた。
日本の釣り人に「6フィートアンダー」というの短竿の魅力を広めたリスペクトすべき1本へ、
僕なりの、今度はド真ん中をいくアンサーソングである!
(MX-6+のもう一本の兄
『MX–6 プレゼント』で既にジャブは投げてるけど)
“ゴーテン”の系譜、『Squall』を兄にもつ、5’10インチのこの1本。
「MXー6+」という印字より先に、
印字されない私的ニックネームの方が先に決まってた。
『MX–6+』“Aventure”(アバンチュール:フランス語)
わかる人には分かればいいメッセージ性を、
「バズーカー不要で両手が空けば、
女子のスーツケースひいてあげられるでしょ?」
な~んて、ちょっとナンパな心のゆとりを併せ持ち、まとめあげた。
50cm以下レングスの、ノー・バズーカースタイルを獲得した“ゴーテン”は、
アマゾン以外でも、個人的には15年末~16年始のアマゾン3カ国放浪以後も、
アフリカ西部(フランス語のコンゴ)で、アジアで、もちろん日本でも、
主にボートの釣りで出番が多い。
おそらく世界初(誰もやらないだけw)の
ピーコックバス(Cichla属)全15種完全コンプリート
の立役者にして、
根っこの深い&(作為的に)不人気だからこそ、より愛しく思ってる1本!
「アマゾン用か、なら行かないしな~」と思っていた方含め、
熱くもユルい魂を持つ方に、
末長く、大事に酷使してほしいです!
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というわけで、このモデルはそんな“私的実験”のデータ収集のため、
自社サイトだけの取り扱いだったのです(汗)↓
http://monsternet.base.ec
赤字で
「発売中」って書いてるのが、『MXー6+』。
ごめんなさい、他は直販サイトでは全部売り切れです・・・。
『MXー7』や『MVー65』は、
ブンブンさん系列、フィッシング遊さん系列、でんでんまるさんには、
先週若干数だけ納品させてもらいましたので、
お探しの方はそちらでお願いします。!
・・・自分勝手極まるブランドですが、
こんな感じで、思い入れだけはどこより込めて竿屋やってると思ってます。
今後ともよろしくです☆
<PS>

(2015年、パプアニューギニアにて。『MX–Grip』と併せて。
6+は無くなったら次回生産時期は未定ですが、グリップは近々再販します)
・・・ちなみに、この“アバンチュール”、
仲間内では“おもてなしスティック”と呼ばれてます。
上写真、テスト中のひとコマですが、何となくフランス感・・・(笑)
<PS2>
3月29日、ネットショップでの在庫無くなりました。ありがとうございました。
(来月9日の「でんでんまるさんのイベント」用に数本だけ残してますが)
・・・なくなってからで恐縮ですが、
こんな竿が僕にとっての「アマゾンスペシャル」だと、
つらつら書いてた詳細(そういうことは、どうでもいいかと削った)を最後に貼っておきます。
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「MXー6」(日本の渓流まで考えた5フィート半)の
50cm×3本継ブランク(6+でも全く同じ仕舞い寸)に、
「MVー65」の40cmのグリップ(6+でも長さは同じ)
を組み合わせた通称“V6”チューンで、
この5フィート10インチの歴史は完結と思ってた。
だけど、より大きなルアーを扱え、
よりしっかりフッキングを可能にするバットパワーや、
(なので、6はレギュラー、6+はレギュラーファーストテーパー)
より太いリーダーが使えるガイドセッティング
(6はトップガイド5.5mm、6+は6mm)
グリップを2分割にでき、スピニングリールに対応にできる独自のギミック、
リールの高性能化&小型化という時代の流れに伴い
リールシートをMVー65のTCS17から、1回り小さくTCS16にする
・・・などなど、
(セッティングで作り出す愉しみとは別に)より絶対的な精錬を追求してみたかった。
印字するネーミングも悩んだけど(例えばMXー510、とか)、
よく考え、開発の思考変換を反映した「plus」にした。
「3本で世界を釣るには?」という住み分けバランスも考え、
数々の苦戦・敗北・失敗を教訓に
世界中、どんな展開になってもそれ3本で対応できるようラインナップした
6、7、∞のベーシック3機種の、不動の土台。
その「この3本さえあればなんとかなる」という安心感の中、
旅が深まっていくの中で、
「今度の旅は、こういう釣りを実現したいからプラスアルファであったらいいな!」
と、事前に作ってから行ったのがこの竿。
どういう展開になっても対応できるように、
というよりは「こういう旅がしたい」という理想ありきで作った感じ。
そんなプラスアルファの竿で描きたかった旅が、
僕にとってピーコック15種完全制覇というボーケンでした。
「08年、7フィート半のホワイトパイソン1本で通したアマゾンって・・・笑」
と、何もわからないからこそ楽しかったあの頃を懐かしく自嘲しつつ、
こーゆー竿で旅ができる現在もまた、嬉しくアマゾンを想っています。