道しるべの向こう

ありふれた人生 
もう何も考えまい 
君が欲しかったものも 
僕が欲しかったものも 
生きていくことの愚かささえも…

とてつもなく哀しい…

2020-02-27 20:55:00 | 日記








朝起きると
小雨の中を珍しく
白いフワフワした雪片が舞っていた

あんまり見たことがない景色
小雨に混じって
フワフワした雪片が舞うなんて…

本来ならミゾレになるはず…

だからなのか?
まだ2月の終わりなのに
なごり雪って言うらしい

わからないけど
ヒトから聞いて…

(幾つになってもわからないことだらけ?)


そういえば
この冬のシーズン
ほとんど積雪らしい積雪もなく
一度も雪かきをせずに終わってしまいそう…

ありがたいといえば
ありがたいけれど…

反動の夏が怖い…









一番最初に3月のマラソン大会に出たとき
スタート直後に海を渡る大橋を走ってる最中
激しく吹き付けるミゾレに悲鳴を上げながら
2度とマラソンは走るまいと思った何年も前
今では懐かしいばかり…

その数年後の4月のマラソン大会でも
珍しいくらいの寒さとミゾレ模様の中
震えながらスタートしたことがあって
これもまた懐かしくて…

でも今シーズンは
3月のマラソン大会は中止になっちゃったし
4月のマラソン大会も開催が危ぶまれている

憎っくき新型コロナウィルスめ!

ジジイになったんだから
もう走らなくていいんだ
走ったっておんなじだろ?
神様にそう言われてるみたいで…

そう思うと
なんだか哀しい…

というより
とてつもなく哀しい…

ジジイになんか
なりたくなかったのに…

この歳まで
生き長らえちまって…










不意の来客…

久しく会わなかった高校時代の旧友
いわゆる同級生…

お昼過ぎに
スマホではなく家電にかかってきたのは
090…の番号

見たことのない不審な番号
いつもなら出ることはないのだが
しばらくしてもう一度かかってきて…

何かの勧誘とかの迷惑電話の場合
2度目のコールはありえないから
恐るおそる受話器を取ってみると…

耳に聞き覚えのある旧友の声が…


近くまで来たんだけど
お前ん家がわかんねぇよ
どこだっけ?

いまどこ?

○○のあたり…

あぁそんなら
その大通りのコンビニの信号あるだろ?
そこを50メートルほど過ぎると
わかりにくいちっちゃな交差点あって
そこを右に曲がればすぐウチだよ…


やがて数分後
玄関前に停めたクルマから降りてきたのは
お腹がプックリ膨らんだ中年男…

中年男というよりジジイか?

若い頃はホッソリ痩せていたはずなのに
こんなに太ってたっけ?
老ければ誰もが無駄に横に大きくなるけど…


この辺もいろいろ変わったね〜
道路工事とかやってるし尚更…
昔の面影が全然無くなったなぁ

(いや…面影が無くなったのはお前だろ!)
(って…ヒトのことは言ってられないか?)

久しぶりだなぁ
でもなんだよ?
その腹の出具合…

そうなんだよ
でもこの腹の割には
体重は76キロなんだぜ?

オレより10キロ多いだけか?
たしかに体重はそんなでもないな
でも血圧とか注意しないと
そろそろ歳だからなぁ…

そうなんだよ…



20歳前後の大学生の頃の東京暮らし
まるで兄弟のように
桜台の彼のアパートで
一緒に寝起きしていた時期があって…

僕は自分のアパートに帰ることなく
もちろん学校へも行かなかったし…
何をするでもなく
何人かの友人たちと遊び呆けてばかりの…

いま思えば
考えられないような日々…


結局
そのせいだけじゃなかったけど
僕も彼も中退してしまって…

それでも
地元へ帰ってきて働き始めてからは
頑張って仕事に精を出してたからか
2人ともそれぞれ勤める会社で
そこそこ偉くなって…

若い頃
あんなに不真面目に生きていたのに…

人生って
何が幸いなのか
何が災いなのか
わからないような…



そんな旧友の話は
ほとんどが健康状態の不安のオンパレード

マラソンを走ってる僕のことが
羨ましそうで…

あと1年
彼は働く予定らしいが
実際は身体がもう持たない状況だと…

苦笑いしながら告白する彼は
大学時代とまったく変わらず
何も考えてないようだったが…


一昨年だったっけ?
○○(同級生)のオヤジさんの葬儀のとき
オレは受付で忙しくて全然話せなかったけど
茶髪で髭を生やしたお前を見てさ…

ちょうど仕事をやめた後だな…

そう…
お前が勤めてた会社の奴らは
そんなお前に驚くかもしれないけど
オレは若い頃のロン毛のお前を知ってるから
そっちの姿がホントのお前だろうと…

そのとおりさ…
今のこの姿が本来のオレさ
チャラくて不真面目な姿が…

でも
お互いに歳行ったよなぁ

たしかにね…

実はオレ
いくつか病気を持っててさ
70歳までは持たないだろう
たぶん…

ホントか?




彼の話を聞くと
どうやら身体はズタズタにやられてると…

首と腰の脊髄をやられてて
まともに座れないらしい

どおりで
のけぞったようにソファに座る格好だと…

尿意と便意も
通常じゃない兆候があるようで
老化による頻尿とかいうような
そんなレベルじゃないらしく…

特に便の方は
洋式でも座ることすら難儀みたいで…





半ば自虐的に笑いながら話す彼の告白?
マジかよ〜と同調するように
僕も笑いながら相槌を打って
帰っていく彼を見送ったけど…

ひょっとして
不意に訪れてきたのは
最後の挨拶だったのかも…

彼が帰ったあと
なんとなくそんな気がして…

もしそうなら

なんだか
とてつもなく哀しい…

ホントに哀しい…




口髭の彼と
アゴ髭のツーショット

すっかりジジイになっちまって…

40年以上も前は
二人とも紅顔の美青年だったのに…

最後の思い出にだけは
ならないように願って…


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