ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

~coffee break~「青い鳥」 重松清

2009-01-12 07:09:56 | Weblog
 8つの短編から成る本です。

私は遅読なので、読書はあまり得意ではないのですが、昨年公開された映画「青い鳥」の原作ということで、頑張って読みました!

まず、表紙に「My teacher cannot speak well.So when he speaks,he says something important.」

と、書いてあります。この本に登場する村内先生は吃音(昔で言うどもり)で、上手く話せません。特にカ行とタ行と濁音で始まる言葉は苦手です。

だから、村内先生が話す時は、大切なことしか言いません・・。

8話すべてに、村内先生が登場します。といっても、いわゆる「金八先生」的に表舞台で活躍するわけではありません。

ポイント、ポイントで必要最小限の発言をするのです。どもりながら・・。

村内先生は、どのお話でも、臨時代用教員として登場します。そして風のように、清清しさを残して去ってゆきます・・。

先生は言います「ひとりぼっちは、いやだなあ。でも、ひとりぼっちが二人いれば、それはもう、ひとりぼっちじゃないんじゃないか、って思うんだよなぁ・・。
僕は、一人ぼっちの子のそばにいる、もう一人の、ひとりぼっちになりたいんだ。
だから、先生は、先生をやっているんだ」

この本の著者、重松清さん自身も吃音をお持ちであるという話を耳にしたことがあるのですが、

村内先生が吃音であるという設定をもたせることによって、先生の言葉が読んでいる我々にもズバッと響いてくるんですね・・!顔をまっ赤にしながらつっかえて、つっかえて、それでも大切なことは言わなくてはいけない・・!

涙を禁じ得ませんでした。本当に大切なこと。「正しいこと」ではなくて、「大切なこと」が、この本には書かれています。

映画「青い鳥」で使われた、まきちゃんぐの「鋼の心」が心の中に流れています・・・。