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気体の実験

2011年04月28日 | 日記
4月27日(水)

 今日は、気体の発生の実験を基本操作の練習をかねて行うことになりました。
 今後、中学オープンスクールや高校学校見学会などの行事で理科部が実験を紹介します。その時は、小学生や中学3年生の人たちに実験のお手伝いをすることになっています。
 そのためにも、基本操作は身に付けておかなければなりません。

 【本日の実験の準備】

 試験管6本以上、丸型水槽1、ガラス管つきゴム栓1、ゴム管1、L字型ガラス管1、マッチ1箱、線香数本、オキシドール(過酸化水素水)1回につき5cc、二酸化マンガン少量、亜鉛の粒数粒、マグネシウムリボン(適当な長さ)、ピンセット1、ろ紙2枚、ろうと2、ろうと台1、500ccビーカー2、2N塩酸(1人1回につき10cc)、石灰石少量、水酸化カルシウム(適量)、蒸留水300cc、洗浄瓶1、水素ボンベ1、酸素ボンベ1、二酸化炭素ボンベ1、駒込ピペット2、

 【実験の方法】

 1.酸素の発生と性質

   〔1〕 試験管に駒込ピペットでオキシドールを5cc入れる。
   〔2〕 〔1〕の試験管に二酸化マンガンを1粒入れる。
   〔3〕 線香にマッチで火をつける。
   〔4〕 線香についた炎は吹き消し、先端が赤くなっている線香を②の試験管に入れる。
   
   ※ 「ポッ」という音がなるまで行うこと。
     実験は成功しなければおもしろくないからです。
     失敗を繰り返して、成功したときは誰もが感動します。

 2.水素の発生

   〔1〕 試験管に駒込ピペットで2Nの塩酸を5cc入れる。
   〔2〕 〔1〕の試験管に亜鉛の粒を入れて、ガラス管付きゴム栓を取り付け、水の入った丸型水槽を用いて気体を集める。(水上置換)。
     亜鉛の粒での反応が弱い場合には、亜鉛の代わりにマグネシウムリボンを入れる。
   〔3〕 〔2〕で集まった気体にマッチで火をつける。

   ※ このときに激しく爆発する「ボッ」という音を聞くまで何回も行うこと。

 3.二酸化炭素の発生

   〔1〕 試験管に駒込ピペットで2Nの塩酸を5cc入れる。
   〔2〕 〔1)の試験管に石灰石を入れて、ガラス管付きゴム栓を取り付け、水の入った丸型水槽を用いて気体を集める。(水上置換)。
   〔3〕 〔2〕試験管に気体が半分くらい入ったら、水の中で試験管の口を親指でふさぎ、外に出して激しく振ってみる。
   ④ 試験管の口をふさいだ親指に試験管が吸い付く感触を確認する。


 器具の確認をしたら、実験開始です。


 オキシドールの中に二酸化マンガンを入れました。


 試験管の中で白く見えているのは、激しく気体が発生し、泡になって出ているからです。


 試験管の中の液体が黒くなるのは、黒色の二酸化マンガンが入っているからです。


 線香に火をつけて、気体の発生している試験管に入れてみると、このように線香が激しく燃えます。


 この班の気体の発生はとても激しいですね。


 実験をしながら、マッチのすり方や線香への火の付け方、駒込ピペットの持ち方・液体の取り方・入れ方・終わった後の実験台への置き方など、細かく正しく覚えていきます。こういう積み重ねが大切です。


 塩酸を吸い取っています。


 試験管に塩酸を入れます。つぎに、亜鉛の粒を入れます。しかし、今回あまりにも反応が遅かったため、マグネシウムリボンに変えました。すると、あっという間に水素を何本も集めることができました。


 これが水上置換法です。水に溶けにくい、または少し溶ける気体を集めるのに適しています。


 何回も行うと、実験台は水浸しになります。
 それだけたくさん実験を行っているということです。

 
 集めた気体である水素は、空気よりも軽いので、試験管の口を下にしておけば試験管の外に漏れることはありません。だから、このように試験管の口を下にした状態で火をつけます。


 いろんな場所で火をつけています。すると、それぞれの実験台で「ボン!」という大きな音がして、それぞれの歓声が上がりました。みんな楽しそうです。


 そうしている間に、用意した石灰水があまり反応しないと分かったので、内田先生が水酸化カルシウムを純水に溶かし、ろ過をして石灰水を作ってくれました。


 次の実験は二酸化炭素の発生です。試験管の中に塩酸5ccと石灰石を入れて、水素と同じように水上置換のセットをします。
 まずは試験管にガラス管付きゴム栓をしてその先を水の中に入れて中の空気を抜いた試験管の中にガラス管を入れます。


 セット完了です。


 二酸化炭素は、水素と違って空気よりも重いので、あせる必要はありません。
 試験管に半分くらい二酸化炭素が集まったら、このように水の中で試験管の口に親指でフタをして、外に取り出します。
 試験管の中には水も半分くらい入っています。


 水槽の中から取り出した様子です。


 取り出したら、親指でしっかりと押さえたまま、上下に激しく振ってみます。


 すると、どうでしょう!!
 親指に試験管が吸い付く感じがします。
 ためしに手を離してみたら、このように試験管が親指に吸い付いたまま取れません。


 至る所で大成功です。
 この現象は、二酸化炭素が水に「少し溶ける気体」だからです。気体の「少し溶ける」は私たちの感覚では「かなり溶ける」ことも分かりました。つまり、試験管の中の二酸化炭素が水に溶けたため、試験管の中の気体が少なくなり、減圧されたので指にくっついたと考えられます。


 この後の実験も全員でやる予定でしたが、理科部はどんなに遅くなっても6時には中学生を帰らせることになっています。
 片付けの時間も考えて、最後の実験は代表で行いました。


 二酸化炭素が溶けた水に石灰水を加えると、このように白くなります。


 内田先生が、もう一つ実験をしてくれました。マグネシウムリボンに火をつけると激しく燃えることが分かりました。
 内田先生は「直視しないように」といっていましたが、思ったよりもまぶしかったので、びっくりしました。
 金属も燃えることを実感した実験でした。また、これが花火の原理になっているそうです。

 最後はやっぱり、みんなで大掃除をして、内田先生の話を聞いてから解散します。

【本日の感想】[一部抜粋]

 ・二酸化炭素と水が入った試験管を激しく振ると、親指がくっついたのでびっくりしました。[中2]

 ・なかなか成功しなかったけれど、何度も繰り返して実験をして、最後には成功しました。よかったです。[中1]

 ・酸素や二酸化炭素を水上置換で集める実験がうまくいってよかったです。二酸化炭素の実験で、二酸化炭素と水の入った試験管を激しく振ったときの「吸引力」がとても強くてすごかったです。初めての体験でした。[高1]

 ・今日の実験は、中学校でも一度行った実験でしたが、今度は自分が人に教える立場になるということで、いつもよりも頑張ろうという気持ちになりました。今日は、手伝ってくれた先輩たちと少し仲良くなれたので、これもよかったことです。実験を成功するには「協力すること」が大切なんだと実感しました。[高1]

 ・水素の実験が一番楽しかったです。[中2]

 ・二酸化炭素と水の入った試験管を激しく振ったときに親指が強く吸い付いて痛かった。[高2]

 ・今まで何回もやってきた実験ですが、また改めて観察してみると、気体にはいろんな性質があるのだなぁと実感しました。[中3]

 ・二酸化炭素と水の入った試験管を激しく振ると、親指がすごく吸い付いて、痛かったです。よく見ると、親指が紫色になっていてびっくりしました。でも、とても楽しかったです。水素を爆発させたときは、水素の量で音が変化したので、とても不思議でした。[中1]

 ・思ったよりも難しくてびっくりしました。今日は完璧には成功しませんでしたが、オープンスクールの時は、完全にできるようになって、小学生のサポートをしたいです。自分も小学生の時に名古屋経済大学高蔵中学校のオープンスクールに参加しました。その時は、何回やってもうまくいかなかったのを覚えています。[中1]

 ・今日の実験では、いろいろな気体の性質が理解できたのと同時に、全ての実験器具の使い方が正しく覚えられました。
  二酸化炭素の実験では、試験管の中では二酸化炭素が水に溶けて炭酸水になっているのですが、親指に試験管がくっついて、意外に痛かったのが驚きでした。このように、気体がどれだけ水に溶けるのかを自分の体で感じることは、科学を学ぶ上で、大切なことだと思いました。[高1]





スライムづくり

2011年04月25日 | 日記
4月25日(月)

 今日はスライムづくりを行います。
 ただし、理科部です。すこし、スライムの化学を勉強します。

<材料>
 洗濯糊(PVA配合)、ほう砂(四ホウ酸ナトリウム)、蒸留水、洗浄瓶、ビーカー(適当な大きさ)、わりばし

<作り方>

 1.容器(コップなど)に適量の洗濯のりをとります。洗濯のりと同量の水を加えてよくかき混ぜます。(水が多いとやわらかく、少ないとかたくなります。自分たちで工夫します。)

 2.あらかじめ、四ホウ酸ナトリウムをマグネティックスターラーでよく溶かし、飽和水溶液(これ以上溶けなくなる限界まで溶かした水溶液)を作っておきます。

 3.四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液を、1の容器の中身の1/4程度の量を加え、よくかき混ぜます。このとき全体がよく混ざるようにするのがコツです。かき混ぜている棒に固まりがそれ以上つかなくなったらできあがりです。

【なぜスライムができるのか?】

 PVA のりの中にはポリビニールアルコールが入っています。スライムは、ポリビニールアルコールの分子が四ホウ酸ナトリウム分子と水素結合という結合をして、立体的な構造をつくりまとまっています。この立体構造の中に水分子をかかえこむと水素結合が弱まってやわらかくなります。


 まずは、実験の準備に取りかかります。上級生が声をかけて、部員を集め始めました。


 スライムづくりに慣れていない新入生もいるので、班の中に上級生が入るようにします。


 高校生は、スライムの作り方の本を読みます。読んだら、中学生や分からない人に説明します。


 中学1年生です。真剣に話を聞いています。
  

 四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液をマグネティックスターラーで作っています。ビーカーの中に磁石が入っていて、これがぐるぐる回るので、自然に四ホウ酸ナトリウムが水に溶けていきます。
 高校生が準備します。実験の準備を陰で支えるのは上級生です。「理科部」ではこのように決まっています。


 まずは四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液以外の材料を混ぜます。先輩が見守り、新入生が主に実験を行います。


 中学生も同様に実験します。


 高校の上級生がこのように回って確認します。


 四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液の入れ方の説明を聞きます。


 それぞれの班で四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液を洗濯ノリと水野混ざったものが入っているビーカーに一気に入れて割り箸でかき混ぜます。とにかく、激しくかき混ぜます。


 左手(聞き手の反対の手)でしっかりとビーカーを押さえながら、しっかりと混ぜます。


 混ぜている瞬間の様子です。


 いい感じにできています。


 あちこちで歓声が響きます。


 この班もちょうどよい固さにできました。


 手で触ると気持ちがよいので、思わず触りたくなります。


 手でのばすとこんなに伸びます。


 箸(はし)でのばすと、何だか美味しそうに見えます。しかし、四ホウ酸ナトリウムですから、口に入れてはいけません。


 堅めに作るとこのようなボール状にもできます。柔らかく戻したければ、お湯を入れてもめば、柔らかいスライムになります。
 このスライムに食塩を加えると、スーパーボールになります。


 ちょうどよい堅さのスライムは、箸で触るとこんな感じになります。内田先生曰く、耳たぶの硬さよりも少し柔らかいのが一番よいそうです。


 楽しそうでしょ? 楽しいのが実験です。


 四ホウ酸ナトリウムの飽和水溶液を入れすぎると、このようにバリバリになります。固めてもボロボロと崩れます。


 実験も成功し、思わずVサインです。


 自分で作ったスライムを持って満足気です。

【感想】

 ・スライムづくりを初めて経験しました。スライムは空気に触れさせていると、中に含まれる水分が蒸発し、硬くなることが分かりました。この感触が気持ち良くてよかったです。[高1]

 ・スライムを作るときは、洗濯のりと純水を一気にかき混ぜるのですが、これがなかなか力が必要で、とても疲れました。
  出来上がったスライムの触った感触がとても気持ち悪いというか、ムニュムニュしていた。初めて自分で触ったので、よい経験になりました。スライムづくり、とても楽しかったです。[中1]

 ・いろんな班で、いろんな堅さのスライムが完成しました。それぞれを見ていても、触ってみても楽しかったです。
  固いスライムは、投げるとバウンドする(跳ね返ってくる)くらい固くて、ゴムボールのようでした。内田先生に聞くと、食塩を加えると、本当にスーパーボールのようになるそうです。是非、今度やってみたいです。入部してから、初めて理科部らしい実験ができたような気がします。(前回までは食べ物シリーズだったので・・・)[高1]

 ・今日の実験は、少しグダグダの感じがしました。手はべたべたになるし、正直「うわぁ・・・」と思ったのですが、やっているうちに、何だか楽しくなってきました。[高1]

 ・かき混ぜるのが大変でしたが、うまくできてよかったです。私の作ったスライムは、すごくネバネバしていました。[中2・中3]

 ・出来上がったスライムの感覚が「プニプニ」していて感動しました。[中2・中3]

 ・今回の実験としては固くなって失敗しましたが、お湯を加えると柔らかくなることを聞いたので次回はもっと工夫してみたいと思います。[高2]

 ・スライムの感覚がとてもよかった。混ぜるときがとにかく理屈抜きに楽しかったです。[中2]

 ・高校生の実験としては、無駄なほど簡単な実験でした。しかし、理科の仕組みに興味を持ったり、楽しさから入る勉強もあると思うので、そういう意味ではとても有意義だったと思います。[高2]

 ・今回のスライムづくりでは、それぞれの班で大量のスライムがうまく完成し、新入生も喜んでいたので、企画を進めていった高校生としては、それが一番うれしかったです。[高2]
 
 ・いろんなスライムができていた[高2]

 ・少し手についてしまったので、ちょっと失敗したような気もしますが、楽しくできたのでよかったです。[高1]

これが花?

2011年04月24日 | 日記
4月24日(月)

 マツの花が咲く季節になりました。
 マツは2種類の花が咲きます。
 雄の花と雌の花があるのです。
 また、桜のように子房がふくらんだいわゆる「実」がありません。


 マツの葉は、このような針のような葉になっています。
 だから針葉樹といわれます。
 その葉の元に茶色の固まりがみえます。これが雄の花です。「雄花」と言われます。
 中にはたくさんの花粉が入っていて、今は熟成期間です。雌の花が咲く前に現れます。


 この木では、雄の花は見あたりませんが、雌の花が咲いています。
 葉の元からまっすぐのびている「枝」の上についている赤い丸い物が雌の花である「雌花」です。これから少し大きくなって、雄花から花粉がやってくるのを待ちます。

植物の変化

2011年04月24日 | 日記
4月25日(月)

 季節の変化を感じる今日この頃になりました。
 今日は、春の植物がどうなったのかを紹介します。


 桜の木の下には終わった花が花柄ごとたくさん落ちています。


 木の上は葉がたくさん茂りました。


 冬の花である椿もほとんど枯れかけています。


 コブシの花も終わり、葉がたくさん茂っています。


 よく見ると果実がなっています。


 中央にある細長いのがコブシの果実です。


 シモクレンの花も終わりがけです。


 シモクレンとは、モクレンに白い花と紫色の花があるので名前で区別しています。


 菜の花も終わり、果実がなっています。


 クヌギの木は新芽が茂ってきました。


 ツツジの花もふくらみ始めています。5月にたくさん花をつけます。


 フジの花も咲き始めました。5月の花です。


 もうそろそろ満開になりそうです。


 ところで、これがハナミズキです。歌で有名になりましたね。

 このように、植物の日々の変化を感じてみるのもたまには良いのではないでしょうか。


理科部の活動が・・・

2011年04月23日 | 日記
4月22日(金)

 今日の内田先生の最後の話で、とても感動したことがあります。

 理科部は、大きな活動は夏休み中の2度の生物調査と文化祭での発表などです。
 1年間の活動の主なものは、冊子として文化祭で配っています。
 昨年の冊子をもらった人の話です。
 その人は理科部の冊子を読んで「楽しそう」「あたたかそう」と感じたそうです。
 そして、いつの間にか、このブログも発見し、毎日見てくれていたそうです。
 去年、大きな病気にかかってしまい、入院生活になったらしいのですが、何とこのブログを見て心が元気になったそうです。
 「私たちの活動が知らない人に勇気を与えているの。この理科部の活動を誇りに思って欲しい。そして、そういう人がいるからこそ、今まで以上にしっかりと行動しましょう。」と内田先生が言っていました。
 来週は、スライム作りを行います。

 楽しく、安全に実験ができることは当然で、それ以外の学校生活もしっかりと行動したいと思いました。
                                            高校3年生