DUMMY FAKE ROLLERS

邦楽オススメ若手バンドから、洋楽のガールズロックやHR/HMまで、音楽やアーティストを色んな切り口からレビューします。

[ライブレポ] 馬場俊英 FACTORY TOUR 2013 ~キャンディー工場へようこそ@中野サンプラザ

2013年12月29日 | ライブレポート
いよいよ年越しが迫ってきましたが、ずっと書けずにいた先月の馬場俊英さんのライブレポを書きたいと思います。

10月にリリースされた馬場さんの新譜『キャンディー工場』のツアーでした。馬場さんライブは6年前に初めて行ってから(⇒前回のライブレビューはコチラ)、今回で3回目かな?今回もとても楽しく感動的なライブでした。

『キャンディー工場』は、2012年のEP『平凡』から続いたEXPRESSシリーズ(⇒EP第2弾のレビューはコチラ)を経て辿りついたアルバムなのですが、なんと2枚組でビックリしました。そんなにたくさん曲を詰め込んでクオリティは大丈夫なんだろうか、、、と思いましたが、これが良い曲ばかりで、本当に馬場さん凄いなと思ってました。
馬場俊英LP1 ~ キャンディー工場(初回限定盤)
クリエーター情報なし
ワーナーミュージック・ジャパン


そんなアルバムを受けてのライブなので、やっぱり期待しちゃいますよね。セットリストは以下でした。

◆本編
01.キャンディー工場
02.石ころ伝説
03.昭和生まれの星屑野郎
04.ギザ10
05.一瞬のトワイライト
06.幸せのウェイティングリスト
07.ミセス・ユー
08.右と左の補助輪
09.敗者復活の街
10.弱い虫
11.愛をあきらめないでくれ
12.平凡
13.野蛮人になって
14.ラーメンの歌
15.向かい風は未来からの風
16.働楽
17.青空

◆アンコール
01.ボーイズ・オン・ザ・ラン
02.スーパーオーディナリー
03.CANDY FACTORYよ永遠に(Reprise)

アルバム通り、キャンディー工場で始まり、キャンディー工場で終わるという流れでした。しかも工場の作業員が最初出てきて、ステージの準備をして、ラストは同じく作業員が出てきて片付けをするという演出もあり、コンセプトが楽しいライブでした。

1曲目のキャンディー工場のイントロが始まるとともに、なぜか涙があふれてきました。まだ歌も聴いてないのに。馬場さんのライブに行くと、なんでこんなに涙もろくなるんでしょうかねー?(^^; なんか大きな優しさに包まれたような気持ちになって、心が解けるんでしょうか。それ以降は、ずーっとウルウルしっぱなしだったような気がします。

頭4曲は新譜のDISC1の曲順通りにやってくれました。この曲の並び良いですね~。特に「昭和生まれの星屑野郎」は歌詞聴いてると、何だこりゃ?って思いますけど、とても楽しい。しかもライブで聴くと、馬場さんすごく楽しそうで、魅力倍増でした。

「幸せのウェイティングリスト」では、ちょっとした寸劇を挟んでユーモラスに聴かせてくれ楽しかったです。そして、古い曲「ミセス・ユー」をやってくれたのも嬉しかったですが、続く「右と左の補助輪」をやってくれたのも嬉しかったですね。親が子を思う気持ちを歌った優しさあふれる歌詞に泣けます。。。

●右と左の補助輪 / 馬場俊英


「ミセス・ユー」でみんな着席して、しばらく座ったまま歌を聴きましたが、「平凡」の途中、「hey man,stand up hey woman, stand up」のところを歌い終わったあたりからみんな立ち始めて、一気にロックモードへ。この「平凡」も泣けるんですよねー。

●平凡 / 馬場俊英


この曲、2012年の「桑田佳祐が選ぶ今年の名曲ベスト20」で1位を取ったんですよね。私もこの曲大好きで、特別な何かを持っているわけでもなく、日々やらなきゃいけないことを地道に繰り返し続ける平凡な毎日に追われている自分のことを、励ましてくれる歌詞が泣けます。

「僕にしかできないことっていったい何だろう
 僕にしかできないことって何か本当にあるのか」

という歌詞に、思わず自分の存在意義って何だろう?何かのために誰かのために役に立ってるだろうか?と自問自答してしまいます。でも

「昨日、地球を回していたのは、もしかしたら君なんじゃないのか
 今日も地球を回しているのは、平凡な僕たちじゃないのか」

という歌詞に励まされます。

「ラーメンの歌」はみんなでサビの「ラーメン!」を大合唱して楽しかったし、いつもの「働楽」はやっぱり盛り上がりました。

今回のライブのハイライトは、やはりラストの「スーパーオーディナリー」ですかね。6年前のライブでやってくれた「主人公」(⇒前回のライブレビューはコチラ)に通じるものがありました。

「もしも巨人と阪神の選手が全員入れ替わったら
 君はどっちのチームを応援する?」
というインパクトのあるフレーズで始まるこの歌、どんな曲かと思ったら、
普通の毎日、普通の人生、でも、それをずっと続けていることはすごいこと、それを普通にやっているあなたはすごい人なんだ、と優しく背中を押してくれる曲なんです。

●スーパーオーディナリー / 馬場俊英


この曲は、新譜『キャンディー工場』のラストを締めくくっている曲なのですが、このライブ全体をも包み込んでしまう包容力に満ちた歌だったなぁと思いました。ぜひ皆さんにこの曲聴いて頂きたいです。

かつて「スタートライン」(⇒スタートラインのレビューはコチラ)で注目を集めるも、それほどガツーンとブレイクせず、その後どうなるかと思ってましたが、リリースを地道に重ねるにつれ、支持してくれる人も増え、数々のミュージシャンとの親交も増え、「スーパーオーディナリー」では佐藤竹善と共演したり、伊勢正三さんとのジョイントライブを行うまでになったりと、確固たる地位を築きましたね。これも楽曲に滲み出まくっている馬場さんの人柄の力なんだろうなぁと思います。そんな馬場アニキに、これからもついて行って、腐らずに優しく穏やかな心を持ち続けていきたいなぁと感じました。

《 本ブログのレビューアーティスト一覧はコチラ 》


コメントを投稿