Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

えっ! 「日本人と犬は立入禁止」?

2005-05-27 23:51:37 | 国際
どこかの記事に「日本人と犬は立入禁止」と書かれていたようなおぼろげな記憶があったので、今日(2005年5月27日)改めてインターネットの検索エンジンにキイワードを「日本人+犬+立入禁止」と入力して調べてみたら、韓国「中央日報」紙のコラムが出てきた。

有名なエピソードを持つこの種の看板(「○○○と犬は立入禁止」)は、現在の韓国ではあちこちに見られるそうで、沸き上がる韓国のナショナリズムにおもねる「商魂ナショナリズム」らしい。

このコラムでは、「恐らく、民族主義を売りものにし売上げを伸ばしたい、という商魂が更に大きく働いたのではないか、と思われる。考えてみれば、韓国メディアの報じ方も似たようなものだ」と寸評している。韓国のジャーナリストは、自分たちが報じている報道内容が大衆の気分に迎合した要素があるという問題点に気づいてはいるのだ。(もっとも、この問題点は日本のジャーナリストにもいえることだ)

一方、「鬱陵島から独島(引用者注;竹島)へ向かって出発するハンギョレ号の乗船口に「日本人立入禁止」という大きな看板が設けてある」そうだ。ここで「日本人立入禁止」という看板を掲げるのは「商魂ナショナリズム」というものではないだろう。

でも、この情景が写真入りで報じられると、現在の韓国大衆は喝采して喜ぶ。大衆の喝采を呼ぶためにこうしたニュースを作るのは、ジャーナリストといえども「日本人と犬は立入禁止」の看板を掲げる商人と変るところがないと、このコラムニストはやや自嘲気味に書いている。(日本のジャーナリストにもいえることだ!)


中央新報
【中央時評】「日本人と犬」立入禁止?
2005.05.01 18:55:48

一昨日のことだ。『向かいあって闘う女』の著者クォン・ミョンア氏が、独島(ドクト、日本名・竹島)の話のついでに、自分で撮った写真1枚を見せてくれた。

新村(シンチョン)のある酒場前に掲げられた「日本人と犬、立入禁止」という警告板の写真だ。日本人の友だちと一緒に飲むため、適当な店を探す途中、警告板を見てしまったということだから、2人が同時に感じたはずの当惑さを分かるような気がする。

しかし、その酒場だけではないらしい。多くの日本人観光客が訪ねる弘益(ホンイック)大入り口のブティック街には、親切にも日本語で「日本人と犬、立入禁止」との案内文が貼ってある、というのが同氏の伝言だ。実は「立入禁止」の文法は、それほど新しいものではない。

上海租界外国公園の入口に掲げられた「中国人と犬、立入禁止」、1968年までロンドン大前のパブに堂々と掲げられていた「アイルランド人と犬、立入禁止」、米南部の商店前に掲げられていた「黒人とペット、立入禁止」などの警告板は、それが「帝国」の文法であることを示している。

商人が「立入禁止」との警告板を設ける際、それが帝国の文法だとの点に気付いていたかどうかは分からない。旧帝国を見つめる、それら旧植民地の人々の視線に、帝国への欲望が盛られていたのか、または、帝国への痛快な報復の心理が働いていたのかも、確認できる方法がない。

恐らく民族主義を売りものにし売上げを伸ばしたい、という商魂がさらに大きく働いたのではないか、と思われる。考えてみれば、韓国メディアの報じ方も似たようなものだ。

鬱陵島(ウルルンド)から独島へ向かって出発するハンギョレ号の乗船口に「日本人立入禁止」という大きな看板が設けてある写真を撮って電送した有力通信や、その写真を受け取って堂々と掲載した主要日刊紙の見方が、それら商人よりマシなものとも言えない。

非常に単純な質問一つだけでも、それらの商業的民族主義は、すぐにその薄っぺらな底をあらわしてしまう。日本の独島領有権主張に懐疑的な見方を示し、「新しい歴史教科書」の日本民族主義を批判し、日本の右傾化に反対する日本人も、立入禁止の対象だろうか?4年前に「新しい歴史教科書」の採択率を0.039%にすぎない、微々たるものにひきおろした日本の良心的な市民も、立入禁止の対象なのか?

私がこの警告板に戦りつする理由は、さらに根本的なところにある。単一の「日本国民」を作る、という「新しい歴史教科書」の目標から分かるように、日本の民族主義者は、すべての日本人を統一された意志を持った、一つの日本人にすることに全力をあげている。

ところが、この警告板は、日本と日本人の複数性を否定し、すべての日本人を一つにくくり、単一の日本国民を目指す日本右派の目標に、反射的に寄与しているのだ。韓国の反日民族主義が、右傾化を主導する日本の民族主義と敵対的な共犯関係になるのは、こうした脈絡からだ。

要するに、韓国の民族主義と日本の民族主義は、すべての韓国人と日本人を、単一の意志をもった集合体に想定するとの点から、民族を「単位」で私有するコードを共有しているのだ。それが危険なのは、誰かを評価する際、その人が行なった行為の意図や結果を問題視するのではなく、その人がどの民族に属しているのかを、評価の基準にするからだ。

単に日本人だとの理由だけで、特定の店で酒を飲めなかったり、服を買えなかったりする、といったレベルにとどまるならば、ささいなこと、と受けとめられるかもしれない。問題は、対立が激化するとき、そのささいさが、ジグムント・バウマンが「範ちゅう的殺害」と定義付けたジェノサイド(集団殺害、genocide)につながるとの点だ。

すべてのユダヤ人の胸にダヴィデの星をつけさせたとき、ホロコーストはすでに始まったのだ。被害者になんの過ちもないのに、単にある民族に属しているとの理由だけで殺され、また加害者は、そうした理由から、集団虐殺を正当化するならば、あまりにも恐ろしいことではないだろうか。

米下院調査官の反日講演

2005-05-27 23:21:22 | 国際
アメリカ議会下院の調査官で、ピアソン・フェロー(カナダの元首相、故L.B.ピアソンを記念して設けられたフェローシップ)でもあるデニス・P・ハルピン(Dennis P. Halpin)という人物が、韓米研究所(ICAS、Institute for Corean-American Studies)の定例セミナーで極めて反日的内容の講演をおこなったらしい。

デニス・P・ハルピンとはいかなる背景を持つ人物か。調べてみると、1971年、アメリカ政府の平和部隊(Peace Corps、海外青年協力隊のアメリカ版)の一員として韓国を訪れてから、ずっと韓国関係の仕事をしてきた韓国専門家であった。彼の妻も韓国人で、4人の子供のうち3人までが韓国生まれというのだから、もはや韓国人のようなものだ。

彼は一回だけであるが、北朝鮮を短期旅行した経験があるようだ。1996年9月、国連開発計画の経済プロジェクトで羅津などを4日間訪問している。また、1995-1998年には北京のアメリカ大使館に勤務し、北朝鮮国境近くを4回旅行した経験もあるようだ。

韓国政府は、米議会下院の調査官でもあるこういう人物を、ロビー活動で使っているのだろうか。


中央日報
ハルピン米下院専門委員、日本の歴史歪曲痛烈に非難
2005.05.20 09:46:26

「日本は過去の歴史をきちんと謝罪しない限り、安保理常任理事国になることができない」--。

米議会内の対韓半島保守勢力を代表するデニス・ハルピン米下院国際関係委専門委員が日本の歴史歪曲(わいきょく)についてこのように強力に批判した。

19日、米議員会館で開かれた韓米研究所(ICAS)セミナーの主題演説「60年間解決できない日本の歴史遺産」からだ。 この日ハルピン氏は、日本の歴史歪曲を強い調子で批判するとともに、韓国や中国の対日感情に顔を背けたまま親日路線を固守する米国まで批判した。 ハルピン氏の私見ではあるが、米議会内で日本の批判が公開提起されたこと自体が例のないことだ。

◇「米、韓国対日感情を理解しなければ」=ハルピン氏は「米国は日本を安保理常任理事国にしてアジアの「英国」(血の同盟)とみなそうとするが、これは現実的に不可能な夢だ」と一喝した。「日本は過去、ドイツのビリー・ブラント首相がポーランドでひざまずいたように、きちんと過去の歴史を反省しない限り、どんなにお金をつぎこんでも安保理議席を獲得することはできないからだ」と話している。

ハルピン氏は「ワシントンは、日本が十分に謝罪したということから韓国や中国など周辺国が硬直してしまったのではないかという」とし「しかし小泉純一郎首相がジャカルタで『過去史遺憾』を表明した4月22日、日本の議員81人は靖国神社を参拝しA級戦犯14人に頭を下げている」と指摘した。そして「米国ならばドイツ議員らがナチス追慕式に集団参加することを想像もできるだろうか」と反問した。

また「日本は靖国神社のそばに真珠湾空襲と南京大虐殺を正当化する遊就館(太平洋戦争記念館)を建設した」とし「これでも日本が何の謝罪をしたというのか」と批判した。

◇「靖国戦犯位牌撤去せよ」=ハルピン氏は「(米国の)一部では韓国や中国の政府や国粋主義者らが日本の過去の問題を自国の政治的目的に利用していると主張している」とし「これは歴史に対する無知と誤解をあらわしたもの」と指摘した。

ハルピン氏は「両国の(日本の蛮行に対する)感情は深いし、真実だ」とし「韓国で11年、中国で4年暮らしたので、そのようなことはよく知っている」と述べた。

ハルピン氏は結論として「日本は戦犯らに頭など下げずに、靖国に設置された戦犯位牌を撤去せよ」とし「そうでなければ韓国など周辺国とずっと気まずくならざるを得ないだろう」と要求した。


Institute for Corean-American Studies


Dennis P. Halpin
Pearson Fellow,
Committee on International Relations,
U S House of Representatives
.


Biographic Sketch

Dennis Halpin, ICAS Fellow, has ties to Korea going back over three decades to February, 1971, when he arrived as a Peace Corps volunteer (K-16) in Seoul. He taught English as a Second Language classes for two years at Kyunghee University and then, for a semester, at Seoul National University. He was in-country, therefore, during the surprisingly close 1971 Presidential election between former General Park Chung Hee and human rights advocate Kim Dae Jung. Due to the closure of the universities after the declaration of the October 1971 "Yushin" Constitution, Dennis and his Peace Corps colleagues were sent to set up English language workshops for middle school teachers at various sites around South Korea, including Taegu, Chungmu, Chunchon, and Dokjok Island off of Inchon.

Dennis returned to Korea a second time as a young Foreign Service Officer working at the American Embassy in Seoul from 1978 to 1982, first in the visa section and then in the political section. 1979 was a critical year for Korea, with the assassination of President Park Chung Hee. This was followed in 1980 by events which led up to the Kwangju Massacre. Dennis was an Embassy observer that year at the martial law trial of Mr. Kim Dae Jung where Mr. Kim was sentenced to death ( a sentence later rescinded due to American official intervention.)

Dennis came back to Korea for a third time, serving as the American Consul in Pusan from 1989 to 1993, where he witnessed the opening of a Russian and then a mainland Chinese Consulate in that city for the first time. In his position as American Consul, he was elected President of the Tongbaek International Rotary Club of Pusan (1990-91). In 1992, Dennis met with Pusan citizens angered over events in Los Angeles, where rioting involved ethnic Korean shopkeepers. The American Consulate in Pusan, as a result, was also the focus of sometimes violent demonstrations. When Dennis left Pusan, he received both the key to the city and a certificate of appreciation from the Pearl S. Buck Foundation for his work with Amerasian children. Before he left Korea at that time, Dennis served as official notetaker for former President Clinton's first meeting with then ROK President Kim Young Sam at the Blue House.

Dennis has visited North Korea once, when he attended a four-day UNDP-sponsored economic conference in Rajin/Sonbong in September 1996. He served at the American Embassy in Beijing from 1995 to 1998, and made four trips at that time to the DPRK border area near Yanji and one trip to the Dandong border area on the Yalu River. He was back in the border area in March (both Dandong and Yanji), traveling with Doug Anderson, Professional Staff Member of the House International Relations Committee where Dennis also currently serves as a Pearson Fellow.

Dennis' wife was born in Pusan and three of his four children were also born in South Korea.

谷内次官発言15日後、韓国政府の怒りはなぜ?

2005-05-27 18:12:24 | 国際
谷内正太郎事務次官の発言から15日も経って、急に韓国政府が強硬姿勢を見せるようになった背景には、盧武鉉大統領が一枚絡んでいることは間違いないだろう。ここで盧武鉉大統領が絡むことになったのは、6月10日に米韓首脳会談を控えているからではなかろうか。

李鍾奭国家安全保障会議(NSC)事務次長も絡んでいるかもしれない。李鍾奭事務次長は北朝鮮問題の専門家だが、密かに北朝鮮側と通じている可能性がある。しかも、彼は国家安全保障会議事務次長という重要ポストにあるから、在韓米軍の戦略機密を知り得る立場にある。盧武鉉大統領はこのような疑惑に包まれた人物を、国家存亡に関わる重要ポストに就けているのだ。

米軍は自分たちの戦略機密が漏洩している事実を掴み、それが李鍾奭事務次長の周辺から漏れ出したことまで掌握しているのではなかろうか。

もちろん、当然のことながら、李鍾奭の独断行動ではないだろう。李鍾奭と盧武鉉はある程度まで合意の上で、北朝鮮への接近工作を進めているのだ。彼らは「南北宥和」という最終ゴールに向けてまっしぐらに走っている。そうだ。彼らは確かに最終ゴールに向けて走っている。だが、同時に彼らは、何者かにひどく怯えているようにも見える。

谷内事務次官も、これまでにアメリカ側から、韓国におけるこれらの重大事態をある程度まで具体的に聞かされていたであろう。だからこそ、5月11日の韓国不信発言が飛び出したのであろうが、ウリ党の国会議員がいる前で発言したのはまずかったかもしれない。

だが、彼自身がいうように彼の問題発言が単に「日米韓の連携をさらに強化していく重要性を強調することにあった」のか、それとも、盧武鉉大統領の訪米に向けて外務省がアメリカ政府と連携して仕組んだ「意図的失言」だったのか、いまのところ、それはまだわからない。日本政府は沈黙を続けている。


毎日新聞
外務事務次官: 韓国国会議員団に「誤解を招いたなら遺憾」
2005年5月27日 21時07分

 外務省の谷内正太郎事務次官は27日、訪日した韓国の国会議員団に「米国が韓国を十分に信頼していない」などと発言したことについて「真意は日米韓の連携をさらに強化していく重要性を強調することにあったが、韓国国内で議論を呼び、誤解を招いたのであれば遺憾だ」と記者団に語った。町村信孝外相から「発言には慎重を期すように」と注意され、韓国の羅鍾一駐日大使に遺憾の意を伝えたことも明らかにした。

 谷内次官は一方で「非公式な意見交換の場における発言が対外的に明らかにされたことに当惑している」とも述べ、発言を公表し日本政府の謝罪を求めた韓国側の対応に不快感をにじませた。


朝鮮日報
【谷内事務次官の発言】政府、なぜ発言15日後の「強硬姿勢」?
2005/05/27 07:47

 大統領府と外交通商部は26日、谷内次官の発言について異例の厳しい態度を示した。腑に落ちないのは、谷内次官が発言してから15日目にして、対応に乗り出したことだ。

 金晩洙(キム・マンス)大統領府スポークスマンは、同日の懸案点検会議が終わった後、予定になかったブリーフィング(状況説明)を自発的に行った。そして外交的に異例の発言を繰り出した。

 金スポークスマンの「韓米の信頼問題に言及するとは身の程知らずも甚だしい」という言葉も外交的に「こらしめてやる(金泳三(キム・ヨンサム)元大統領の発言)」と同様な破格の言葉だ。

 「大統領の意志でなければ、スポークスマンがそのような発言をするのは無理」という見方もそこから来ている。

 同日の大統領府会議では、「日本が事態の深刻性に気づいていないようだ」「この問題をこのままうやむやにしてはならない」という意見が多かったと伝えられる。そうした観点でこ同日のこのような対応になったという。

 大統領府会議が終わった後、外交通商部も急に奔走し始めた。 李揆亨(イ・ギュヒョン)スポークスマンも予定になかった公開ブリーフィングを通知した。ただちに記者たちから「昨日までは反応しなかったのに、どうして今さら」という質問が出た。

 谷内次官が問題の発言をしたのは、今月11日朝のことだった。

 その直後、駐日韓国大使館から関連内容の報告を受けた外交部は、駐韓日本公使を呼び、抗議の意を伝えた。駐日韓国大使館も遺憾を表明した。それで終わりだった。

 ところが、2週が過ぎた24日、いくつかの朝刊新聞によって谷内次官の発言が報道された。

 引き続き、25日夜テレビニュースでこの問題が大々的に報道されたのに続き、26日には他の朝刊新聞もこの問題を報じた。

 すると、状況は完全に変わった。大統領府が激怒し、日本に対し「身の程知らず」「相応の措置を取れ」と求めた。

 韓日首脳会談のキャンセルまで取り上げられる状況に一変した。24日に「すでに11日に遺憾を表明している」という報道参考資料を出した外交部も26日再び対応に乗り出した。

 新聞に報道されなければ、重大な問題も非公開でうやむやにし、新聞に報道されれば、同じ問題にも後になって怒る有り様だ。

 こうした経緯から、問題の本質より、メディアに報道されたかどうかによって重大な政策が左右されているという指摘が出ている。

権大烈(クォン・デヨル)記者 >dykwon@chosun.com


東亜日報
「分の過ぎた言動」大統領府、事実上谷内次官の問責を要求
MAY 27, 2005 03:24
by 金正勳 (jnghn@donga.com)

大統領府は26日、最近日本外務省の谷内正太郎事務次官が、「米国が韓国を十分に信頼していないため、韓国との情報共有及び協力に慎重にならざるをえない」と発言したことと関連して、「日本政府は、責任ある官僚の無責任な言動に対して、応分の措置を取るべきだ」と主張した。これは、事実上問責を要求したものと見られる。

大統領府の金晩洙(キム・マンス)報道官は同日、金雨植(キム・ウシク)大統領秘書室長の主宰で開かれた懸案点検会議終了後の会見を通じて、「谷内次官の発言は事実とも合わないだけでなく、外交慣例上ありえない無礼なことだ」と述べ、このように明らかにした。

金報道官は、「韓日首脳会談を控えて、日本の高位外交官が韓米両国の信頼問題を話すことは、分の過ぎたことだ」とし、「今回の発言は、今後の韓日関係のためにも黙過できない」と強調した。

金報道官は、「応分の措置とは何か」という記者たちの質問に、「日本政府が判断する問題だ」と述べた。また、「応分の措置がなければ、韓日首脳会談は難しくなるのか」という質問には、「ひとまず日本側の措置を見守る」と答えた。

李揆亨(イ・ギュヒョン)外交通商部報道官も声明を通じて、「谷内次官の発言は、韓日関係はもとより、韓米関係をも損傷させ得る大変不適切な発言であり、これまでの韓米日協力を真っ向から否定する態度だ」とし、日本政府の謝罪を求めた。

李泰植(イ・テシク)外交部次官は、同日午後、高野紀元在韓日本大使を呼び、「日本政府が、適切な措置を取らない場合、韓日関係全般に重大な影響を及ぼす恐れがある」と警告した。

高野大使は、「谷内次官の発言は、北朝鮮をめぐる情勢を背景に、これまでの韓米日間の緊密な協力が重要だという脈絡で言った発言だった」とし、「韓米関係を損傷する意図はなかったと理解している」と説明した。


中央日報
6月の韓日首脳会談、予定通り開催できるか
2005.05.27 08:52:41

ここしばらく落ちついていた韓日関係が荒れはじめている。

日本の谷内正太郎外務省事務次官の発言が導火線になった。外交部周辺では「ともすれば3月のときより深刻な局面を迎えるかもしれない」という憂慮さえ出ている。

さらに発言の主題が韓米関係という点が問題だ。政府の立場から見て、最も敏感な主題に触れたようでもあるからだ。政府高位当局者は26日「最近相次いで飛び出した韓米対立の論議をようやく落ち着かせたころ、友邦だという日本の外交実務最高責任者が、火種を大きくするということがあっていいものか」と不満を隠さなかった。

政府の強硬対応には「日本内の強硬論に釘を刺す必要がある」という判断も作用した。特に北朝鮮核問題と関連し、日本の政治家とマスコミが▽核実験徴候説▽国連安保理付託▽北朝鮮を除外した5者会談開催など--をむしろ米国より強硬に主張することに対し、政府当局が非常に不満に感じていた。

ある当局者は「日本側から飛び出す説は99%が全く根拠のないことだ」とし「日本の強行論で交渉に集中できない」と非難した。

日本の無反応も対立を増幅させた主な要因だった。政府は谷内発言が出た当日をはじめ、各種外交経路を通じて日本側に釈明を要求したが、公式、非公式ともに答弁がなかった。この日、青瓦台(チョンワデ、大統領府)と外交部スポークスマンが「分不相応だ」「黙過できない」「非常に不適切な発言」など外交慣例上、あまり使わないような用語を動員したことも、政府内の強硬な気流をうかがわせるという説明だ。

今後の関心の焦点は、韓日首脳会談が予定通りに開かれるかである。政府高位関係者は「首脳会談開催の可能性は半々」とし「日本側の誠意ある措置がなければ、開催は難しい状況」と話している。 すべては日本政府にかかっており、開催については日本の態度によるとしている。

私の読書生活(2005年5月27日)

2005-05-27 09:01:08 | 読書
購入図書;

● 今道友信著『アリストテレス』(講談社、講談社学術文庫、2004年5月10日発行ISBN4-06-159657-8、定価1400円)

この講談社学術文庫は、1980年に講談社から刊行された「人類の知的遺産」8「アリストテレス」を定本としている。

● 呉善花著『「反日・親北」韓国の暴走』(小学館、2005年4月10日発行、ISBN4-09-387550-2、定価1400円)

● 中冨信夫『北朝鮮のミサイルは撃ち落とせるのか』(光文社、2005年5月30日発行、ISBN4-334-93358-0、定価952円)

谷内次官発言で韓国政府硬化(日本の報道)

2005-05-27 05:28:57 | 国際
谷内正太郎外務省事務次官の「アメリカは韓国に不信感を抱いている」という発言に韓国政府が謝罪を要求したというニュースは、日本側の各紙(共同通信を含む)はいずれも、ソウルからの一報を載せただけだった。次々と韓国政府の動向や社説での論評を繰り出す韓国側のマスメディアとは際立った対照をなしている。

日本政府はいまだにまったく反応を示していない。日韓両政府のこのような態度は、異様なほどに際立っている。(2005年5月27日午後10時追加記入)


毎日新聞
韓国: 谷内次官の「米韓不信」発言で謝罪要求
2005年5月26日 20時16分

 【ソウル堀山明子】韓国外交通商省の李泰植(イテシク)次官は26日、高野紀元駐韓日本大使を同省に呼び、外務省の谷内正太郎事務次官が韓国国会の訪日議員団に対し、「米国の韓国不信」に言及した問題で、公的な謝罪と再発防止策を求めた。

 李次官は、谷内次官が米国が韓国に不信感を持っているため日韓の情報共有に慎重にならざるをえないとの趣旨の発言をしたことに触れ、「日本が米韓間の情報共有の仲介をしているかのように実態をわい曲している」と抗議した。高野大使は、「非公式な意見交換で詳細を確認できる立場にない」としながら、「日米韓の連携が重要という文脈の話だ」と真意を説明した。

 これに先立ち青瓦台(大統領官邸)の金晩洙(キムマンス)報道官は、米韓不信の指摘は「事実でないだけでなく、無礼」と批判。来月開催予定の日韓首脳会談への影響が「ないとは言えない」と述べ、強い不快感を示した。

 また、与党「開かれたウリ党」は、谷内次官の解任を求める論評を発表。一方、野党ハンナラ党議員側は26日、政府と与党の対応に「過剰反応」「本質をわい曲」と批判を強めており、発言の評価をめぐり与野党が対立を深めている。

 谷内次官は今月11日、来日した国会国防委員会所属の与野党議員との非公式の朝食会で、日韓の情報共有が十分にできない理由として米国の韓国不信を指摘した。


読売新聞
外務次官発言、韓国外交通商省が駐韓大使に抗議
2005年5月26日20時30分

 【ソウル=浅野好春】韓国外交通商省の李泰植(イ・テシク)次官は26日、高野紀元駐韓日本大使を同省に呼び、谷内外務事務次官が韓国の与野党国会議員団に「米国は韓国に不信感を抱いている」「日韓の情報共有は困難」などと発言したとされることに抗議し、日本政府に公開の謝罪と再発防止策をとるよう求めた。

 高野大使は「発言には韓米関係を傷つける意図は全くなかった」としながら、韓国側の要求を本国に伝えると述べた。

 これより先、韓国外務省報道官は声明を通じ、発言が「韓日首脳会談を前にした重要な時点」で行われたとし、「韓日関係はもちろん、韓米関係も傷つける外交慣例上極めて不適切な発言」と批判した。

 ただ、野党ハンナラ党の副報道官は論評で、「青瓦台(大統領府)と(与党)ウリ党は、(国民の)反日感情を利用して国家安保に関連した重大な外交上の欠点を隠そうとするのではなく、問題があるなら是正するのが道理だ」と政府・与党の対応を非難した。この問題は、外務次官発言を公開したハンナラ党に対し、ウリ党が「日本の外務官僚の妄言を使って政府と大統領を攻撃している」と謝罪を求める騒ぎにも発展しており、次官発言が政争のタネに利用された面もある。


産経新聞(共同配信)
韓国、谷内次官発言を批判 駐韓大使呼び謝罪要求
2005年5月26日 20:54

 韓国外交通商省の李泰植(イ・テシク)次官は26日、ソウルの同省に高野紀元(たかの・としゆき)駐韓日本大使を呼び、谷内正太郎(やち・しょうたろう)外務事務次官が韓国の与野党議員団に「米国が韓国を信じていないようで、日本は韓国との情報共有にためらいがある」などと発言したとされる問題で抗議、公式謝罪と再発の防止を求めた。

 これに先立ち、韓国の青瓦台(大統領官邸)報道官は同日、谷内次官発言について「外交慣例上、無礼で無責任な言動だ」と批判した。日本側の対応次第では、日韓関係の一層の悪化につながる可能性がある。

 韓国側によると、李次官は高野大使に対し、来月20日に日韓首脳会談を控えていることにも触れながら「日本政府が適切な措置を取らなければ韓日関係全般に甚大な影響を与える」と述べた。

 また、日本側によると、李次官は谷内次官が11日の議員団との会談で「韓国は北朝鮮側に傾いている」と述べたとも指摘。こうした発言は韓国政府の対米、対北朝鮮政策に不必要な誤解を招くとし「韓日、韓米関係を損なう恐れがある」と懸念を表明した。また「日本が韓米間の情報共有を仲介しているかのように事実を歪曲(わいきょく)した」と批判した。

 さらに、谷内次官が「6カ国協議に進展が見られなければ、国連安全保障理事会に付託するか、北朝鮮を除く5カ国協議を行うのが望ましい」とも述べたとし、6カ国協議再開に向けた国際社会の努力に反するとの考えを示した。

 これに対して高野大使は、谷内次官発言に関して「非公式の意見交換の場で出たもので、詳細を確認する立場にない」とした上で、韓国側の考えを日本政府に伝えると述べた。

 韓国の与党ウリ党のスポークスマンも26日、谷内次官の「即刻解任」を要求した。

 谷内次官は25日、自身の発言内容について「コメントできない」と語っている。(共同)

谷内次官発言で韓国政府硬化

2005-05-27 05:28:56 | 国際
2週間後の2005年6月10日、ワシントンで米韓首脳会談がおこなわれるというこの微妙な時期に、日韓の間にまことに興味深い外交トラブルが発生した。当事者の外務省谷内事務次官は米韓首脳会談にタイミングを合せて確信犯的に口を滑らせたとさえ感じられる。だが、どうもそうではないらしい。

東亜日報は、「谷内事務次官が最近の韓日関係と関連して不満を持っていたところに、韓国の野党国会議員が同席したので不必要な話をしたようだ」とし、「谷内事務次官の発言直後、日本外務省に遺憾を表明した」とする関係筋(韓国政府外交通商部であろう)の話を紹介している。

今回の米韓首脳会談では、盧武鉉大統領は針のむしろに座ることになるのではないか。マクレラン大統領報道官の発表によれば、米韓両首脳は、北朝鮮の核問題解決に向けた方策と米韓同盟関係について話し合うことになっている。谷内事務次官の「米国が韓国を信頼していないようで、日本は韓国との情報共有及び協力に躊躇する」という発言は、米韓首脳会談を前に韓国大統領への隣国からの心遣いだった。もちろん、韓国政府が怒りを露わにするのは当然のことかもしれない。

宮崎正弘はブッシュ大統領と金大中前韓国大統領の米韓会談の折のこととして、「ブッシュは金大中前大統領と並んで記者会見をしたとき、金を「大統領」とは呼ばず「この男」と呼んだ。それほど韓国の変心に立腹したのだ」というエピソードを紹介している。今回の会談でも盧武鉉はブッシュから「この男」と呼ばれそうだ。(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」2005年5月27日から)

中央日報の社説は、「日本の外務次官が「米国が韓国を信頼しないようだ」という直説的な表現を使ったことは、韓米関係が既に深刻な水準にあることを知らせている。韓国を信じることができないという言葉は、我々が情報を北朝鮮や他国に流すという言葉でもあり得る。特に、谷内次官が述べた「韓国はいま中国と北朝鮮の方向へ進んでいるようだ」という言葉は深刻に受け止めなければならない」として、谷内事務次官の忠告を正しく受け止めている。

同社説はまた、「外交通商部スポークスマンは、谷内次官の発言が「韓米関係および韓国の対北朝鮮政策に対し不必要な誤解を招きうる」と遺憾を表明した。しかし、「不必要な誤解」を心配する時期は既に過ぎているようだ。「誤解」が問題ではなく「現実」がどうかだ。反米、民族協調を叫びながら同盟を捨てて、韓国だけが次第に北東アジア地域で孤立していく局面ではないだろうか」と韓国の政治の現状に対する危機感を露わにしている。


東亜日報
日本、北朝鮮情報で韓国との共有を躊躇
MAY 25, 2005 03:17
by 鄭然旭 (jyw11@donga.com)

日本の谷内正太郎外務省事務次官が、最近日本を訪れた国会国防委員会所属の与野党議員に、「米国が韓国を信頼していないようで、日本は韓国との情報共有及び協力に躊躇する」と話していたことが24日、明らかになった。

谷内事務次官は10日、柳在乾(ユ・ジェゴン)国防委員長や趙成台(チョ・ソンデ)、金明子(キム・ミョンジャ、以上ヨルリン・ウリ党)、朴振(パク・ジン)、宋永仙(ソン・ヨンソン、以上ハンナラ党)議員らと会った席で、「日本と米国は、多くの北朝鮮関連情報を共有している」としてこのように述べたと、当時面談に出席した議員たちが伝えた。

谷内事務次官はまた、私見を前提に、「(6者協議で)米国と日本は右側にいて、中国と北朝鮮は左側にいるが、韓国は今中間から左(中国と北朝鮮の方)に行くようだ」と述べ、「北朝鮮核問題を解決するためには、韓米同盟と韓米日関係が非常に重要だと考える」と述べたという。

日本外務省内の対北ラインの中核である谷内事務次官のこのような発言は、北朝鮮核問題をめぐる韓米間の意見の食い違いによって、日本も韓国と緊密に情報共有をすることが困難だという点を明らかにしたものであり、波紋が予想される。

柳委員長は、「当時面談で、谷内事務次官の発言に対して『全面的に誤解だ』と述べ、『韓国外交の基調は、韓米同盟の強化と韓米日の協調にある』と説明した」ことを明らかにした。

当時、谷内事務次官と面談した国防委員5人は、帰国後、国会に提出する報告書に谷内事務次官の発言を盛り込むかどうかをめぐり論議したとされる。

ハンナラ党の朴振議員らは、報告書に盛り込んで盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領にも報告することを主張したが、柳委員長は、谷内事務次官の発言が大して寄与しないという理由で、これを盛り込まなかったという。

一方、外交通商部は、谷内事務次官の発言を聞いて、日本外務省に強く抗議した。

ある当局者は、「谷内事務次官が、最近の韓日関係と関連して不満を持っていたところに、韓国の野党国会議員が同席したので、不必要な話をしたようだ」とし、「谷内事務次官の発言直後、日本外務省に遺憾を表明した」と話した。

柳委員長らは、6日から6日間日本を訪問し、日本の大野功統防衛庁長官ら政府や議会の安保関連関係者たちと面談した。


中央日報
日「米国が韓国信じないため情報共有できず」
2005.05.25 16:48:01

「米国が韓国を信頼していないため、日本は韓国との情報共有にためらいがある」。

東亜(トンア)日報が24日報じたところによると、外務省・谷内正太郎事務次官は今月11日に訪日した韓国・国会国防委員会の与野党議員団に対し「北朝鮮の核問題について米国と日本が情報を共有しているが、米国が韓国を信頼しないため、日本が入手する北核関連情報を韓国と共有するのは非常にむずかしい」と話した。同紙によると、谷内事務次官は、国防委員会・柳在乾(ユ・ジェゴン)委員長、与党「開かれたウリ党」(ウリ党=「わが党」との意)の金明子(キム・ミョンジャ)、野党ハンナラ党・朴振(パック・ジン)議員らに会った際、このように話した。

当時、谷内事務次官は私見であると前置きにし「(6カ国協議で)米国・日本は右側にあり、中国・北朝鮮は左側にあるが、韓国は今、中間から左へ進んでいるようだ」とし「北核問題を解決するためには、韓米日3国の団結が肝要だが、最近、韓国が韓米同盟から抜け出しつつある」と述べたもようだ。

一方、外交通商部(外交部)の李揆亨(イ・キュヒョン)スポークスマンは、こうした報告の直後、日本側に、韓米関係・韓国政府の対北朝鮮政策について不必要な誤解を招きうる、との点を指摘し、韓米間には緊密な情報交流・協力が行われている、と釈明したものとされる。


中央日報
【社説】「韓国とは北核情報を共有できない」
2005.05.25 19:28:46

日本外務省の谷内正太郎事務次官が「日本と米国は北核情報を共有しているが、米国が韓国を信じていないようで、日本は韓国との情報共有にためらいがある」と述べた。 谷内次官は韓国国会国防委員団に対して韓国と米日間の異常気流に言及し、議員らは当惑したという。

実際、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が「反米が何だ」というような出方をしたとき、周囲の人々ははらはらした。これでも韓米関係はうまく進むのかと心配した。その後、「均衡者(バランサー)」や「在韓米軍の戦略的柔軟性」などの問題で「韓米間の葛藤」という声が出てくる度に、この政府はこれを極力否認してきた。 李鍾ソック(イ・ジョンソック)国家安全保障会議事務次長は4月末の訪米後、「北朝鮮核問題と韓米同盟に関し、両国間の意思疎通は非常にうまくいっている」と語った。

しかし日本外務次官の発言から、韓国政府のこうした説明がどれほど現実を糊塗したものかが表れた。外交官は慎重な言葉遣いを生命とする。しかも隣国の外交現実を評価するというのは非常に稀なことだ。にもかかわらず日本の外務次官が「米国が韓国を信頼しないようだ」という直説的な表現を使ったことは、韓米関係がすでに深刻な水準にあることを知らせている。韓国を信じることができないという言葉は、われわれが情報を北朝鮮や他国に流すという言葉でもありうる。特に、谷内次官が述べた「韓国はいま中国と北朝鮮の方向へ進んでいるようだ」という言葉は、深刻に受け止めなければならない。外交通商部スポークスマンは、谷内次官の発言が「韓米関係および韓国の対北朝鮮政策に対し、不必要な誤解を招きうる」と遺憾を表明した。しかし「不必要な誤解」を心配する時期はすでに過ぎているようだ。 「誤解」が問題ではなく「現実」がどうかだ。 反米、民族協調を叫びながら同盟を捨てて、韓国だけが次第に北東アジア地域で孤立していく局面ではないだろうか。

北核情報を米日両国に決定的に依存しているわれわれとしては、すでに安保に致命的な弱点を自ら作っている。こういう政府を信じて安保を任せることができるだろうか。本当に心配だ。


中央日報
青瓦台「谷内次官に‘応分の措置’を」…日本政府に要求
2005.05.26 17:49:37

青瓦台(チョンワデ、大統領府)は26日、日本外務省の谷内正太郎事務次官が述べた「米国が韓国を信頼していないようだ」という発言は「黙過できない」とし、日本政府に「応分の措置」を要求した。 これに伴い、日本の独島(ドクト、日本名・竹島)領有権主張、教科書歪曲で悪化している両国関係が、さらに冷え込んでいる。 来月末に予定された韓日首脳会談にも影響を及ぼす見通しだ。

青瓦台の金晩洙(キム・マンス)スポークスマンはこの日、金雨植(キム・ウシック)大統領秘書室長が主宰した青瓦台懸案点検会議の直後、「谷内次官の発言は事実と異なるだけでなく、外交慣例上ありえない無礼なものだ」と伝えた。 金スポークスマンは「今後の韓日関係のためにも、日本政府は官僚の無責任な言動に対し、応分の措置を取るべきだ」と述べた。 今回の事件が韓日首脳会談に及ぼす影響については、「ひとまず日本側の措置を見て判断する」と語った。

外交通商部(外交部)も李揆亨(イ・キュヒョン)スポークスマン名義の公式声明を通じて、「最高位の外交実務責任者が韓米両国の信頼について言及するのは、韓日関係はもちろん、韓米関係をも傷つけうるという点で、外交慣例上、不適切なことだ」とし、「これは、従来の韓米日3カ国協調を正面から否定する態度」と指摘した。 李スポークスマンは「日本政府は谷内次官の発言について公開謝罪し、再発の防止に必要な適切な措置を取るべきだということを明確にしておく」と述べた。

政府はこの日午後、高野紀元・駐韓日本大使を外交部庁舎に呼び、こうした政府の立場を伝えた。


朝鮮日報
「信頼できない韓国」を直視せよ
2005/05/25 19:13

 日本外務省の谷内正太郎事務次官が、最近訪日した国会・国防委員らに「北朝鮮の核問題に関連し、米国と日本が情報を共有しているが、米国が韓国を信頼しないため、日本が得られる北朝鮮の核関連情報を韓国と共有することに躊躇している」と述べた。

 谷内事務次官は「北朝鮮の核問題を解決するためには、韓米日3国の団結が核心であり、もっとも重要であるが、最近、韓国が韓米同盟から脱している」とし、「米国と日本は右側におり、中国と北朝鮮は左側にいるが、韓国は今、中国と北朝鮮により近いようだ」と述べた。

 政府はこれに対し、駐韓日本公使を呼び、「韓米関係と韓国政府の対北朝鮮政策に対し、誤解を招きかねない不適切な発言」と抗議した。

 核問題の直接的な当事者である韓国の立場としては「韓国を信頼できないため、北朝鮮の核情報を共有できない」という言葉は衝撃的だ。

 最近、北朝鮮の核実験可能性に対する論争が起きた際、尹光雄(ユン・グァンウン)国防部長官は「韓米の情報共有には何ら問題がない」とし、外交部高官も「韓米の関連情報共有は100%行なわれていると見てもいい」と述べた。

 まず、はっきりさせるべき問題は、谷内事務次官の発言が事実ではない妄言なのか、さもなければ事実ではあるが、そこまで露骨に発言してもいいのかという問題か、という点だ。

 韓国政府、外交、安保ラインに対して不信感を抱いている米情報当局が韓国と情報交流に躊躇しているという発言は、政権発足当時から取りざたされた。

 そこまで遡るまでもなく、今月初め、国家安全保障会議(NSC)のイ・ジョンソク事務次長が米国を訪問した際、米政府担当部署が作戦計画5029が韓国メディアに流出したことに深刻な遺憾の意を表明したと、NSC関係者の口からも確認された。

 米日両国が韓国を信頼できず、情報の共有に躊躇することが事実なら、同盟関係の亀裂が目の前に迫ったという意味だ。

 政府が谷内事務次官の発言に対し、その真偽のほどを明らかにするのではなく、「どうしてそんなことを言ったか」と責めるのは問題を解決しようとする姿勢ではない。

 韓米日の関係がここまできた根本的な理由は、この政権が設定した国政の方向にあるだけに、すぐに原因の治療はできないだろう。

 とはいえ、北朝鮮の核問題が差し迫った時点で、韓国が核関連情報を依存するほかない国によって「韓国は信頼できない」、「韓国に情報を提供できない」といわれる状況に対しては、政府が緊急の処方箋でも設けなければならない。

 北朝鮮の核問題を解決するなら、否応無しに米日との協力は不可欠だ。そのためには、米日との協力体制が現在どういう状況に置かれているかをありのまま直視する姿勢が必要だ。

 韓米日の協力体制に重大な問題が生じたことは相手国も知っており、国民の皆も知っていることなのに、この政権側の人たちだけが「問題なし、うまく管理している」と主張している。これで済まされる問題ではない。

 この政権のために働く人のなかにも、状況の深刻性を感じる人は確かにいるはずだ。そうした人々は国が重大な局面に置かれた時点で一言の直言もできないとすれば、いったい何のため、そのポストに就いているのかも聞きたい。


朝鮮日報
【谷内事務次官の発言】外交部、駐韓日本大使に強く抗議
2005/05/26 17:44

 李泰植(イ・テシク)外交部次官補は26日午後3時、高野紀元・駐韓日本大使をソウル世宗路外交部庁舍に呼び、日本外務省の谷内正太郎事務次官の発言に対して強く抗議した。

 李次官と高野大使との面談は次官室で約40分間行われた。

 李次官は「今月11日、谷内正太郎事務次官が韓国国会の国防委員会議員らにした発言がマスコミに公開され、韓日、韓米関係だけでなく、対北朝鮮政策にも不必要な誤解を生んだ。国会でもこの問題が提起され、日本に対する不信が増幅した」と指摘した。

 特に、谷内正太郎事務次官が今月25日、問題の発言が公開されたことに遺憾の意を表明したことと関連、「外交経歴の長い谷内正太郎事務次官がそのような発言が公開されないと判断したこと自体にも、失望を表明したい」と強調した。


朝鮮日報
【谷内事務次官の発言】首脳会談キャンセルの可能性も浮上
2005/05/26 18:43

 金晩洙(キム・マンス)大統領府スポークスマンは26日、「米国が韓国を信用できないので、情報共有が難しい」といった谷内正太郎・日本外務省事務次官の発言と関連し、「大変思い上がった発言」とし、「日本政府は、官僚の無責任な言動に対し、相応な措置を取るべき」と求めた。

 金スポークスマンは6月末に予定されている韓日首脳会談のキャンセルの可能性について「ひとまず日本の措置を見守りたい」と述べ、日本側の態度によってキャンセルの可能性もあることを示唆した。

 外交通商部も同日、「日本政府が公開謝罪と再発防止に必要な適切な措置を取るべき」といった内容のスポークスマン声明を出した。また、高野紀元・駐韓日本大使を外交部に呼んで、抗議の意を伝えた。

安容均(アン・ヨンギュン)記者 agon@chosun.com

訳詩鑑賞『ルバイヤート』(13)

2005-05-27 04:52:09 | 文学
Edward Fitzgerald "Rubáiyát of Omar Khayyám"
矢野峰人訳 『四行詩集』から





   第二十五歌


ふたつの世界さかしらに

あげつらひたる聖賢も

予言者のごとさげすまれ

その言の葉もあさまれぬ。




       25

Why, all the Saints and Sages who discuss'd
Of the Two Worlds so learnedly, are thrust
Like foolish Prophets forth; their Words to scorn
Are scatter'd, and their Mouths are stopt with Dust.



   第二十六歌


語るをやめよ、うつし世の

余はいつはりに過ぎずして

一事ひとことのみぞまことなる―

「落花は枝にかへり来ず。」




       26

Oh, come with old Khayyám, and Leave the Wise
To talk; one thing is certain, that Life flies;
One thing is certain, and the Rest is Lies;
The Flower that once has blown for ever dies.