Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

私の読書生活(2005年5月27日)

2005-05-27 09:01:08 | 読書
購入図書;

● 今道友信著『アリストテレス』(講談社、講談社学術文庫、2004年5月10日発行ISBN4-06-159657-8、定価1400円)

この講談社学術文庫は、1980年に講談社から刊行された「人類の知的遺産」8「アリストテレス」を定本としている。

● 呉善花著『「反日・親北」韓国の暴走』(小学館、2005年4月10日発行、ISBN4-09-387550-2、定価1400円)

● 中冨信夫『北朝鮮のミサイルは撃ち落とせるのか』(光文社、2005年5月30日発行、ISBN4-334-93358-0、定価952円)

私の読書生活(2005年5月18日)

2005-05-19 12:01:53 | 読書
購入図書; 久し振りに神田神保町に立ち寄った。「アリストテレス」の田中美知太郎訳で何か出ていないか探したのだが、新刊書では1冊も見つけることができなかった。古書ならどこかには置いてあるだろうが、立ち寄った店の範囲ではこれも見つけることができなかった。

やむなく次の2冊を購入しただけで帰ってきた。

堀田彰著『アリストテレス-人と思想-』(清水書院、Century Books 6、1968年6月25日発行、ISBN 4-389-41006-7、定価850円)

手塚富男著『ドイツ文学案内』(岩波書店、岩波文庫別冊3、1963年4月30日発行、古書定価200円)

私の読書生活(2005年5月4日)

2005-05-04 12:28:06 | 読書
購入月刊雑誌;

月刊誌『正論』6月号(産経新聞社、定価680円)

購入単行本;

菱沼一憲著『源義経の合戦と戦略-その伝説と実像』(角川書店、角川選書、2005年4月30日発行 ISBN 4-04-703374-X、定価1400円)

菱沼一憲という歴史家の名前は初めて知った。この本は近所の書店の新刊書コーナーで見つけた。NHK大河ドラマが「義経」だから際物出版化と思ったが、パラパラと中身を見てみると、ほのかな学術の香りが感じられた。

著者略歴には;-

1966年福島市生まれ。1990年國學院大學文学部史学科卒、1992年同大学大学院文学研究科日本史専攻修士課程終了。尊経閣文庫文庫員を経て、現在、国立歴史民俗博物館科研協力員。

共著に、『海老名市史』(本文編・資料編)

論文に、「没官領地頭制の成立過程」(今江廣道編『中世の史料と制度』所収(続群書類従完成会))、「鎌倉幕府地頭御家人制の形成と追討使」(『国史学』159)、「源義経の政治的再評価」(『国史学』179)、「木曾義仲の挙兵と市原・横田河原の合戦」(『群馬歴史民俗』25)などがある。

-とありますので、一般向けのこの本も「源義経の政治的再評価」という論文の副産物だろうと思われます。内容的には決して際物というわけではないのでしょう。

それに、長野市内でおこなわれたという「市原・横田河原の合戦」の研究者であることも、期待させられるものがあります。

私の読書生活(2005年4月28日)

2005-04-28 17:05:11 | 読書
購入 単行本;(定価はいずれも税抜)

■ オマル・カイヤーム著、矢野峰人訳 『ルバイヤート集成』(国書刊行会、2005年1月23日発行、ISBN 4-336-04659-X、定価5,000円)

朝日新聞
ルバイヤート集成
[著]オマル・カイヤーム
[掲載]2005年03月20日
[評者]中条省平

十一世紀ペルシアの天文学者にして哲人、オマル・カイヤーム。彼のルバイヤート(四行詩集)が世界的名声を獲得したのは十九世紀後半のことだ。英国人フィッツジェラルドの名訳がその名を不朽にした。

現世の無常を嘆じ、だが来世の救いを疑い、しかしてこの世でひたすら美酒にひと時の悦(よろこ)びを見出(いだ)す。この思想は日本人の人生観によく合致して、全訳に限っても二十種近くにおよぶ。

本書は、一九八八年に九十五歳で物故した英文学者・矢野峰人がフィッツジェラルド訳から重訳した三種類の版を集成したもの。同じ詩を三度訳し直し、そのたびにまったく異なった調子の翻訳に仕上げる驚嘆すべき離れわざなのだ。

稀覯本に属する三冊の矢野訳を一つに集めるという発想がなんともうれしく、装丁・体裁に細かい配慮が行き届いて、読み巧者二人による解説も申し分ない。手にしているだけで心おどる昨今稀な書痴、文学マニアのための逸品である。

■ 吉田満著 『戦艦大和ノ最後』(講談社、文芸文庫、1994年8月10日発行、ISBN 4-06-196287-6 定価940円)

■ 粕谷一希著 『鎮魂 吉田満とその時代』(文芸春秋、文春新書、2005年4月20日発行、ISBN 4-16-660436-8、定価790x円)

【文藝春秋のサイトから】
古今未曾有のレクイエムを書いた海軍少尉は、中央銀行の有能な行員として戦後を過ごす一方、敬虔な信仰と真摯な思索に日々を送った。

わが国の文学史上未曾有のレクイエムというべき『戦艦大和ノ最期』を著した吉田満は、日本銀行の幹部行員として戦後を送った。そして、多くのエリートビジネスマンたちが高度経済成長の中で過去をやすやすと忘れていくのをよそに、戦火に散った多くの同胞の生と死にあくまでこだわり、かれらとの無言の対話を続けた。それこそが生き残ったものの務めだと信じたからである。その志を吉田と親交の篤かった名編集者が愛惜をこめて綴った好著。(AM)

■ 千早耿一郎著 『大和の最後、それから』(講談社、2004年12月10日発行、ISBN 4-06-212683-4、定価1,900円)

【講談社のサイトから】
戦艦大和いまだ眠らず。
終戦直後ほとんど一日を以って書かれた『戦艦大和ノ最期』。
戦争を記すことを使命としつつ、日本銀行員として、キリスト者として真摯に生きた吉田満の心情をたどる。
後年、吉田満がしばしば口ずさむ短歌があった。
辛くして我が生き得しは
彼等より
狡猾なりし故にあらじか 岡野弘彦
NHKのディレクター吉田直哉も、ある酒の席でこれを聞いた。
「そんな!それはないでしょう」と吉田直哉が言うと、吉田満は「これは生き残りが必ずいちどは思う気もちです」と応えた。― 本書より

■ 佐藤勝彦編著 『宇宙はこうして誕生した』(ウェッジ、2004年9月29日発行 ISBN 4-900594-75-X、定価1,400円)

私の読書生活(2005年4月26日)

2005-04-26 11:34:43 | 読書
今年3月、私は日本橋丸善の仮店舗で溝口雄三著『中国の衝撃』(東京大学出版会、2004年5月21日発行、ISBN 4-13-013022-6)を購入し、それ以来、ゆっくりしたペースで繰り返し読み続けていた。繰り返して読まなければならないほどの難解な内容の書物ではないし、文章が難渋なわけでもないのだが、抽象的に理解できても、具体的にはなかなか腑に落ちる気持に達しないので、どうしても文脈を繰り返し繰り返し追っていくことになってしまうのであった。

そうこうしているうちに4月になった。4月に入ると急に中国から反日運動のニュースが飛び込んでくるようになった。中国における反日感情が突沸したかのように大きくふくれあがっていったのであった。初めに表面に出てきたのは長春での日本品不買運動だったが、それが成都での反日デモに飛び火し、それからは瞬く間に中国各地の都市へと広がっていった。

私は中国社会における具体的な問題点がなかなか掴めない溝口雄三著『中国の衝撃』の読解作業から離れて、毎日飛び込んでくるニュースを理解するため、さまざまな資料を漁るようになった。そこで偶然ぶつかって愕然とさせられたのは、中国共産党中央委員会が1994年8月に公布したという「愛国主義教育実施綱要」であった。反日デモの参加者たちが口々に叫んでいた「中華振興・愛国無罪」の「愛国」とはどんな具体的意味が込められているのだろうか?と調べていくうち、ぶつかったのがこの「愛国主義教育実施綱要」だった。

「愛国主義教育実施綱要」を一読して私は衝撃を受けた。両国の国民がそれぞれの歴史認識の違いを埋めさえすれば、現在両国間にみられる深刻な対立が解消されるという考えを木っ端微塵に打ち砕いてしまうような、共産党独自のドグマと世界戦略が支配しているどす黒い世界を感じた。

私は文字通り愕然とし、それから何ともいえないやり切れない思いに落ち込んていった。そして、溝口雄三著『中国の衝撃』の冒頭に書かれていたことを改めて思い返したのであった。その箇所をここに抜き出しておく。


私たち(溝口雄三氏を含む)はこの数年間、「日中・知の共同体」注)という活動を続けてきて、知が国境を越えることの難しさを十分に認識してきた。にもかかわらず、2001年1月の北京の会議のテーマとしてわれわれ日本側が提案した「日中間の歴史認識問題」に対して、彼らが内陸部の農村問題を国際的にさし迫った問題として逆提案してきたときには、会談を踏みちがえたような意外感に襲われずにはいられなかった。過去の問題よりも現在から未来の問題をという趣旨として、われわれは彼らの提案に同意したが、割り切れなさは残った。日中問題を真面目に考えている日本の知識人にとって、「日中間の歴史認識問題」は両国間の懸案事項の一つとして、避けて通れない課題と自覚されてきたのに対し、中国の知識界では、「謝罪しない日本人」にわだかまる中国の国民一般の感情とは違って、「歴史認識問題」は必ずしも重要課題とはなっていないのだった。察するにそれは彼らにとって、相互に議論する問題というよりはおそらく「あなた方日本人」の道義の問題でしかないと見なされている。他方、農業問題は地球人口、難民流出、アジアにおける南北問題など、彼らにとってグローバルな問題の一つと位置づけられており、その位置づけからすれば確かに日中間の歴史認識問題は局地的であり、課題としてプライオリティも高くない。韓国の知識人が日韓間の歴史認識問題に示す日本との等身大に関心の高さは、中国には見られないのである。
日中間の知の間には、明らかに日韓間には見られない断層がある。私にとってその断層の存在は意表外のことであったが、もっと清国なのは、日本人の大多数がこの断層に付与されている意味に気づいていない、ということである。(溝口雄三著『中国の衝撃』1~2頁)
注)「日中・知の共同体」という活動; 国際交流基金の援助のもと、1997年から2003年までの6年間にわたって続けられた日中両国の知識人の間での知的な交流運動。溝口雄三「『日中・知の共同体』の功績」(アジアセンターニュース 22(2002)国際交流基金アジアセンター)参照

溝口雄三氏(1932年生まれ。東京大学名誉教授、中国社会科学院(大学院)名誉教授)は、主たる著書が「中国前近代思想の屈折と展開」であるところから見ても、中国現代史の専門家というわけではないであろう。であるから、氏が「日中間の歴史認識問題」とおっしゃっておられるのは、中国共産党が中国大陸から国民党を駆逐して政権を確立した1949年以前、儒教成立のいにしえから営々と築かれてきた中国全史に基づいた歴史認識という意味であろう。もちろん、これに対置させる日本側の歴史認識もいにしえに起点を持つものである。

けれども、中国共産党中央委員会の「愛国主義教育実施綱要」にがんじがらめに縛られている中国人歴史家にとっては、この綱要の規定方針から離れて自由に歴史認識問題を論ずるなど、絶対にできないクビキにあるのではなかろうか。なまじ「日中間の歴史認識問題」などというテーマを採り上げても、万一日本側に論じ負かされたりしたときは学者生命を喪うことにさえなりかねない。そういう危険を背負ってまで彼らが歴史認識問題を論じ合う気持にはなれないのは、むしろ当然のことかもしれない。

【補足】
溝口雄三著『中国の衝撃』(東京大学出版会、2004年5月21日発行、ISBN 4-13-013022-6)については、日本経済新聞紙上に仏文学者の野崎歓氏が次の書評を載せているらしい。以下は出版元の東京大学出版会のサイトから一部分のみ。

『中国の衝撃』(2004年05月東京大学出版会刊行)が「日経新聞」2004年8月18日夕刊で野崎歓氏に紹介されました。
野崎歓氏; 「(前略)一部の日本人は,根強い反日感情の表れに頑迷のみを見て、中国蔑視をあらわにする。それがいっそう中国の民衆を刺激する。そんな悪循環を断つ冷静な議論が必要ではないか。そのための視野を与えてくれる快著が溝口雄三氏の『中国の衝撃』だ」

読書生活(2005年4月22日)

2005-04-22 14:44:24 | 読書
2005年4月22日購入 単行本;

鳥居民著 「反日」で生きのびる中国-江沢民の戦争
(草思社、2004年2月27日発行、ISBN 4-7942-1288-7、税込定価 1,470円)
目次
1 ニコラス・クリストフと伊藤光彦が語ったこと
2 学生デモが政府に民主化を求めたとき
3 「階級苦」と「民族苦」を教え込んで、失政の党を救う
4 「真の権力」を握って
5 日本人にたいする憎悪を育てる
6 毛の戦争、の戦争、江沢民のための手本
7 「轟々烈々」江沢民の戦争
8 江沢民の十三年
9 われわれの希望、胡耀邦の存在があったこと
10 われわれはどうしたらよいのか
日本と中国との関係、ひとつの例、福建省―ウナギ、墓石、ウーロン茶、そして福清人
あとがき
Amazon.co.jp 書評
中国共産党の反日教育の異常さを最初に指摘したのは、天安門事件の報道でピュリツァー賞を受賞したニューヨーク・タイムズのニコラス・クリストフ記者である。彼は江沢民が国家主席になった早い段階から「(中国は)日本に対する憎しみをかき立てることをやめなければならない」と警告してきた。しかし、江沢民の反日教育に「日本の政府主脳、外務省、マスメディアまでが沈黙を守るのをしきたりとしてきた」と本書はいう。

中国の反日歴史教育を問題にした書物は少なくない。本書の著者自身が「彼以前に北京特派員はいなかった」と評価する古森義久も彼の著書『日中再考』の中で、国民に日本人を憎悪させるのは中国共産党が正統性を堅持し続けるための基本政策であると言っている。しかし、本書の特徴は、1950年代後半の「三面紅旗」路線の大失敗から説き起こし、失政の責任を他に転嫁する中国共産党特有の「政治思想工作」を際立たせている点だろう。

1958年に毛沢東が始めた「社会主義建設の総路線」「大躍進」「人民公社建設」は、わずか2年間で2000万人以上の農民を餓死させるという惨澹たる結果に終わった。しかし、党指導部は自らの失政から農民・兵士の目をそらすために「政治思想工作」を展開していく。「貧乏人が貧乏である所以は、地主と資本家の搾取があったからだ」「経済的搾取は国民党、蒋介石の反動政権がやったことである。この反動軍隊を支えてきたのはアメリカ帝国主義である」といういわゆる「両憶三査」で、20年前の「階級苦」と「民族苦」に責任を負わせた。

天安門事件後に国家主席となった江沢民が、1994年に制定した「愛国主義教育実施要項」はまさしく毛沢東以来の伝統なのである。ソ連・東欧圏の崩壊で、中国の青少年は共産主義に疑問を抱き始めている。中国が資本主義への移行を進めていけば、共産党の統制力は弱まっていくことを江沢民はよく知っている。中国は今ふたたび「政治思想工作」を必要としている。しかし、自由主義経済を志向する党指導部が「階級苦」を教えるわけにはいかない。そこで「民族苦」を教え込もうというのが「愛国主義教育」であり、その唯一最大の標的こそ日本なのだ、と本書は主張するのである。(伊藤延司)

読書生活(2005年4月7日)

2005-04-07 21:37:13 | 読書
2005年4月7日
購入書籍;
  月刊雑誌「正論」2005年5月号(産経新聞社)定価680円
  週刊雑誌「週刊新潮」2005年4月14日号 定価300円
  週刊雑誌「週刊文春」2005年4月14日号 定価320円