大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

総務委員会視察レポート 岩手県遠野市・遠野まごころネットについて その2

2012-07-27 10:16:37 | 日常
【所感、大府市に対して】
 民による支援活動と官と民、民と民の連携について。ボランティアコーディネーターの機能は社会福祉協議会が担うこととなっている例が多いが、遠野市では社会福祉協議会と連携したまごころネットが役割を担った。災害ボランティアのコーディネートは被災地被災者の状況が刻一刻と変わり、支援ニーズや集結した人的物的資源の状況も変動が激しいうえ、怪我のリスクもあり、高い専門性を要する。東日本大震災では、自身が被災した方々にそれだけの余力がなかったり地域の人的資源も奪われたりという状況下、被災当事者でない方々の専門性の高いボランティア活動によって支えられた場面も各地の事例に見られた。遠野市の被災状況が重大でなかったことから、まごころネットも同様に位置づけてよいと思う。が。傑出しているのは、そのネットワークの広さ、短期間にあれだけの人とモノを動かし団体をつないでいったことではないだろうか。
 また、震災支援のために行動した中には、支援ニーズの変化についていけず、グループの役割をそれに応じて変容させていくことができなかった団体もあると見込まれており、そんな中、物量作戦の段階から確実に復興に向けた支援(起業支援、季節のイベントによるコミュニティやメンタルのケア、地域歴史の結びなおし等)へと、より幅広くより専門性高く変容している姿は、災害の広域支援の観点のみならず市民活動分野として大変興味深い事例であり、今後の市民自治社会に向けた貴重な例になると考える。幅広い団体・企業・教育機関とつながっていったこともその大きな要因と考えられるが、なにより組織の柔軟さであろう。
 大府市においてこのような団体が有事に自然発生しうるかどうかは何ともいえないが、市民活動に向けた市民意識の向上も感じるし、すでに活動している個人・団体に見識の高い市民を多く見受けるので、萌芽としては期待できるところである。
 災害時に民間ボランティアの力が欠かせないことは、今回視察訪問したいずれの市当局もおっしゃっておられた。行政が民間団体をパートナーとして認め日々刻々現状を共有すること、行政とボランティアとで分担し相互補完をすることが欠かせない。大府市には災害時にパートナーとして民間ボランティアを積極的に認めて共に働くことが欠かせないと理解し、どこをどう分担しうるのか想定しておくことが必要である。立地から考えると大府市は比較的早い段階から外部の人間が入ることが可能となるので、その分早くボランティアの受け入れ態勢を作る必要がある。そうすることで早く大府市民の生活の建て直しを進めることができるし、大府から先の半島部に送り出す余力も生まれることになる。この点は大府市当局・社会福祉協議会とも認識しておかれたい。また、大府市単独で高度なボランティアコーディネートを行うことが難しければ、今回の東日本大震災で現地入りし大活躍した人材があちこちにおられるので、まごころネットとの連携ならびにそうしたセミプロのボランティアを、ボランティアセンターのアドバイザーとして受け入れることも想定しておいたほうがよい。当市市民によるボランティアセンターは、地理と行政職員の顔のわかるスタッフ、専門性は経験者に、という考え方が効率的で、遠方から来た人では大府市のことがわからないから、と排除することのないよう期待する。また、ボランティアセンターが住民ニーズをどう把握するか、についてもシミュレーションし、平時のうちに自主防災会と話し合いの場を持っておくことも必要である。

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