大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

水源の汚染。大府ではどうなる?

2012-05-20 11:16:47 | 地方自治
取水源でトラブル、断水したら大府市どうする?

利根川水系で水源が汚染され、千葉県内で断水するという事故(事件?)が起こりました。
これ、最近流行りの「危機管理」と同様の話で、誰もが考える「うちんとこで起こったらどうなる?」について、
大府市の水道ビジョンとつたない記憶をもとに、考えてみました。(あくまでも過去の聴き取りの記憶と水道ビジョンに基づくもので、水道職員ではないのを前提にお読みください)
大府市水道ビジョン冊子PDF→http://www.city.obu.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000005/5333/honnpen.pdf

水道ビジョンは、国が各自治体に作ることを推奨している、水道事業の全体計画書のようなもので、安定供給、水の安全、経営の持続可能性を分析し方針を示すものです。大府市では平成21年3月に策定公開されています。(ちなみに、経営分析の結果を踏まえ、昨年度水道料金の値上げやむなしの議決をしている)
今回の事故は、安全と安定供給のカテゴリー。安全な水と言えなくなったので供給停止=安定供給もストップする、ということ。

水道ビジョンPDFの、冊子ページ12~「水質の監視状況」には「汚染物質の混入」事故について言及し、14ページには「水の汚染を防ぐためにセキュリティを講じている」ことが書かれています。つまり、このビジョン策定時で、水が汚染される事故・事件(テロ行為等)の可能性は踏まえていたといえます。万全か否かはさておき、「想定もしてない」では手も足も出ませんから、その意識は常にある、と理解しています。実際に配水場を視察した際には、毒物投入テロの可能性を見越して対応していると口頭でお聴きしています。

では、有事の給水体制はどうなるか、という部分について。
22ページ~「災害対策と耐震化の進捗状況」の中に
「名古屋市、刈谷市などの隣接都市と緊急連絡管で接続されており、相互応援体制をとっています」と書かれています。これは、市単独で施設に異常があった場合には応用できると考えますが、水系で汚染があった場合、同じ水系、同じ取水源の場合は今回のケースには対応できないかと思われます。大府市は愛知用水で、大府市の生活水は木曽川水系ですが、愛知用水は長良川水系長良川河口堰からも取水していますから、まず愛知用水内で取水の切り替えなど対応が可能かと思われます。刈谷市は、私の記憶では明治用水=矢作川水系なのですが、刈谷市HPを見ると愛知用水からの供給が書かれていますので、であれば水系の問題は同様になります。名古屋市も木曽川水系・長良川水系からの取水ですから同様です。
あとは、相互給水する、あるいは取水口を切り替える水源双方の、ニーズと分配可能供給量の調整になるのでしょう。
なお、大府市へ水が供給されなくなった場合の「貯留飲料水量」についても同ページに書かれており、蛇口をひねっても水は出ませんが、ストックとしての水量は一人当たり1週間分以上確保される計算になっています。すなわち、水そのものがなくなるのではなく、給水車でないと入手できないことが大きな壁になると思われます。大府市単独で持つ給水車は1台プラストラック積載型タンク3基(トラックに積載すれば給水車に早変わり)だけですから、広域かつ長期化する場合は、水道協会を通じた応援派遣を受けるなどの対応が必要と考えられます。

職員の危機管理体制については25ページに。
「水道班行動マニュアル」「大府市上水道施設危機管理対応マニュアル」を用意しているということで、これまで私が書いてきたことが、実際にどのような動きとなるのか、については、これらマニュアルを見せていただくと、より正確に知ることができると思います。(・・・私も見せてもらいに行こうかなあ)


なお、今回の事故以前から一般論として懸念されていた水道の耐震化についてもこの水道ビジョンは書かれていますし、最近私が注目している「施設の老朽化・更新問題」についても少し触れられています。

最後に、水道ビジョンの見直しについて私の所見を。
地震災害を想定して作られている耐震基準や対策マニュアルの該当箇所については、愛知県の被害想定が来年度夏ごろに出されることから、それを受けて再確認をしないといけません。また、国でも現在新水道ビジョンについて協議されていますので、新水道ビジョンの方向性が出されるかとも思われます。その頃に大府市水道ビジョン策定4年となることから、後半5年に向けた見直しの時期になるのではと、私は考えています。

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