大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

平成23年度大府市一般会計予算案 反対討論全文

2011-03-22 23:36:24 | 議会
東北地方太平洋沖地震で被災された地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
大府市からの支援状況や募金場所はこちら「東北地方太平洋沖地震の被災地への支援に関する情報(大府市HP)


大府市議会議員 任期最後の議会が、本日閉会しました。
一般会計予算案に反対し、討論を行いました。
原稿全文を掲載します。(注:長文です!)
実際に発言するとき若干の言い回しの変更など加えていますが、論旨はこのままです。

【発言原稿ここから】

 平成23年度大府市一般会計予算案につきまして、反対の立場で討論いたします。
 討論に先立ちまして、震災で犠牲になられた方々に哀悼の意を表しますとともに、今なお不便な生活をされている方々に心よりお見舞を申し上げます。
 本来であれば懸案の箇所の修正案をお示しするところでありますが、1名では修正案の提案権がないことにより、総論ではお認めしたうえで、反対の根拠とする箇所について申し述べます。
 大府市は名古屋に隣接する立地、自動車産業を始めとした就労環境に恵まれてきたこともあり、加えまして先人のまちを築く積み重ねをもって、財政における各指標は健全に推移してきております。リーマンショック以降の経済情勢は、今も決して楽観できる状況にないという前提で、当予算案もその健全性を保ちながら事業に取り組む予算をお示しいただきました。重点施策としてお示しいただいた36の事業も、1点を除いては、健康都市として概ねバランスのよいものと受け止めております。経済情勢が好転していない情勢下で、予算規模が最大となったことは、それのみを見れば好ましくないものでありますが、その内訳には、子ども手当という反対の余地のない国策と、新設小学校の建設整備という一過性の投資的事業も含まれていることから、無策な行政サービスの拡大といった性質のものではないため、やむをえない財政規模の拡大と理解しております。
 以下に個別に少々申し述べます。
 ふれ愛支援センタースピカについて、高齢者、障がい児・者、不登校児童生徒を対象とした福祉と教育の活動拠点として整備され、新年度より稼動されることは大いに注目しており、1箇所に集約することで、対象とされている方々とその周囲で支えておられる方々の生活の質の向上を図ることができるか、期待するものであります。質疑で確認いたしましたとおり、新たに整備することでこれまで以上に費用をかけている部分について、市民生活のサポートと向上というそれまで以上の成果を挙げることを明確に目標として取り組んでいただきたいと考えます。
 橋梁の長寿命化計画の策定、ファシリティマネジメント営繕計画システムの導入など、かねてより指摘してまいりました、公共施設の長期的な維持修繕更新の管理についても、一歩ずつ取り組んできたことが集約され明確な計画作りの段階に差し掛かっていると受け止めております。これらは投資的事業の側面もあり、積算すると今後大きな財源を必要とすると見込まれます。今後さらに着実に進めていただくことを期待するとともに、更新基金の整備や、早期に市民に公表し説明していく姿勢に踏み出していただくよう申し上げます。
 指定管理者制度について、来年度は導入施設のうち市民活動センターコラビア、二ツ池セレトナ、石ヶ瀬会館などいくつかが改めて管理者を選定する年に当たります。勤労文化会館を、任意指定から公募しプロポーザルにより指定していくという方針を明らかにされた点を評価し、制度の本旨に則りコストのみを追求することなく質の向上を図ること、施設の運営を官独占でなく民意事業を任せていくという観点で、進めていくことを見守っていきたいと考えます。
 反対とする大きな理由は、仮称おおぶ文化交流の杜事業の推進の点にあります。私は事業の根本からの見直しを求め続けて参りました。当予算案にあたりましても、いったん計画の推進を改め、ゼロベースで計画の必要性からの議論をしていくべきと考えます。質疑で申し上げましたとおり、この6月で契約の議決をする段階で、平成24年度以降の債務負担行為103億3121万1千円が発生することになります。予算案をお示しいただいて後、優先交渉権者の決定をお知らせいただき、PFI事業総額で103億4539万1648円の事業体クループと今後交渉していくことが明らかとなりました。当事業の正当性について、過去の総合計画に示されていたということのほか、行政内部・事務局が発信する必要性と効果のみ繰り返し主張されており、現在の市民、図書館や文化施設を利用しない圧倒的多数の市民の理解を得られる状況になっておりません。市民ニーズの把握においても、現在すでにこれらの文化施設を利用している市民や、建設予定地周辺に住む市民に対してのみ、意向調査を行っており、この高額な事業に見合うだけの、市内全域の幅広い市民の理解を得て、幅広い市民の希望として推進しているとは認められません。過去に作った計画にこだわり、今ある資産の棚卸をすることなく、この計画を知った市民からの拒絶反応にも耳を貸すことのない推進一辺倒には、市の幹部ならびにこの議場 と、市民との 意識の乖離の象徴にも近く感じております。103億の債務負担について、財政負担を年次に平準化していくとのことですが、健康都市を達成していくにあたり、図書館と音楽ホールに、建物を除き維持運営費だけでも年間約4億円を投じていくことが、施設が存在する限り継続していく状況は、市の一般会計の規模が約260億円の規模の自治体として、長期的に大きくバランスを欠くものです。仮にこの施設を整備後、50年間維持するとすれば、建物費用を除いても累計で約200億円にものぼり、市民のみなさまの大切な血税を、この単独事業にここまで投じていくことは許されません。
 さらに、当計画を来年度これ以上推進すべきでないとする理由が、当年度末をもって明確に加わったことも申し上げます。中東産油国の政情不安により、原油価格が不安定になってまいりました。それだけでも建設コストの上昇が懸念されるものでありましたが、痛ましいことに東北地方太平洋沖地震が起こりました。この被災地復興に向け、今後国内のどれだけの資材やエネルギーを列島東部に集中せねばならないか、国の存亡とも言われる事態です。被災しなかった大府市が、不急の大型建設事業にこだわり、多くの建設資材やエネルギー資源を費やしてしまうことはいかがなものかと考えます。産油国情勢を含めた、国内経済の見通しの不安定さ、建設資材・エネルギーの高騰の可能性は、大きな危険材料です。建設とランニングのサービスを一括発注するこの事業形式では、建設コストが肥大すれば、比例して、継続的に提供される維持管理サービスのコストを削らざるをえず、それは開館後直接市民が受け取るサービスの低下を意味するものです。
 これら、おおぶ文化交流の杜事業に非常に負荷のかかる情勢がすでに見込まれていながら、なお推進し続けることは、市民に説明がつかないばかりか、後世に大きな判断ミスとの評価を受けかねない事態であると考えております。
 以上申し述べましたとおり、本来であれば、このおおぶ文化交流の杜事業に大きな疑義があるのであれば、これを除いた修正案をお示しするべきであり、一点を持ってのみ案のすべてを反対してしまうのは本来ではないと承知しておりますが、提案権がないことと、以上述べました、当事業に対する金額、大府市としての責任の重大さ、議決権を預かる重大さにより、予算案の反対を以って、おおぶ文化交流の杜事業推進に対する強い意思表示とさせていただきます。
 産油国情勢ならびに震災による、未曾有の経済不安定な情勢を迎える23年度にあたり、執行なされる行政職員一同は大変厳しい対応を迫られる可能性を秘めた年次になります。被災しなかった地であり、財政力のある自治体として、今後さらに、国からの補助金・交付金は厳しくなる可能性も予見されます。そのような情勢においても、総合計画や年次予算に定めた目標を懸命に達成なされますよう、その努力と実力に期待申し上げ、討論といたします。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (樋口 喜一郎)
2011-03-24 16:06:14
>仮称おおぶ文化交流の杜事業
>平成24年度以降の債務負担行為103億3121万1千円が発生

の内容を知らずに申し上げるのはいかがとは思いますが、債務負担行為で103億は次世代にツケを廻す物として容認は出来ないですね。
又、おおぶ文化交流の杜はどうしても必要な物なのですか?

頑張って見える上に頑張っては言いにくいですが頑張ってください。
返信する
樋口さまコメントありがとうございます (たかばとくこ)
2011-03-24 18:17:46
>頑張って見える上に頑張っては言いにくいですが頑張ってください。

ありがとうございます。
実に任期4年のうちの3年をこの課題の追求に費やしておりまして、
おかげで開示請求の安易な不開示判定を、異議申立でひっくり返してしまうという
おまけの成果もいただいたりしましたが^^;

上記に述べたとおり、次回6月定例会で契約の議決がされる段階に至ってしまいました。

統一選で大府市議会議員の改選になりますので、
選挙を通じて、市民のみなさまに訴えていこうと思っています。

>どうしても必要な物なのですか?

まさにそこに疑問を感じています。
現中央図書館は確かに拡充が必要なのですが、
建設に40億、単年度の維持に4億かかるほどの贅沢なものでなくても、
市民が不足に思っている部分は満たすことが可能だと思っています。
予定地も、たまたま区画整理をするときに、公共用地として押さえておいたに過ぎず、
市の価値を高める戦略的な立地では決してありません。
返信する
Unknown (樋口 喜一郎)
2011-03-24 20:27:38
お返事ありがとうございました。

統一地方選挙なんですね。幸い大府に知り合いがいるのでささやかですが、鷹羽さんのことお願いしておきます。本当にささやかなお手伝いしか出来なくて---。
返信する
樋口さまコメントありがとうございます (たかばとくこ)
2011-03-26 15:12:54
ささやかだなんてとんでもない!
ご配慮ありがとうございます。

ご期待に沿えるようがんばります。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。