大府市議会議員 たかばとくこ の日々

2007年、政治の素人が議会に飛び込んでみました。

大府市における震災の支援とその資金について(聞き取りメモ)

2011-04-11 22:23:41 | 地方自治
大府市の支援体制とその財政措置について聞き取りをしたので自分のメモ書きとして。

まず、今回の震災支援について、私の考え方の基本を先に記しておきます。
大府市から、市の負担で被災地支援をすることは、人道的に、また同じ日本で起こっていることお互い様、として、当然だと思っています。
個々でどれほど被災地からの報道に心を痛めても、知人友人が現地にいて気を揉んでいても、災害の規模が「素人」がお手伝いできるレベルを超えている以上お手伝いのしようがない、と悲しく思っている大府市民は私もそうだし、きっとたくさんいる。だから、個々でできる限界以上のことは、私たちの代表として、大府市職員(今のところでは消防、水道)に行って、プロとして有効な支援をしてきていただくことは大歓迎。市民の代表として、支援に行ってもらっていて、ありがたいことだと思っています。
行政が大府市の税金を使うことは、何かにつけ「税金のムダ」と批判される場面が目に付きますが(税金なので監視されて当然とも思います)、こと被災支援に使うことは、数少ない「(こういうことに)私たちの税金を使ってくれてありがとう」と素直に言うことができるものだと思っています。
しかし、支援は良い、代表として支援を行ってくれてありがとう、とは言っても、財政には限界があり、青天井でどんどん市の持ち出しで支えることで、本来の「市の仕事」を圧迫してしまうのは本末転倒です。

したがって、大府市でできる支援は是非していっていただきたい。けれど、議員である私や、行政内部は、国から支援の資金は充当してもらえるのか、持ち出しで行うのかなどを想定(確定)し、本来の市の仕事をすすめる資金も見すえて、「息切れしない支援」を考えていかないといけません。

大府市では消防職員が継続的に派遣されています。(大府市HP,震災の支援に関する情報
発災の翌々日13日から7名体制で、現地派遣7名→交代のため7名出発→現地で引継ぎ→7名戻る→交代7名出発・・・というサイクルで、3月29日以降は5名体制で派遣。
これを見てわかるとおり、交代隊が出発して、先発隊が戻るまでの間は、二重に派遣人員を割いています。7名体制のときは14名が出張中。5名体制では10名が出張中。
(参考までに:消防職員定数は90名。予算資料ヒヤリングの際消防本部に確認済)
10名出張となると、消防職員全体の1割以上が継続的に居ないんですね。
で、その1割以上が常時出張の状態、当然出張にかかる手当を払わないといけません。
水道職員も然りです。応援給水に派遣されていますから、派遣された職員には手当を払います。

財政課に、現状の支出状況を聞き取ったところ、
大府市は新たに「災害支援室」などの組織としての窓口の一本化を図っていないので、「災害支援」の支出を一元に見ることができない状況なのだそう。これは、人員の問題ではなく、「款・項・目」という、いわゆる「勘定科目」とか各社経理システムなどにある「支出コード」とか「予算コード」のような意味合いですが、組織として1つ独立させると、「款・項」に独立したマトリックスを設けることができるけど、という意味。(組織上の、災害支援室の必要性は、今回は別途にします。何の話かわからなくなるので)
消防や水道の職員派遣は、それぞれの通常の人件費からの支出となっている。
当然、予算にはそのような出張は見込まれていないので、早々に通常の人件費予算を超えてしまうことは間違いない。派遣状況は把握できているので、「通常業務で手当が余分に発生したのか」「災害派遣で発生したのか」は把握できているから、「災害派遣」分の出張費を、早々に予算補填していかないといけないということ。
早い自治体では、22年度ですでに、半月だけの対応としても、補正予算を計上した自治体もあると聞いています。
大府市は、派遣人件費が通常の人件費と同様の処理なので、極端な話、通常人件費の予算を使い切ってしまうまでは補正予算がなくても払えるわけですが、現実に発生している分は把握できているので、早い時期に補正予算を計上しないといけません。
6月議会に補正予算を提出できるかどうか、という段階のようです。
また、遠野市に物資を送った部分については、災害時相互協力協定を正式に結んでいるので、大府市の災害対策費から支出できています(22年度内)。今後、遠野市に何か支援していく場合にも、協定があらかじめあるので災害対策費で扱っていくことになります。これは通常の予算内ですが、金額をそこまで見込んでいないので、額が大きくなればこちらも補正予算が必要になるでしょう。
被災地から大府市内にお越しくださったご家族もあると聞きました。そうした方々の生活支援を今後どのようにさせていただくか、受け入れた(ホスト)自治体は国や元の(ゲスト側)自治体からなにがしかの資金を割り振ってこられるのかは不明。
行政職員の派遣は、今後出てくる見込み(市長会から話が出ているそう)

とりあえず現状としては「派遣も受け入れも全て大府市の税金からの支出で、国や県からの補填は示されていない」ということ。
うーん、これでは、財政力のある自治体は積極支援ができ、厳しい自治体は支援が難しいということに。こうした制度設計は国の仕事だと思いますから、これは早く考えていただかないとですよ。
このまま持ち出しで支援を、ということになれば、大府市は財政力のある市として、厳しい自治体以上の対応をしていくべきでしょうし、一方で大府市の仕事の継続維持の両立をしていかないといけないことに。
単刀直入に言うならば「お上、はよ決めてくれ」です。
国が全く何もしていないわけではもちろんないのですが、財政面では現状曖昧です。
総務省リンク「東日本大震災関連情報 地方自治体等による支援」 随時更新されています)


現状、支援に積極的に動いた自治体ほど、財政的に身を切られています。
大府市の支援体制は、いわゆる「10人並」で、県からの指示に応じている以上のことはしていません。(注・私の情報網によると)

大府市でやっておかないといけない(国に決めてもらうことではない範囲の)今後のこととして。

震災支援を、対応する各課予算で処理し、各課で対応する体制をとっている以上、
その記録も各課にあり、対応してすぐの記憶に新しいうちは把握できるでしょうが、
このようなことは頻繁にあることでないこと、行政は前例主義であること、などから、
各課対応をとりまとめに切り替えるか、
記録を集約し「震災支援だけを切り取り」「いつでも」「いつまでも」取り出せる形で保存しておくこと(各課対応を止め組織集約すればこれは自動的にできる)
財政面でも運用・実務面でも、これは必須ですね。
行政内部のことって、「経験した職員がいなくなってしまったからわからない」ということがあるものだというのはこの4年で感じてきましたから。
(通常、企業組織ではありえないと思うんですが)
各課ごとにはこれまでのことは把握できているので、その補正予算化も急がれます。
補正予算には議決が必要ですが、小まめに補正予算化することに、議会は異論はないでしょう。


おまけ。
消防の方と立ち話で聞き取りをしましたが、
現地派遣された隊員には「心のケア」をしているそうです。
現地での精神的肉体的疲労に対応できるだけのケアになっているかは、
ご本人、ケアにあたられた方のみ知ることですが、
「派遣の精神的疲れを自宅に持ち帰らないように」との配慮はしているとのことでした。
想像を絶する現場に立ち、体力的にも厳しい任務を遂行される大府市消防のみなさん。
今も継続して5名体制で現地に立っています。

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