「ああ、その日は予定が入ってます、六本木ヒルズに呼ばれてるんです、そうそうあの六本木ヒルズ!」
「明日?あっ、ごめん、六本木ヒルズに行かないとならないんで、えっ?別にすごくないよー、ただのビルでしょ?ちょっと高いだけのただのビルだよー」
「今日、これから六本木ヒルズでパーティーなんだよー、参っちゃうよ、六本木ヒルズだからーメンドーだよー」
ここ数日の若旦那はやたらと「六本木ヒルズ」という単語を連発している、そりゃあそうだ、まさか、あの「六本木ヒルズ」に行く機会が自分の人生に起きるなんて思いもしなかった。
表参道、銀座、代官山、恵比寿、なにやら高級だったりオシャレだったりで近寄りがたい地名はいくつもあるが、若旦那の中じゃあ、六本木は最高に行きづらい場所だ、なんだか噂では日本語が通じないらしいし(んなわけあるかい?)
話は変わるが、そもそもなんで行くのかって話をしておこう、数ヶ月前に「OACクリボラ2017 銭湯へGO」という、ポスターコンぺ?ポスターコンテスト?まあ、そのようなものが開かれまして、本当に素晴らしい作品が64点も寄せられたんですが、その優秀作品の表彰式が行われるにあたって、表彰状の授与という大役をやれ!という命を受けまして、その表彰式というのが、「六本木ヒルズ」で行われるってわけなんです。
さて、そんなことでとにかく楽しみにしていたわけだけど、結果的に前の仕事がおしちゃって、開会の6時半に間に合うか、微妙な情勢になってきた。
若旦那がもっとも便利に使っている乗換案内アプリに行き方を訪ねる・・・ふむふむ、新宿から大江戸線で行けるのか、それならわかりやすいかも・・・ところがこれがとんだ落とし穴だった、なにあの大江戸線って?田舎者にはものすごくわかりづらいんですけど?
「JR新宿駅」に着いて、大江戸線の乗り場を探す、表示はあるんだけどなかなか着かない、散々歩いて到着したのは、「新宿西口駅」なんか少し違う気はしたけど、大江戸線だからね、問題ないはず・・・ところが、やってきた電車は次の「都庁前駅」止まりだと言うアナウンス、ええっーなにそれ?じゃあ、どうやって六本木に行けばいいんだよ?で、再び乗換案内アプリに聞いてみると、次の「都庁前駅」で乗換えと出た、さっきまでは確か数駅で着くはずだったのに乗換え?絶対に道を間違えたんじゃん。まあ、ブツブツ言っても事態は変わらないのでとにかく急ぐ!時間がないんだよー、遅刻しちゃう!
「都庁前駅」で乗換える・・・な、な、なんとその電車が次に止まった駅、どこだと思います?・・・「新宿駅」です、ちょっと待ちなさいよー!若旦那は元々「新宿駅」にいて、乗り換えまでして長い旅をしてきたのに、なんでまた「新宿駅」に戻ってきちゃったわけ?もう、本当に意味がわからないんですけど?もちろん、後で真相を究明したわけですが、それによると、新宿には「新宿駅」にと「新宿西口駅」に2つの大江戸線の駅があって、その2つはどうやら同じ大江戸線でありながら、少し系統が違うらしく、それが交わっているのが「都庁前駅」なんだそうだ、若旦那は大江戸線の「新宿駅」に向かっていればあんな無駄な時間は使わずに済んだということらしい、皆さんも気をつけなはれや!(ほとんどの人はそういうの事前に分かってて問題ないけどな!)
それでもなんとか「六本木駅」に着いた、本当に時間がない、表彰状を渡す時に一言挨拶をと言われているのに、間に合わなかったらシャレにならない。LINEには、先着している事務局の方から連絡が入る
「場所、少しわかりづらいです、今どこですか?」
黙って急げばいいのに、こういうテンパってる時って無駄なことをしてしまいがち
「今、六本木駅に着きました、ギリギリだね、到着できるか不安だ」
などと返信してしまう、してる間に向かえよ!って感じなわけだけど、その後も
「なんか、わかったかも、行けそうだ!」
「直通のエレベーターがあるんだよねー?」
などと、とにかく無駄な連絡をいくつも入れる、そういう無駄な行動のせいで若旦那がエレベーターに飛び乗ったのは6時半ジャスト、この寒空に焦りと走りで汗だくだ。
まあ、そういう時に限って、そんなもんということで、なんだかんだで開会が10分遅れた、若旦那のこの汗は一体なんのために?(そもそも、道を間違えたからそうなったんだろうが!)
会場はこんな感じ、ヤバい、オシャレすぎてクラクラする、間も無く表彰式がはじまった、様々なコンペ、コンテストの受賞者が呼ばれ、作品が披露される、ポスターだけでなく、一流企業のCM制作などの部門もあって、とても楽しい。
残念なことが1つ、開始が遅れた上に進行が遅れ、ものすごく時間がおしてしまったということで、途中からプレゼンターの一言がなくなった・・・おいおいおいおい!若旦那は何を話すかちゃんと考えてきたのになんだよぉ?(嘘つけ!おまえはいつも行き当たりばったりだろうが!)
結局、ただ、にこやかに無言で受賞者に表彰状などを手渡した若旦那は51階の窓から六本木の街を見下ろす・・・手にはもちろんシャンパン!(あほか!)
本当はお料理の写真も撮りたかったんだけど、今日みたいな立食の場で、料理をパチパチやれるほど若旦那の肝は座っていない(嘘つけ!食べるのに忙しくて忘れたんだろ!)
まぁ、どちらにしても記念すべき六本木ヒルズデビューであることに違いはない・・・昨日までと街の景色が違って見えるぜ!
あれっ?気のせいかもしれないけど、眼下に俺の進むべき光の道が上に向かって伸びてるのが見えるなぁ(何かの病気ではないですか?)
今日から若旦那の人生は六本木ヒルズ前、六本木ヒルズ後ということになってしまうんでしょうか?(どこまで、ヒルズを崇拝してるんだ?)
冗談さておき、とっても良い経験でした、ありがとうございました!(誰に対するお礼なの?)
スーパーマニアック銭湯 立川湯屋敷 梅の湯