世間知ラズノ孤独

享楽日記。

サヨナラは別れの・・・

2007-03-16 | 
初雪は朝方降ったらしい。
一晩寝たら味覚と嗅覚は復活していたが、咳が止まらなくてちょっと辛い。
自慢じゃないが今まで一度もインフルエンザにかかったことがない、という話を職場でしていて、ふと思ったのだが、風邪の症状で病院に行ったことがないので気がつかなかっただけで、ただの風邪だと思っていたけど実はインフルエンザだった、ということがあるかもしれない。
私は熱に強いというか鈍いというか、平熱が高いので、発熱の自覚症状があまりないのだ。
どんなに熱があっても食欲だけはなくならないし。
大いにありうる・・・予防接種も中学か高校以来やってないしな・・・
まあ、なんにしても食べ物を美味しいと感じられるのは幸せなことですよ。(←それでいいのか!)

ところで先日、ある子供向け番組で井伏鱒二の「勧酒」が紹介されていて、ちょっと驚いたのだった。趣味がいいじゃないかN○K教育!
正確にいうと干武陵の、ですが。
「サヨナラダケガ人生ダ」で有名な井伏訳は、直訳というよりほとんど意訳ですが、様々な心情や情景が映像になって溢れてくるような、いい訳ですよね。
ま、邪道だという人もいるかもしれませんが。
私は翻訳小説をいちばんよく読むのだが、訳との相性は大事でまた難しい。
日本語の文章のリズム感なんて、本当に個人的な好みの問題だから、いつもどこかなにかしら我慢しながら読むことになる。
それが嫌で翻訳ものは読まないという人もいますが、私はそれでも面白そうだと思ったら読まずにいられないのだ。
まあ、どうしても我慢できずに途中で捨てたものもいくつもありますけど。
いまはインターネットのおかげで、固有名詞でわからないものも少なくなったと思いますけど、すごいのでは名前の発音がわからなくて、1作目と2作目で主人公の名前が違う、なんてのもありましたな(笑)
なんでこんな話をしているかというと、村上春樹訳の『ロング・グッドバイ』が出たからです。
春樹ファンにとっては待望の、だろうし、これで初めてこの作品を手に取る人も多いだろうけれど、初めて読んで以来××年、私がこの小説を愛してきたのは、それが清水俊二訳『長いお別れ』だったからだと思うのだ。
春樹さんにはうらみはないが、ま、私の愛は偏屈だというお話でした。(←・・・それでいいのか?)