逝きし世の面影

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日本政府が『核密約』文書の再機密化を要請

2009年08月26日 | 軍事、外交
(朝日新聞)2009年8月26日(抜粋)

日米両国の「核密約」の根幹部分が記された公文書が99年に米国で公開された際、日本政府が米側に公開を取り消すよう要請していたことが分かった。
文書は、核兵器を積んだ米艦船や航空機の日本への立ち寄りを事前協議なしに日本が認めることを確認した内容。
日本からの要請の直後、米国務省によって再び機密指定されている。

(元日本政府関係者の発言)
『文書の公開を知って、ただちに(機密指定の)解除を取り消すよう米側に申し入れた』
『米国の文書公開の判断はずさんだ』
『公開の際に日本側の事情が考慮されていなかった』
『申し入れは、外交ルートを通じて行われた』

99年秋までに機密指定が解除されたが、同年12月13日付で再び非公開文書に指定された、問題の文書は、非公開となる直前の99年11月、情報公開に取り組んでいる米国の民間研究機関(NSA)が、コピーを取っており、それを入手した朝日新聞が00年8月に全容を報道している。






我部政明・琉球大教授(国際政治学)

米国務省の正式な手続きを経て公開された外交文書が再び非公開となることは異例で、日本政府の関与を聞いて、やはりそうだったのかという思いだ。
核密約を確認した63年の大平正芳外相とライシャワー駐日米大使(いずれも当時)の会談記録もいったん公開された後、非公開になっている。
日本政府の関与が疑われるケースはほかにもある。

情報公開をめぐっては「原則すべて公開」の米国とは対照的に、日本は「公開するものを選ぶ」のが実態だ。
特に改定日米安保条約、沖縄返還協定、日米防衛協力などの分野の記録の重要な部分は公開されていない。
我々研究者は、米国の公開資料を通じて日米交渉の経緯をやっと知ることができる。
いつまでも国民に知らせることができないというのはなぜなのか。
また「ない」と主張し続けるのなら、なぜその部分が日本にはないのか。説明責任が政府にはあるのではないか。










『無い方が良いもの』

時間が経過したので、一旦公開していたアメリカの軍事や外交機密文書を日本の政府の要求で非公開にしている。
世の中には『在った方が良いもの』と、その逆に『出来れば無い方が良いもの』とが存在するが日本の自民党政府や外務省は後者の『出来れば無い方が良い』モノの代表例であろう。
自民党政府と日本の外務省は世界と日本の民主主義にとって百害あって一利なし。その存在自体が社会にとて有害で、世界中に害毒だけを垂れ流している。


『核先制攻撃希望の日本政府』
 
「核の傘」を有効足らしめるためにはアメリカが『先制不使用宣言』しては日本としては困る、とする麻生首相など自民党政府の考えは世界の流れとは正反対である。
日本政府は、日本の安全保障のため『先制攻撃だけはやめてください』と言うべきなのだが、事実はまったく違う。完全に論理が逆立ちしている。
日本の自民党政府は、北朝鮮の差し迫った脅威を理由に、アメリカの核兵器の『先制不使用宣言』に反対しているのです。




『核戦略を見直すアメリカ。見直さない日本』

1992年以前は、ベトナム空爆の艦船にも、何時でも使えるように戦術核兵器が搭載されていて、当時は艦載機が空母に着艦する時に失敗して海上に落下して核兵器が行方不明になって大騒ぎして探すなどの恐ろしい事も起こっていました。
冷戦崩壊でアメリカ軍は大きく核戦力を見直し、1992年以後は第七艦隊の通常の艦船からの戦術核は撤去する。
ところが何事にも例外がある。
何十年も前から『戦略型原潜』はメガトン級の戦略核を今でも積んで海底深くに潜んでじっと第三次世界大戦の為に核戦争を準備しているが、これは日本には絶対に寄港しないので日米安保とは無関係。
実は日本に年間50回ほど寄港している攻撃型原潜にはトマホーク型巡航ミサイルとして戦術核が搭載されたままです。
原潜だけは例外なのですね。
アメリカとしては、今後自国の防衛には関係ないトマホーク巡航ミサイルを撤去する方針ですが、これに日本が「核の傘の約束」を盾に頑強に反対している。
日本政府の主張する理由は北朝鮮の核らしいが、これでは麻生太郎と金正日との出来レースであるとアメリカに思われても仕方が無い。
そういえば初めての日米首脳会談の席上でも麻生太郎は何時もの様に右エリに『救う会の青バッジ』をつけて会談に臨んでいる。
日本政府の、何でも北朝鮮というような『金太郎飴状態』のこの外交感覚では如何しようもありませんね。



『麻生VSオバマ、敵対する日本とアメリカ』

アメリカ大統領として初めて核の先制使用(ヒロシマ)の道義的責任に言及したオバマ大統領ですが、本気で今までの米国の核政策を変更したいと思っているようです。
ところが、これに対してアメリカ国内の抵抗も勿論有るが、国外からも抵抗が有る。
そのアメリカ国外の抵抗勢力の最大のものが我が日本の麻生政権らしいのです。
米国は現在、核戦略の基本の見直し作業(NPR)の真っ最中で、
『米戦略態勢に関する議会委員会』の最終報告には『有る特別に重要な同盟国が内密に主張してきたのは、米国の拡大抑止(核の傘)の信頼性が、広範な標的を危険に曝す特定の能力に依拠している』(具体的には核ミサイルのトマホーク)『アジアの一部同盟国(日本の麻生政権)はトマホーク退役を憂慮している』として『米国防衛に不可欠でない核兵器でも米国は保持する義務が有る』と記述している。
麻生太郎が就任早々のオバマに送った親書は公開されていませんが、最初の日米首脳会談のホワイトハウスの対応を見れば、大体の想像はつきます。
麻生太郎は、冷戦時代の遺物の『核の傘』(拡大確証破壊)の考え方をオバマに認めさせようと必死になっている。
対してオバマ大統領は、何とか危険極まりない東西冷戦時代思考(確証破壊戦略)から脱却し、新しい『核兵器の無い世界』を創りたいと考えている。
なるほど、これでは麻生がホワイトハウスで冷遇(明らかな蔑視と嫌悪)される筈です。



『昨今の麻生太郎と自民党』

生粋の保守人脈である鳩山代表の民主党が社会主義だとか、革命で日本が危ないとか、労組支配の一党独裁を目指しているとか、燃料不足と装備の老朽化で満足に航行出来る船舶も無い北朝鮮の日本侵略が差し迫った脅威であるとか。
余りにも荒唐無稽過ぎて相手への誹謗中傷にもならない見苦しい超お粗末発言のエトセトラ。
思い過ごしか、それとも、気のせいでしょうか。?
近頃の自民党や麻生太郎首相の言葉が、何となく街宣右翼の大音響でがなりたてる程度の低い宣伝文句と、だぶって聞こえてくる。
金正日の背後霊がついている幸福の科学の大川総裁の言霊(守護霊?)に操られているのかも知れないが、いずれにしても痛ましい限りです。

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2 コメント

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戦争をゲームと勘違い? (農婦)
2009-08-28 14:33:58
 大川総裁の発言は小学生レベルにも劣る怒りを超えてため息が出ますねー。偶然なのかわかりませんが、ヒルズがある六本木には大物国会議員が見え隠れしているような勘がしますね。麻生太郎議員も六本木がお気に入りではなかったでしょうか?浜田防衛大臣も?
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破壊的カルトが可笑しいのは当たり前なのだが (逝きし世の面影)
2009-08-28 16:32:48
農婦さん、コメント有り難う御座います。

今の様に、責任ある筈の政府与党が、無責任極る破壊的カルトやネットウヨと同じレベルだという事は信じられない、何とも恥ずかしい、日本人の一人としては信じたくない事実ですね。
今でも馬鹿馬鹿しい北朝鮮ネタで選挙で大勝利出来ると信じているらしいのです。
成る程、これなら日本国がこれ程ひどい有様になるのも当たり前である。と変な所で納得しています。

押尾学事件ですが、確かにこれは変すぎますよ。
大相撲で起こったリンチ殺人を愛知県の田舎警察や医者や相撲協会(時津風部屋)や地元マスコミなど関係者全員が総がかりで隠蔽しようとした事件によく似ている。
時津風部屋リンチ殺人とは違い、ことは日本の首都東京のど真中の六本木ヒルズの超高級メゾネット。
でてくる顔ぶれも事件現場の場所に相応して多分大物政治家や大物経済人など、どれもこれも大物ぞろいだろうと推測される。
これから、何かが可笑しいことだけは明らかにできるだろうが、日本の闇にどれだけ迫れるか。
真相究明は今の世の中が根本的に変わらないと無理な気がします。 今のところは完全隠蔽が成功しています。
http://video.fc2.com/content/%E9%87%8E%E5%8F%A3%E7%BE%8E%E4%BD%B3%E3%81%AE%E5%85%AD%E6%9C%AC%E6%9C%A8%E3%83%92%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/20090805GaYs0WwB/&tk=TXprd056TXdOekk9
ユーチューブは消されていますが、FC2動画 にはまだ六本木ヒルズの超高級メゾネットの部屋が残されています。最期の方に少しですが消される前に是非御覧下さい。
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