逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

冷戦崩壊後の「新秩序」とアメリカの仮想敵国

2011年01月15日 | 軍事、外交

『国家とは暴力装置である』

日本の暴力装置(自衛隊)の頭脳とは果たして何処にあるのだろうか。
北澤防衛大臣でも防衛省内局(職業軍人ではない私服のキャリア官僚)でも無いらしい事だけは誰にでも判る。
ましてや内閣総理大臣が自衛隊の最高指揮官であることを知らなかった首相、管直人では絶対に無いことは明らかである。
非科学反知性非常識、歩く日本の恥部、お笑い田母神俊雄でも校長が出来る程度の統合幕僚学校(自衛隊幹部育成学校)でない事を願いたい。
それなら他には防衛大学校ぐらいしか思いつかないが、この校長の五百旗頭真の1月9日付け毎日新聞コラム『時代の風』の二〇一〇年代・日本再生戦略で『安保確立と消費増税を』と題した主張が何ともはやで、今の日本国の自衛隊の意味するところを如実に示している。

『世界で残っている軍事同盟はNATOとアジアの日韓だけ』

NATOのような、人口3億人から数十万人まで大きさや軍事力に大きな差がある欧州諸国とアメリカの軍事同盟では対等ではないが加盟各国は並立関係にあるとされていて、1国でも賛成しないと軍事行動が出来ないとの建前が存在しているが、これは人種的な共通性やキリスト教など一神教の世界観の共有などの一体感が原因している
ところが歴史を共有する欧州諸国間の『軍事同盟』とは大違いで、そもそもアジアでは『歴史的な経過』がアメリカの軍事占領の継続(延長線上)として日米や米韓軍事同盟が存在していて、対米関係が出発点から対等でない『根本的な相違』がある。
これは現在でも基本的構造は同じであり変わっていない。
アメリカと日韓両国は『対等な並立関係』ではなく、命令するものと従うものの『上下の直立関係』にある。
韓国軍の戦時指揮権を米軍が握り、その現地司令部は韓国国内に在るのは誰でも知っているのですが、後方司令部(国連軍後方司令部)は07年まで日本のキャンプ座間(米陸軍司令部)で現在は横田(米空軍司令部)に置かれている。
日本の自衛隊は、日本占領の為の在日米軍駐留部隊4個師団7万人が朝鮮戦争派兵で留守になったために、仕方なく米軍補完部隊として、朝鮮半島に移動した占領軍と同数の7万人の警察予備隊を創設したことに始まる。
そもそも自衛隊とは、独立国の日本の国軍ではなくアメリカ軍の全面占領下にそのアメリカ占領軍の手伝いを目的として創られた傭兵組織であった。
このために隊員は日本人で編成されていてもアメリカによって創られた米軍補完部隊なので、陸自は別ですが海空の指揮命令系統の言語は日本語ではなくて最初から宗主国(占領軍)の米国の『言葉』を使っている。
目的(出発点)が占領軍(米軍)を補完する傭兵部隊なのですから、自衛隊の使う『基準』は日本国の基準でも世界基準でも無く、当然なことに『アメリカ基準』と決められている。
その為に『CPA5,000ヤード以上で行き違うように操艦』などと、自衛隊では日本国内に展開し隊員は日本人に限定されているにも拘らず、不思議なことに自衛隊内部では日本で使われている世界基準のメートル法ではなくて、本場のイギリスでも使うのを止めた今ではアメリカ一国だけの使い難くて古臭いヤードポンド法を未だに使っているのです。(ちなみに現在の日本の法令である計量法によると、取引や証明でメートル法以外を用いることは禁止されており、違反者は50万円以下の罰金に処せられる)
自衛隊とは名誉有る自立した軍隊(国軍)などではなくて哀れな植民地か属国の傭兵軍(セポイ)程度の扱いなのです。
自衛隊のような、自国軍の指揮命令系統が自国語でなく外国語で行う独立国は一カ国も無い。
日米韓三国軍の統合とは日本がどうのこうの言える種類の話ではなくて既に決まっていることがらで、日本の標準時の東経135度の経線が朝鮮半島を何処も通っていないにも関わらず、日本と韓国は植民地時代と同じ明石標準時で無理やり時差ゼロになっているのですね。
ですから緯度が同じ中国東北部と朝鮮の間には不思議な1時間の時差が時差があるのです。

『オオカミ少年を装う五百旗頭防衛大学校長』

それよりも1月9日の防衛大学校校長の毎日新聞への投稿が植民地軍(アメリカの傭兵部隊か傀儡軍)の本音が出ていて面白い。
曰く、『安保確立と消費税増税』なのです。
そもそも軍事同盟とは、あらかじめ仮想敵国を想定して結ばれる性質のものです。(仮想敵国の無い軍事同盟は存在しない)
彼によると『冷戦終結後の失われた20年』と語っているのですが、冷戦崩壊までは圧倒的な核超大国の仮想敵国ソ連の存在があり、アメリカは否応無く日本を邪険には出来ない(大事にしなければならない)事情があった。
日米安保の存在理由は、仮想敵国ソ連の『存在』を抜きにしては語れない。
ところが日本国にとって困ったことに、今はその大事な仮想敵国『ソ連』は消滅して何処にも存在しない。
では唯一の覇権国(世界帝国)アメリカの今の仮想敵国とは、『何れの国であるのか?』と考えて見たい。
対米従属しか頭に無い日本の外務官僚や自民党民主党の政治家達は今までの『秩序』だった冷戦の崩壊で完全に思考停止状態に陥り、新しい世界秩序が理解出来ないでいる。
今でも『考え』が冷戦時代当時と少しも変わらず『アメリカの仮想敵国は中国』と思っている(必死になって信じようと努力している)ようですが、それは根本的な大間違い(勘違い)ですよ。
何故なら、今とは大違いで冷戦崩壊時の20年前の時点では仮想敵国だった超大国旧ソ連と、当時の中国では、その『力量』に大きな差があり過ぎた。
アメリカや日本にとっては当時の中国の経済力も軍事力も到底自分達の『脅威』になる水準には達していなかったのです。
それならアメリカがソ連の後釜の『仮想敵国』に中国を考える道理はまったく無い。
日本人はいま一度、冷戦終結から今までの20年間で『何があったか』『何が起きたか』を思い出して頂きたい。
『米国が正しい』と信じて、アメリカの対日要求どうりに素直に行動した経済力№2の日本は、消費不況が足を引っ張り世界で唯一デフレが進行しどんなに努力してもゼロ成長で、ゆっくりとだが確実に衰退の道を歩んでいる。
対照的に日本の数十分の1くらいだった弱小な中国経済は倍倍ゲームの笑いが止まらない有様で、今ではアメリカの最大の貿易相手国で、日本を凌ぐGDP2位の経済大国になっている。
これらの厳しい現実は、唯一の覇権国アメリカの『全面支援』『全面協力』なくしては絶対に『あり得ない』し『起こりようが無い』話なのです。
クリントン大統領は中国を『戦略的パートナー』と呼んでいたが、これは冷戦崩壊後20年間アメリカの政権が変わろうと一貫して変わらない国家戦略なのです。
これは中国もよく理解しており最大の外貨保有国としてアメリカ国債の最大の購入先になって米財政を支えている。

『仮想敵国ソ連の後釜は誰』

冷戦で崩壊した旧ソ連はイデオロギーを優先して実際の経済効率を疎かにして大失敗したが、アメリカは逆に『経済』を優先して冷戦に生残った。
それならアメリカに対して唯一脅威を与える存在だった超大国の『ソ連』が20年前にゲームオーバーでアメリカの仮想敵国でなくなった後の、本当の(極秘の)仮想敵国とは、アメリカに次ぐ世界第二の経済大国(アメリカの脅威になりうる唯一の実力の有る)の『日本』しか残らない。
イデオロギーを優先させず、冷徹に推論していけば『アメリカの仮想敵国=我が日本国』だったのです。
そもそも仮想敵国とは、北朝鮮のように単に嫌いだとか悪いとかの主観的な話ではなくて旧ソ連のようにアメリカにとって何らかの脅威となる『確かな実力』を持っていないと『仮想敵国の資格』は無い。
冷戦崩壊後に、その『何らかの脅威となる確かな実力』を持っている国とは何処か。?
中国のロケット(ミサイル)の技術水準は2003年の神舟5号打ち上げて初めて宇宙に飛行士を送り5年後の2008年に宇宙遊泳に成功したが、ソ連の『地球は青かった』のガガーリン少佐の人類初の宇宙飛行は1961年であり4年後の1965年のボスホート2号で人類初の宇宙遊泳を行ったのですから、中国はソ連に比べて40年以上は遅れている。
アメリカにとっては中国は到底軍事的脅威にはならないし、ましてや真ともな人工衛星一つ打ち上げれない北朝鮮などは問題ともならない水準である。
冷戦崩壊で『軍事力』では超大国アメリカに対抗できる国は消滅してしまい、今後もソ連に匹敵する超大国は出てくる気配は無い。
しかし軍事力以外の『その他の確かな実力』と考えるなら、アメリカにとって世界で日本国の経済力第二位の『実力』以外に、何処にも『何らかの脅威』はない。
そう思って冷戦崩壊から今までの20年間の自民党政権や今の民主党管政権の数々の不思議な亡国の言動や、今回の五百籏頭真防衛大学校長の発言の意味が目から鱗状態で簡単に理解できる。
色々な事柄がすべて、『如何にして仮想敵国日本の力を奪うか』の一つの目的に収斂するのです。
20年前に初めて財政赤字が100兆円を越えた辺りから歴代日本政府によって『財政再建』が最重要目標とされたが、アメリカが指示する『財政再建策』を実行すればするほど、摩訶不思議にも日本国の財政赤字は増え続けた。
1997年の3%から5%に、たった2%の消費税の増税で我が日本国は未曾有の大消費不況と3万人強の自殺者の出る社会不安に苦しめ続けられていて、未だに改善する見込みも無い。
その日本での消費税増税とは亡国の道である事だけは間違いない。

『9・11は胡散臭い』

アメリカという国は常に外に仮想敵を作って、それを叩いて国内を統一し発展してきたのですが、冷戦以後は何も無い状態が続いていた。
10年前の9・11時件以後の仮想敵国はウサマ・ビンラディン率いるアルカイダ、それをかくまうタリバンとの公式発表であるのですが、元々アフガニスタンのタリバンは9・11以前から知れれていて今でも実在している。
しかしバーミヤンの石仏を破壊するタリバンはアフガン市民には大問題だが世界帝国アメリカの仮想敵(何らかの脅威を与える存在)とはなり得ない一地方のローカルな存在に過ぎない。
それなら世界的テロ組織であるアルカイダしかない。
ところが大騒ぎしたほうの、ウサマ・ビンラディンとアルカイダのほうは益々実体が不鮮明になるばかりで存在自体が疑われている。
政治経済外交と『軍事』とは、一続きの一体のものであるとはプロイセンの戦略家クラウゼヴィッツの「戦争論」の指摘であるのですが、この事実を日本人は忘れがちである。
20年前の冷戦崩壊時に最早軍事力ではアメリカに歯向かえる国は出てこないのですから、アメリカが次の仮想敵国に軍事力ではなくて、アメリカに次ぐ経済大国を選ぶのは至極当然なり理論的な帰着ですよ。
しかし幾ら今までの敵国のソ連が消滅しても、手のひらを返して突然最大の同盟国の(米国に尽くしてきた)日本国を仮想敵国にするなど、幾ら事実でありアメリカの国益の為とはいえ、そんな不正義な理不尽なことは世界に対して公に絶対に出来ない。
アメリカは絶対に本当の事(真実)を偽装する必要があり、それがあの胡散臭い対テロ戦争の隠された目的(唯一の利点)ではないでしょうか。?
『仮想敵国は日本』と発表すれば大問題だが、敵が仮想のテロ組織のアルカイダなら誰も(特に日本は)文句は言わないので都合が良いのです。


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11 コメント

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ペルソナが実体にとって代る恐怖話 (宗純)
2011-01-18 16:29:12
チャーチルの「対日世界大戦回顧録」ですが、
>『これ以上に日本の特性を的確に表す説明を知りません。 残念ながら、現在の日本外交にもそっくり当てはまります。』<
では無くて、
『これ以上に英米の特性を的確に表す説明を知りません。現在の米国(英国)の外交にもそっくり当てはまります。』の間違いですよ。
冷静になって、いま一度今までの日本と米国(英国)との間に何があったのかを思い出してください。
彼等は最初の150年前から現在まで、まったく同じ態度であるのです。
『日本人は無理な要求をしても怒らず、反論もしない。笑みを浮かべて要求を呑んでくれる。』と信じて疑わない。
チャーチルの言う日本人が突然態度を豹変して突きかかってきた話は150年間で、たったの一回限りの例外であるのですよ、
しかも日本はそれに大失敗して完膚なきまでに叩きのめされ負けて完全屈服してしまう。
そして日本人全員が、『二度と過ちは繰り返しませんから』と相手に突きかかる事を真底『大反省』しているのです。
其れ以降の日本は、やっぱり以前の『無理を承知で要求しても全部の要求を呑む』平和路線に復帰して仕舞い、普天間に見られるように今では益々『対米従属路線』は強まるばかりですよ。
日本側では150年前の最初には確かに『これは相手の無理筋の要求である』事が分かっていたのですが、長年続けていると『相手の無理筋の要求』と『自分の正当な要求』との区別が何時の間にか無くなって仕舞う。
今では小泉純一郎や今の管政権のように日米は一心同体で『同じである』と思うまでに、異常な『憑依現象』とも思えるほどの過剰適応が病的に進んだのです。
日本人は最初は辛抱して努力しいたが、今ではその事実さえ忘れている。
何時の間にか自分でも気が付かないうちに真底奴隷根性が身についてしまったのですが、恐ろしいですね。
どんな原理原則でも例外はあるのですが、チャーチルのように150年間で1回しかない極々まれな例外中の例外を、さも何かの普遍例であるかのごとく主張するなどは腹立たしくも有るし余りにも馬鹿らしい。
日本は、外に対して演じていたペルソナが今では内面にまで影響してしまい、ペルソナと実体が完璧に入れ替わっているのです。
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食えない政治家NO1のチャーチル (宗純)
2011-01-17 15:19:22
伯爵さん、コメント有難う御座います。

ご紹介のこのチャーチルの描く日本人論ですが、イーサン・ホークと工藤夕貴主演のハリウッド映画『ヒマラヤ杉に降る雪』の原作のデイヴィッド・グターソンの小説 『殺人容疑』にも同じような記述があるのですが、それにしてもこの政治家は二枚腰三枚腰で裏があり一筋縄ではいかない。
第二次世界大戦後にすぐさま冷戦をソ連相手に始めた張本人はチャーチルではないかと言われていますが、欧州大陸を席巻したナチスドイツの矛先をイギリスから地獄の対ソ連戦に振り向けさした影の主役もチャーチルではないかと言われている。
ヒトラーは側近達が止めるのも構わずに『ソ連は壊れかけた納屋で一蹴りで倒れる』と信じて滅亡の独ソ戦を始めてしまう。
ヒットラーはわざと『間違った情報』を誰かに掴まされて滅亡するのです。
この独ソ戦開戦時にフランスは占領下にあったがイギリスとはロンドン上空でドイツ空軍のメッサーシュミットとイギリス軍のスピットファイアのバトル・オブ・ブリテンで雌雄を決せんとしていた。
ドイツは、イギリスとの西部戦線を決着しないままでソ連との東部戦線にドイツ軍主力を振り向ける無謀な作戦をはじめてしまい、予定が完璧に狂い徐々に消耗していく。
この時に連合艦隊の山本五十六長官は日本の真珠湾攻撃の遥か前、ドイツ軍の開戦と同時に独ソ戦の行く末を完璧に予言していたのです。
チャーチルのイギリスですが、ドイツ軍の誇る難解な暗号エニグマを1939年末時点の完全解明に成功していたのです。
今までの暗号解読では言語学者が主力だったのですが、言語学的な解明ではエニグマは難攻不落、解読は不可能だったのですが、天才数学者アラン・チューリングが世界最初の機械式コンピューター(チューリングマシン)を開発しとうとう暗号を解読する。
このマシンはグラウンド何個分にもなる巨大なシステムだったのですが、チャーチルの命令で軍事技術の機密保持の目的で大戦後に跡形なく破壊されてしまうのですよ。
今から考えればなんとも勿体無い話ですね。
戦勝の最大の功労者であるチューリング自身も同性愛で摘発され去勢処分とされ1954年に自殺に追い込まれて歴史的なその偉大すぎる功績は長い間抹殺される。
イギリス政府が正式に謝罪して名誉回復されるのは何とたった3ヶ月前の2009年9月、イギリスのブラウン首相の『彼の抜群の功績がなければ、第二次世界大戦の歴史は変わっていた』
『彼に対する処置はまったく不当であった。』と政府として正式な謝罪した。
情報戦での暗号の解読とは盲目と目明きの違い程度に大きく差が出るのですが、因みにエニグマよりも遥かに簡単な日本軍の暗号が開戦時に米英両軍に筒抜けであったと言われています。
山本五十六長官の搭乗機のラバウルへの出発時間と到着時間を暗号文で打電していたのですが、これでは完全な自殺行為であり、山本長官は死に場所を求めていたとの説もありますね。
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鬼畜米英と親米(ポチ)の間 (伯爵)
2011-01-16 22:13:48
チャーチルの「対日世界大戦回顧録」を思い出したので、失礼ながら引用させて頂きます。

『日本人は無理な要求をしても怒らず、反論もしない。笑みを浮かべて要求を呑んでくれる。 しかし、これでは困る。
反論する相手をねじ伏せてこそ政治家としての点数が上がるのに、それができない。 それでもう一度無理難題を
要求すると、またこれも呑んでくれる。 すると議会は、いままで以上の要求をしろという。

無理を承知で要求してみると、今までは笑みを浮かべていた日本人がまったく別人の顔になって、
「これほどこちらが譲歩しているのに、そんなことを言うとは、あなたは話のわからない人だ。
ここに至っては、刺し違えるしかない」と言って突っかかってくる。

英国はその後マレー半島沖合いで戦艦プリンスオブウェールズとレパルスを日本軍に撃沈され、 シンガポールを失った。
日本にこれほどの力があったなら、もっと早く発言して欲しかった。 日本人は外交を知らない。』

これ以上に日本の特性を的確に表す説明を知りません。 残念ながら、現在の日本外交にもそっくり当てはまります。
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三歩以上歩くと忘れるニワトリ並みの頭 (宗純)
2011-01-16 11:36:08
現田石さん、コメント有難う御座います。

条約など国際法は国内法に優先されるのですが、>『50年、60年経ったから中身を忘れた』<と言うのは間違いないでしょう。
日米安保と日米講和条約(サンフランシスコ条約)とは対になっていて一体のものなのですが、講和条約には日本全権大使全員が署名しているのですが、日米安保の方は吉田茂一人が署名しただけなのですね。
日米安保の問題点は当時でも理解されていたのでしょう。
アメリカですが未曾有の規模の第二次世界大戦が終結した直後に、即座に次のソ連を仮想敵国とする冷戦を始めているのですね。
対ソ情報網を持っていたのは勿論敵国ナチスドイツなのですが、アメリカは戦犯を免責して西ドイツの情報機関を設立する。
まさに戦争終結で180度態度を変えて、昨日の敵は今日の味方で今までの味方は敵なのです。
これは日本も同じで鬼畜米英は一晩で親米に変化したのですから大笑い。笑い事ではないのですが。
ですから冷戦終結でソ連の役回りを日本に変えたアメリカの態度は極自然な成り行きです。
日本を取り巻く環境が全く違っているにも関わらず、同じであると思っているから『日本の失われた20年』が生まれたのです。
日本ではバブル崩壊ばかりに注意が向けられているが実は世界的に見れば日本のバブル崩壊程度は何時でも起きている日常の出来事で珍しくもなんとも無い。
『失われた20年』の最大原因はバブル崩壊ではなくて冷戦崩壊でアメリカの仮想敵国の相手が日本に変化したことですよ。
日本共産党ですが、冷戦崩壊で安保条約の根本理由が亡くなったのですから、それまで安保破棄を主張していた共産党は前以上に『安保破棄』を声高に主張するはずなのですが、・・・・
ところが不思議なことに何時の間にか安保破棄のスローガンが無くなって、だんまりを決め込んでいる。
日本共産党自体にとっても日本国と同じような『失われた20年』が存在していて、この原因の解明も待たれるのですが歴史的な参議院惨敗の総括が是非とも必要でしょう。ところが敗戦の戦犯(現執行部)に任せている現状では多分無理ですよ。
そもそもNATOなど対ソ軍事同盟はソ連崩壊で存在理由を失ってしまったのですから20年前に解体するべきだったのです。
今の対テロ戦争の実体とはNATOなど存在理由を失った軍事同盟の失業対策事業程度の意味合いしかもっいません。
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条約や法律の有効期間 (現田石)
2011-01-15 16:54:08
国際条約も法律も最初から期限付きでない限り、改定や廃止をしない限り続く約束・契約でしょう。特に国際条約は国と国の契約ですが、50年、60年経ったから中身を忘れたという方の国が振り回されるのは当然の理と思います。
日本国の今の政治家が5年前の事も覚えていないことまでは理解できますが、長い歴史を誇る現在の日本共産党はどうなのでしょうか。
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日本も正式加盟する (宗純)
2011-01-15 15:48:10
国連(第二次世界大戦時の連合国)には『敵国条項』という国際連合憲章の条文があり、それによると連合国の敵国に対する加盟国の武力制裁が定められているのです。
例えば連合国の一員であるアメリカは、第二次世界大戦中に『連合国の敵国』だった日本国が憲章に違反する行動を起こしたとして、国連決議に関係なく、単独でも無条件に、当該国に対して軍事的制裁を課すことが認められているのです。
そもそも日米安保は旧ソ連を仮想敵として想定していたとされているが、ソ連正面の筈の北海道には米兵は一人も配備されていず、米軍基地はソ連から一番遠い沖縄と日本の首都『東京』の周辺に集中している。
米軍の配備から判ることは、敗戦後も日本は潜在的に米国の仮想敵国で在り続けたのでしょう。
また、在日米軍はその構成からして外国に侵攻する際に先兵となる海兵隊が主力で、拠点守備の要となる陸軍戦闘部隊はゼロです。
米軍の配備状況や実戦部隊の構成から判ることは、他国の侵略から日本を守るために存在しているのでないことは明らかで、在日米軍の本来の任務とは、逆に日本が米国の忠実なポチでなくなって、米国のコントロールが利かなくなった時に、日本を再占領するために存在しているとも考えられます。
返信する
Unknown (kappa)
2011-01-14 17:11:17
まったくもって仰せの通りと思います。
返信する
kappaさん、はじめまして、 コメント有難う御座います。 (宗純)
2011-01-14 15:11:32
軍では当然色々なシュミレーションを行っていると思いますが『シュミレーション行うこと』とその事実を公表することの間にはとんでもない大きな違いがあるのです。
日本でも1963年に朝鮮有事の「三矢作戦研究」が田中義男陸将など統合幕僚会議の制服組みによるシュミレーションを行っている事が発覚して国会で大問題になり大騒動に成っています。
つい最近でも中国の軍学校の責任者の一人がうっかりと『中国のミサイルの標的は台北ではなくロスアンゼルス』ともらして即刻辞任に追い込まれています。
本当であるかどうかはともかく、このような事柄は絶対に口外しては駄目なのです。辞職は当然でしょう。

現在のアメリカの国防長官は共和党のゲーツなのですが、職業軍人とは接触は無くアメリカ軍とは無縁のこの人物は一貫して軍ではなくて情報畑なのですよ。
ロバート・M・ゲーツ、アメリカ合衆国第22代国防長官(66歳)は1966年にCIA入局なのですが、ブッシュ政権で国軍トップになり、撤兵を公約しチェンジを国民に約束した民主党のオバマ大統領に変わって留任したままです。
ゲーツ国防長官のように政権与党が交代する際に国防長官が留任したのは、史上初めてのケースであるのですが、この人物は1993年までCIA長官をしていた。
そしてCIAは死ぬまでCIA であるといわれています。

『日米安保条約を結んだアメリカの仮想敵国が日本の筈が無い』との、純情な日本的な思い込みは間違いである可能性が高いのです。
これは旧日本軍と同じ自分本位な楽観論である『日ソ中立条約があるからソ連軍の対日参戦は無い』との思い込みと同じで、願望ではあっても現実ではない。
このような条約(同盟)とは独ソ不可侵条約と同じで何時でも片方の側かからの破棄が可能であるのですね。
日本とアメリカ合衆国は150年ほど前にも日米和親条約や日米通商条約を結ぶのですが、このときの日米条約(同盟?)の意味するところは、条約の名前に有る『友好』でも『通商』でも無い事は、当時の結んだ日米の当事者は良く知っていたのです。
アメリカの政府はこの条約で程なく短時間で日本国が崩壊すると予測していた。
日本の幕府側の関係者もインドや中国の先例からこの米国の意図を良く知っていたが『時間を稼ぐ目的で』仕方なく日米条約を結ぶわけですが、今の日本側の政治家も官僚もこの江戸幕府の世界情勢に対する知恵がまったく無くなっているのですから、今のようにアメリカとしてやいたい放題に好き勝手が出来るのでしょう。
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Unknown (kappa)
2011-01-13 10:19:13
仮想敵国・・・アメリカ流に言えば、アメリカはすべてが敵になることを前提に考えてシュミレーションするから、アメリカの核ミサイル投下ポイントに、勿論東京とか日本の大都市も組み込まれている。
日本はアメリカの仮想敵国の中に入っているなど考えている国民は何人いるのか?

そんなモンでしょが!「仮想敵国」

困ったことに今、近隣に核を持っている国が3つもあるが、そこいらを仮想敵国というのだろうが、だから何だというんだね。

間違いがあって中国からの核爆弾が日本に落ちたとする。世界中が騒いで、勿論日本国内、中国国内はパニック。そこで日本の頼みのアメリカが中国に核爆弾を落すわけない。世界核戦争に誰も持って行こうとはしない。そん時に初めて気がつくわけですよね。日米同盟とは???仮想敵国とは???

シュミレーションするならね、仮想というならば、
「アメリカ本土のどこにミサイルを撃ち込もうか?」というくらいの構えがないといけない。
あくまで仮想なんだから、特定のところだけを考えているのは、歪んだ思想に冒された真の愛国者とはいえない。

勿論、武装すること、仮想敵国を想定した軍備に関しては、私は否定的ですね。

徹底するなら核を持ちなさい。少なくとも2個だけは持ちなさい。やられた分だけ!

でも・・・日本国民、そんなこと誰も望んでいないでしょう?
返信する
通信傍受のエシュロン (宗純)
2011-01-12 17:04:03
150年前の覇権国(世界帝国)のイギリスの仮想敵国は、実は長い間同じ世界帝国に成りそうなドーバー海峡の向こうのフランスなのですが、トルコ軍を助けてクルミヤ戦争で共同でロシアと戦ったりする。
アフガンニスタンでも幕末の日本でもロシアと権益を争うが第一次世界大戦では共闘してドイツに対向する。
勿論対中国で共闘もするのですから複雑怪奇で一筋縄ではいきません。
要は、一番その時々の国益に叶うか、叶わないかで『仮想敵国』は何時でも変化するので、同盟している友好国がいつ何時に仮想敵国に変化しても可笑しくないし、我々日本人的な常識では考えられない『同盟国=仮想敵国』でも何ら問題とはされないのです。
イギリスフランスは第一次第二次と二つの世界大戦では自分達を脅かす実力がある新興工業国のドイツを敵国として同盟したのですが、この何れの側にもアメリカとソ連(ロシア)は付いたので、冷戦以前にはソ連とアメリカは同盟国であるのです。
ところが第二次世界大戦の終了と同時にアメリカは次の仮想的国に今まで同盟国(戦友)だった『ソ連』を当て嵌めて次の冷戦を早速に始めるのですね。
それでは20年前の冷戦終結で敵を失った後、次のアメリカに対抗出来るだけの『実力者』と考えれば、当時は日本とドイツぐらいしか出てこないが、幾ら2回も敵国に成ったとはいえ今さらドイツを仮想敵には出来無い歴史的な重いしがらみが有るのですね。
それなら消去法でアメリカにとっての仮想敵国は『日本国』以外には無いのですよ。
ミロシェビッチの新ユーゴなど1999年に空爆したり湾岸戦争やイラク戦争でフセイン政権を叩いたりしたが、如何せん相手が弱すぎて『仮想敵国』の資格(実力)が無いのですよ。
唯一の実力有る国とは日本ぐらいなのですね。
アメリカが冷戦時代に英語圏諸国に張り巡らした盗聴組織のエシュロン(Echelon)は軍事目的のシステムでアメリカ国家安全保障局(NSA)主体での運営とされるのですが、冷戦崩壊時にCIAが『これからは民間の権益保護に組織変え』する作戦で生き残りを図った要に、間違いなく米国の経済権益の保護に切り替えたはずです。

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仮想敵国 (疑問に思う人)
2011-01-12 12:26:28
勘違いされがちなのが、仮想敵国=敵対しそうな国ではなく、対抗手段の取れない国という事実。そう考えると、日本にとっての仮想敵国はアメリカですね。というか、アメリカの方がアルカイダやDPRKより性質が悪いかもしれませんね。本音は隠して如何にも正義の如く振舞いますから。世界にとっての脅威は、テロよりアメリカのテロ戦争かも。
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