逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

都議会が100人のセクハラムラだったら

2014年06月25日 | 政治
『童話「世界がもし100人の村だったら」池田香代子』

10年ほど前に流行った『世界がもし100人の村だったら』では、世界には63億人の人がいますがもしそれを100人の村に縮めるとどうなるでしょうと言うが、科学的な想像力が余りにも貧困である。(人口百人の村など、世界では少しも珍しくない)
そもそも童話に『科学的でない』などとケチをつけるのは野暮だが、根本的な勘違いをしているのですね。(原作者ですが、『90人が異性愛者で10人が同性愛者です』とあるのでイギリス人の可能性が高い)
100人のムラなら誰かの素っ頓狂な発言は、どれ程小さな呟きでも即座に全員が知るので大騒ぎになる。酷い場合は村八分になる。(発言を知らない村人など、一人もいない)
それどころか発言する遥か前から、なぜか村人の全員が知っているのである。
都会ならある個人のプライバシーが何処にも無い。過疎の100人の村ならムラビト一人一人の一挙手一投足が秘密に出来ないのである。(このような村の対人関係を若者たちが嫌がり都会に脱出するので益々日本の過疎が進行する)

『ムラビト全員が知っていたアホ臭すぎる出来レース(八百長芝居)』

都議会の薄汚い知性ゼロの低級なセクハラ・ヤジをロイターが世界に配信、アメリカではCNNテレビが全米放映している。欧米の有力紙も追従して世界中に報道しているが、これ以上の日本国の赤っ恥は無いでしょう。
本当に自民党や枡添東京都知事は6年後に東京でオリンピックを開催する気があるのか疑わしい。
自民の同僚議員とか枡添知事は批判するどころか低級なセクハラ野次に対して笑っていたとか。(ビデオ映像ではっきり残っている)
世界でセクハラ野次が報道されているのに、枡添知事は『聞いていない』とか、自民党都議会幹事長は『誰だか判らない』とか、白々しく言い逃れているが見苦しい。(この『聞いていない』が真実とすれば、全員が居眠りしていたのだろう)
これが国際的なスポーツであるサッカーの試合なら、ジャパニーズ・オンリーの差別垂れ幕のサポーターは永久追放でチームは無観客試合の厳罰が課される。
自民党都疑団や枡添東京都知事のように、世界に恥を晒したセクハラを有耶無耶に済ます心算なら、東京都がオリンピックを開催する資格はありません。
ただし、この問題はもっと根が深い。
東京都議会ですが、たったの127名である。野次った自民党議員に限定すれば59人。(内女性議員が3名)
世界中に恥を晒した挙句、1週間後にやっと野次の事実を認めて名乗り出るが、余りにも往生際が悪過ぎる。
迷惑をかけたと所属会派は離脱するが自民党は処分せず自民党籍のまま。ほとぼりが冷めたら元の会派にすぐさま復帰する心算なのです。もちろん議員を辞職する気はさらさら無い。
この鈴木章浩議員ですが、くだんのセクハラ・ヤジをマスコミが大きく取上げた時に、何と実名でテレビ局(たぶんTBS)の単独取材を受けていた。
日本国の国辱的な野次の張本人の肉声がテレビニュースで流れていたのである。
この鈴木都議ですが、テレビカメラの前で『野次は聞こえなかった』が社会的に不適当で、議員辞職相当の不祥事であるとの意味の発言をしている。
当たり前ですが、あれだけ大きい声で発言すれば、言った瞬間に、都議会の男性議員は100人なのですから、誰が野次ったかは議員もマスコミも、全員が最初から判っている。
だからテレビ局は即座に野次の本人の声をニュースとして流したのである。
100人のムラでは、セクハラの被害者も加害者も、報道したマスコミも全員が同じで、『知らないふりをしているだけ』(下手糞な田舎芝居)なのです。
自民党の鈴木議員の『聞こえなかった』ですが、自民党推薦の枡添都知事も同じ発言をしているので、まったく同じ症状(都議会症候群)ですね。
鈴木議員ですが2年前の2012年、民主党政権時に尖閣の不法上陸した一人で『シナが云々』とか河野談話の破棄で『日本人の名誉を守るのだ』とかの、ネットウヨのそっくりさん。日本国の恥さらしが国士気取りで大言壮語している猿芝居なのです。

『一般紙は報じなかったが、唯一日刊ゲンダイは張本人を報じていた』

報道規制が厳しい朝日毎日など大手の一般紙では何処も報じていないが、規制が弱い何でもありのエロ系の日刊ゲンダイは実名(鈴木章浩)ではないがイニシャルで報じていた。
日刊ゲンダイは2011年3月15日に自衛隊が『原発が爆発する。100キロ圏から逃げてください』と言い残して、一般市民を見捨てて逃亡した不都合すぎるとんでもない不祥事を報道した唯一の新聞社なのです。(他の新聞社は共産党機関紙赤旗を含め全てダンマリを決め込んでいた)
『都議会セクハラ野次 犯人疑われる自民議員の支離滅裂釈明』2014年6月21日では名前が鈴木章浩では無くて頭文字の『S』となっている以外、事実関係がすべて正しく記載されている。
別に日刊ゲンダイの記者が特別優秀だったからではなく、現場では全員知っていたが、日刊ゲンダイが一番報道規制が弱かったのです。
記事でも、
『メディアもS議員を犯人だとみています。委員会室から出てきたところをテレビカメラに囲まれたSさんは『私ではない』と否定しながら、<もし、私だったら謝罪しなければ>と支離滅裂な言葉を発し、ますます疑惑を深めている。しかも、現場にいたくせに<どんなヤジだったの?>としらじらしいことを口にするものだから呆れられています』
日刊ゲンダイの取材申し入れには鈴木章浩議員本人から電話で、
『いきなり大声で「誰が私だって言っているんだ!」「ヤジは皆、言っているよ」と大荒れ。「ヤジは飛ばしていない」という。いったい、S議員はどんな人物なのか。』
ほとんど居直りの八つ当たり。恐喝まがいである。
自民党関係者によれば『典型的な右翼政治家、声がデカイことで有名です。尖閣諸島問題で名を売った。ホームページでは<子育て支援>や<女性が働きやすい社会>をうたっています』。
名乗り出てから毎日新聞は鈴木章浩議員の行為を社説で取上げて、厳しく批判している。
確かにマスコミが言うように、低脳右翼のセクハラオヤジの無責任で国辱的な居直りも大問題で見苦しいのは事実である。
しかし毎日新聞を含めマスコミ各社は最初からがすべてを知っていたのである。
ところが不都合だからとムラビト全員で隠した日本国の報道機関の腐敗堕落(挙国一致の大政翼賛会による大本営発表)の罪のほうが余程悪質であり、お粗末なセクハラ野次やりも2万倍は一般社会に害毒を流している。

『外国人特派員協会でのセクハラ・ヤジ講演に108人が集まる』

今回の東京都議会のセクハラ野次ですが、何も東京に限ったことでは無くて日本国の場合は日常茶判事、地方議会では少しも珍しくない。
今回は海外のメディアが大きく報じたことて、日本国内のマスメディアが追従して報道した側面が大きいだろう。
海外メディアが問題にしなければ日本国内でも問題とならなかった可能性が高いのです。
イギリスのロイター通信は、即座に『2020年に夏期オリンピックを開催する日本政府は、非難の洪水を浴びている』と、五輪開催地としての立場を強調して世界に配信する。
イギリスの有力紙ガーディアンはもっと露骨で、セクハラの言葉ではなく女性議員が、『性差別的な虐待を受ける』と報じる。『都議会の議員構成は、127人中で女性は27人だけ。772人いる国会議員でも女性は78人すぎない』と日本の後進性を読者に訴える内容。
アメリカのCNNテレビは『都議会の性差別主義者の発言で怒りが爆発している』 と報道。
ネオコンにも近いアメリカの右翼経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、件の塩村議員の単独インタビューを掲載。
6月24日日本外国特派員協会はヤジを受けた塩村文夏都議の記者会見を開き多数が質疑応答に参加している。
英ガーディアン紙の見出しが、『sexist abuse』(性的虐待)であることが象徴しているように、このセクハラ野次の問題は最悪なら(自民党が処理を誤ると)日本国にとっては第二の従軍慰安婦問題ともなりかねない危険物なのです。
世界のメディアから、日本が本当に『国際社会の一員なのか』と疑問の目で見られているのである。
それにしても、口は災いの元ですね。
世界に日本の恥をさらした当人は、シナだの自虐だのと日頃から日本人の名誉とか日本国の恥辱をはらすことを殊更強調していた。ところが今回は自分で日本国を辱めている。
右翼政治家として到底言い訳出来ない不始末なのですから、三島由紀夫を真似て腹でも切って『日本国の赤っ恥』を少しでもそそいで欲しいものです。

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4 コメント

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Unknown (原辰男)
2014-06-25 08:08:59
宗純さんはいつも私の思っていることをズバリ書いてくれるので愛読しています。
ところでこの議員は辞めないつもりらしいが、それでいいと思う。名前と顔は変えられないので一生生き恥をさらしてもらいましょう、自民党の看板議員として。
返信する
BBCでは、 (紙さま)
2014-06-25 11:26:18
昨日「アベノミクス第三の矢」を大々的に報道・・・と思いきや、このセクハラヤジについての報道の前振りです。女性の社会進出を謳っているのにこの体たらくは何だ?というような内容。出産で女性のキャリアが危うくなる国であり、女性進出を掲げる内閣の閣僚の女性の少なさなどなどが列挙されていました。経済政策そのものが霞むような報道内容です。
 海外報道と国内報道の落差、思った以上に
返信する
船場吉兆とか雪印乳業とか (宗純)
2014-06-25 16:15:14
原辰男さん、紙さまさん、コメント有難うございます。

人は間違い機械は故障しパソコンは誤作動するものですよ。『間違い』や『失敗』は誰にでもあるのですが、不祥事が起きた後の対処の仕方が、その後の結果に大きく影響する。
危機管理の鉄則ですが、出来る限り早く、悪いことをすべて明らかにして、きっぱり謝罪するのが、損害を最小限に抑える一番良い方法なのです。
この逆の遅いし小出しにすると、老舗の船場吉兆とか一流メーカーの雪印乳業といえども信用を失墜して倒産とか廃業に追い込まれる。
今の自民党ですが、セクハラ騒動では遅すぎるし小出しで全部を出さない態度が不真面目。食品メーカーなら間違いなく倒産します。
ただ、お馬鹿な自民党が倒産する分には万々歳だが、自民党だけでは済まず、ニホン国自体が倒産する可能性があるのですね。
都議会のセクハラ騒動ですが、これからの成り行きは不明だが、今までのところは1年前の橋下轍大阪市長の従軍慰安婦の話とそっくりの展開なのですよ。
幾ら日本の首都とは言え、一地方議会の不祥事を世界中のマスコミが報道するなど異様過ぎるのです。自民党のお馬鹿な右翼議員のバッシングだと思うから左翼は安心して同調しているが、もしも欧米メディアの目論見が、日本バッシングなら、右翼左翼とは無関係に日本国の危機ですね。
マスコミの動きが、橋下轍のおばか発言のときと極めて類似しているのです。
従軍慰安婦ですが、左翼が思っているような人道問題では無くて、お馬鹿な右翼の思っている『日本バッシングの罠』である可能性が濃厚なのです。
それなら突如始まった都議会のセクハラ問題もジャパンバッシングの一環であり、第二次従軍慰安婦かもしれない。
22年前の1991年(冷戦崩壊)から突然大問題になった従軍慰安婦の怪現象
2013年05月23日 | 社会・歴史
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/cc4736083970d528cb517f44f732874a

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Unknown (さなえ)
2014-07-15 13:40:50
たとえ悪気が無くても相手が嫌な気分になれば立派な暴力ですよ
相手が弱い女性ならなおさら気を使うべきなのじゃないでしょうか?
これを機会に女性議員には網タイツ着用を義務づけて欲しいですね
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