阪神間で暮らす

テレビを持たず、ラジオを聞きながら新聞を読んでます

野党共闘の前進とアップル社の試練

2016-02-23 | いろいろ

白川勝彦氏の「永田町徒然草」より

*****
野党共闘の前進とアップル社の試練

16年02月20日

No.1812


 土曜日がやってきた。今日も私は、白川勝彦法律事務所で仕事だった。雨が相当に強かった。仕事を終えて、早めに自宅に帰って来た。事務所近くのスーパーで買ってきたおかずで夕食を済ませたら、急に疲れがでて眠くなった。いま、目覚めたところだ。午後9時からは、四大陸フィギュアスケート選手権2016の女子フリーの放送がある。それまでに、この永田町徒然草を書き終えるつもりだ。

 今日書くことは、決まっていた。普段は、何を書くかを決めるのがいちばん大変なのだ。まずは、昨日(2月19日)開かれた野党5党の党首会談だ。この党首会談においては、夏の参議院選で選挙協力を進める方針で一致した。夏の参議院選の最大の争点は、全国で32ある「1人区」での、野党の選挙協力である。この1人区で共産党の志位委員長は、候補者の取り下げに応じる意向を表明した。

 夏の参議院選挙に先立って行われる衆議院北海道5区の補欠選挙で、民主党道連と共産党北海道委員会は19日、無所属で立候補予定の池田真紀氏(43)への候補の一本化を発表した。この間話題になっていた、不倫議員が辞職した衆議院京都3区でも補欠選挙があるが、自民党はどうも、候補者擁立を見送るようである。北海道5区で、野党統一候補である池田氏が勝てば、自民党は0勝2敗となる。これは面白いぞ。

 野党共闘など、少しも難しくはない。安倍首相の暴走を許してはならないと思う党が、どうしたら自民党や公明党の候補者に勝てるかを、真剣に考えることである。バラバラに立候補していたのでは、自民党・公明党の思う壺である。名乗りを上げている野党候補者うち、いちばん強そうな候補者に絞り込めば良いのだ。野党が候補者を一本化すれば、選挙民の方も変わってくる。

 基本的には、32ある1人区で野党が統一候補を擁立すれば、全選挙区で野党候補が勝てると、私は考えている。それほど、野党統一候補は強いのである。野党は、自分たちの力にもっと自信をもって良い。では、野党とは何か。安倍政治を許さないと考えている党である。四の五の言って、安倍政治と正面から戦おうとしない党は、野党とは言えない。自称野党のバケの皮が、剥がれ始めている。良いことじゃないか。

 もうひとつ、重要な事がある。それは安保関連法の廃止法案の、野党5党による共同提出だ。私は、この廃止法案の全文をまだ見てはいないが、わが国の防衛に関することをその内容としているという。わが国の防衛というと、自衛隊をどうするかに触れざるを得ない。そのような法案に、共産党や社民党がよく賛成したものだ。両党の内部では、たぶんいろいろな意見があったと推察するが、よくぞ取り纏めたものだ。

 安倍内閣を倒すという、ごく当たり前のことを実行しようというのだから、そんなに難しくはない筈だ。それを成し遂げるために生起する具体的問題について、関係者が何度も何度も会うことだ。そうすれば、自ずから道は明らかになる。安倍首相や大臣等の国会答弁を見ていると、もう無茶苦茶だ。それらを一つひとつ追及していけば、安倍内閣など必ず崩壊する。焦ることはない。地道に、安倍内閣を批判し尽すことである。


 次に私が注目しているのは、アメリカ連邦地裁の「容疑者のiPhoneのロック解除命令」に、製造業者であるアップル社が出した事実上拒否の声明だ。裁判所だけでなく、アメリカの司法省も要請してきたという。これは、“思想の自由、良心の自由、通信の秘密”等に関連する、極めて重要な問題である。また、アメリカだけでなく世界中の人々が関係する、シリアスな問題だ。

 このロック機能は、「スマホの所有者以外が操作でできないようにする機能。起動後に画面上に表示される仕組みで、iPhoneの場合、暗証番号やパスワードを入れる方式のほか、指紋認証を使ったものもある。このiPhoneの場合、4ケタの暗証番号を入れてロック機能を解除する仕組みで、入力ミスが10回続くと内部データが消去される仕組みになっている」という。

 連邦捜査局(FBI)は、このロック機能を事実上無効にできる「バックドア(裏口)」と呼ばれる機能を持たせるソフトウェアの作成などを求めていた。アップル社がこれを拒否したので、裁判所にこのソフトウェアの作成をするように求めたものであろう。この裁判所の命令にアップル社が最終的にどのように対応するかは、いまのところ分からない。

 ライバル関係にあるグーグル社も、アップル社の反論に同調。グーグル社のサンダー・ピチャイCEOはツイッター上で、連邦地裁の命令は「顧客のスマホをハッキングすることだ」と主張している。このスマホは、昨年12月に起きた銃乱射テロ事件の容疑者が使用したものだ。テロとの戦争といえば、何でも許されるという風潮が支配する世の中だが、果たしてアップル社は最後まで頑張れるか。

 自由主義である私には、この問題に対する見解は、極めて単純明快である。断固として、アップル社の主張を支持する。“思想の自由”は、諸自由の中でも、絶対に保障されなければならないのだ。この原則がなくなれば、自由主義社会はもう終わりだ。これは、スマホだけの問題ではない。私が使っているコンピュータでも、同じことが言える。ビル・ゲイツは、果たしてこの問題にどう応えるのだろうか。

 4大陸フィギュアスケートの放送が始まった。今日は、このくらいにしておこう。それでは、また(笑)。
*****




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。