阪神間で暮らす

テレビを持たず、ラジオを聞きながら新聞を読んでます

年金カット法案が可決

2017-01-10 | いろいろ

賀茂川耕助氏の「耕助のブログ」より

*****
年金カット法案が可決

 11月25日、衆院厚生労働委員会で「年金カット法案」が可決された。

 韓国の朴槿恵大統領が内部資料を民間人に渡したというスキャンダルを大きく報じられる一方で、物価が上がって賃金が下がっても年金が減額される可能性があるという「国民年金法等改定案」について、どれほどの審議が行われ、またどれほどのメディア報道がなされただろうか。

 アメリカの大統領選挙や薬物を使った芸能人の再逮捕がテレビや新聞で報じられている間に、日本国民の社会保障が削られる法案が、環太平洋連携協定(TPP)に次いで「強行採決」された。物価と賃金で下落幅がより大きい方に合わせて年金を減額するというこの法案で、民進党の試算では、2014年に当てはめると国民年金は年間約4万円減少、厚生年金は年間約14万2千円減るという。

 安倍政権は2014年に年金積立金の運用割合を変え、国債を減らしてよりリスクの高い株式の比率を増やしたことで株価を押し上げ、アベノミクスの株高を支えた。2015年度の運用実績は5兆円を超す赤字となったが、安倍総理は選挙前、「5兆円の損失は選挙目当てのデマで、年金額が減るなどということはありえない」とフェイスブックに投稿していたのである。

 韓国で1%の支配者が国政をもてあそんでいることへ国民の怒りが爆発したのは、トランプ氏の当選と似ている。トランプ氏の支持者は繁栄から取り残されたアメリカの一般国民だ。2007年のサブプライム住宅ローン危機に端を発した金融危機で、当時のブッシュ政権は、銀行機関には700億ドルもの資金を投入したが、国民の救済はなされなかった。それが黒人のオバマ大統領擁立につながったが、オバマ政権で利益を得たのもやはりウォール街や大企業だけだった。それに不満を持った国民がトランプ氏に投票したのである。

 アメリカ国勢調査局のデータからこれがはっきりとみてとれる。2000年から2014年の間、所得中央値は減少し、所得が増えたのは富裕層だけだった。トランプ氏はこの解決策として「雇用」を取り戻すこと、そのために北米自由貿易協定(NAFTA)やTPPのような協定をやめ、賃金低下をもたらす違法移民を取り締まり、経済を活性化させるために国内のインフラ整備に投資し、輸入品に関税をかけるといった公約を掲げ、国民はそれに期待したのである。公約をみればアメリカは、多国籍企業を益するグローバリズムから国益最優先へとシフトすることは確実だろう。

 安倍政権は年金だけでなく介護や医療費予算を削りながら、軍事費に大きな国家予算をつぎ込んでいる。来年度概算要求は5兆円を超え、オスプレイなどアメリカからの購入額は2兆円を上回る。日本の国益を差し出して、宗主国に貢ぐというのか。

 しかしそれでも安倍政権は高い支持率を維持しているのだという。アメリカや韓国の国民と違い、日本国民は年金がカットされ国が軍国化しようとも国政に無関心なのか、または支持率がメディア操作によるものなのか、次の選挙で分かるかもしれない。
*****




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。