ある数学愛好者のひとり言

数学好きな私がひとり言をつぶやきます。

擬内積について(4次元ミンコフスキー計量)

2024-06-13 00:00:45 | 数学・数学教育

2024年6月13日(木)

 

 4次元ミンコフスキー空間は、アインシュタイン特殊相対性理論の数学的基礎を与える。特殊相対性理

論は、周知の通り次の2つを公理(原則)としている。

(1)運動は、相対的である。すなわち、物理法則に関してすべての慣性系は対等である。

(2)真空中の光の速さは。光源の運動状態に無関係である。すなわち、光速度不変の原理である。

 特殊相対性理論については、これ以上深入りをしない。専門書やWikipediaなどのネット上の情報を参照に

していただきたい。

 

 本ブログは、ミンコフスキー空間での内積、すなわちミンコフスキー計量について整理したものである。

周知のように、ミンコフスキー空間での内積は、普通の内積の公理を満たさない。そのために、擬内積と呼

ばれている。なお、内積の公理とは、実内積(ベクトルが実数成分の内積)の場合について次を言う。

<内積の公理>

 実ベクトル空間 V (任意のx,y,z∈V)上の二変数の写像 ,V × V → ℝ に対して、

 (ⅰ)<x,x>≧0    

 (ⅱ)<x,x>=0⇔x=0

 (ⅲ)<x,y>=<y,x>

 (ⅳ)<λx+φ y,z>=λ<x,z>+φ<y,z>

を満たす<,>を内積という、

 ミンコフスキー空間での内積は、この内積の公理の一部が満たされないのである。

 

 ミンコフスキー計量についてできるだけ基礎的なことに重点を置いて整理したので、高校生でもよく

読めば理解できると思う。

 なお、本ブログは現在閉講となっている放送大学の2つの印刷教材を参照にした。

   松本幸夫・川崎徹郎著『空間とベクトル'09』(放送大学教育振興会、2009.0329)

   橋本義武著『非ユーグリッド幾何と時空』(放送大学教育振興会、2015.0320)

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 放送大学教材『物理の世界'24... | トップ | 平面上の2つの三角形の面積... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

数学・数学教育」カテゴリの最新記事