経済交流の必要性を否定するつもりはないが、5Gの技術援助を行うことは日本の唯一の同盟国である米国を撃つに等しい行為だ。
2020年03月08日
以下は前章の続きである。
日本が5Gで中国に協力
問題は、「人類運命共同体」構想がとんでもない話だとわかっていても、国際社会が中国に抗えない可能性があることだ。
その一例が5Gになるやもしれない。
4Gから5Gになることで、あらゆるものがネットにつながり、庶民生活のみならず、すべての産業、経済活動、軍事活動が5Gに依存するようになる。
5Gを基盤とするインターネットが構築されれば、それは世界の中枢を担う技術になる。
つまり、5Gを制するものが世界を制するわけだ。
そのことに気がついた米国は、米中貿易戦争をしかけて、ファーウェイ(華為技術)に対する半導体の供給を規制した。
中国は愕然とし、「自前で作ればいい」と技術を盗み、中国産半導体の製造に着手した。
*この時、NHKは、watch 9で、桑子が、米国が(悪いことを)先に仕掛けた等と言い、有馬が、これに頷いて見せたのである*
先述したウイリアム・バー氏は5G分野における覇権争いに強い危機感を抱き、次のように述べている。
「中国はすでに米国製の半導体に替えて自国産の半導体を使い始めた。現在、質的にはこちらが優勢を保っているが、中国は世界の半導体の半分を消費する国だ。製造規模から考えて、質的劣勢は速やかに改善されると思われる」
中国は5Gシェア拡大のために手段を選ばない。
シェア拡大のために1000億ドル(11兆円)を準備し、5G技術によるインフラ整備を希望するすべての国・企業に資金負担なしで世話をし、5万人の5G技術者も派遣する体制を整えているという。
バー氏はこうも語っている。
「戦いは激しく厳しい。5年以内に決着がつく。問題は米国と同盟諸国が協力し、中国に降伏しなくても済むような長期的に強い立場を築けるか、である」
実は今回の新型コロナウイルスの騒動のなかで、5G戦争で日本人が中国に手を貸していることが世界の目に明らかになった。
武漢市は自動車産業の一大集積地で、自動車業界のサプライチェーン(部品供給網)の要だが、一方で半導体産業の中心地でもある。
中部大学特任教授の細川昌彦氏が、こんな指摘をしている。
「先日、武漢からチャーター便で日本人数百人が帰国した。そのうち約半数は自動車関連の従事者であったが、残りの大半は半導体関連の従事者だった。日本の半導体製造装置メーカーの技術者が、そうした工場の建設とメンテナンスにかかわっている。中国は国運を賭けて米国抜きの5G技術のインフラを世界に建設しようと、必要な半導体すべての自力生産を目指している。それを日本企業が助けている」
中国に半導体製造をやめさせることはできないだろう。
なるべく中国の目的達成を遅らせ、時間を稼ぐしかない。
米国がそのように努力しているときに、なぜ日本企業が中国に手を貸すのか。
経済交流の必要性を否定するつもりはないが、5Gの技術援助を行うことは日本の唯一の同盟国である米国を撃つに等しい行為だ。
しかもその撃った弾は、最終的に日本自身をも傷つけることになる。
日本は国益を損なわぬよう、5Gについて戦略を立て直さなければならない。
この稿続く。
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