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国民が今年度に支払う再エネ発電賦課金は約2.4兆円だ…これで削減したCO2が年間0.5億㌧程度では、

2025年06月25日 07時56分32秒 | 全般

国民が今年度に支払う再エネ発電賦課金は約2.4兆円だ…これで削減したCO2が年間0.5億㌧程度では、費用対効果の観点から…しかも賦課金は当面増加することが明らかで、年間4兆円を超えるという試算もある 
2020年06月16日
加えてわが国は、原子力発電所の新規制基準適合審査に膨大な時間とコストをかけ続けている…立地地域の同意も得て稼働した原子力発電所が運転差し止めを求める仮処分により停止する事例も出ている
2020年06月16日
エネルギーは基本的な生産財で全ての製造業の競争力に関わる。安定的で高品質な電力がなければ高付加価値製品は作れないし、将来的に安定供給が確保され、
2020年06月16日
日本国民全員が必読との思いで、敢えてタイトルを替えて3章で発信したのだが。
件の犯罪者の仕業なのか、google内部に侵入した中国のスパイの仕業なのかは知らぬが、全ての章が検索妨害に遭っていた。

以下は今日の産経新聞に、コロナ後の稼ぐ力支える電力改革、と題して掲載された、国際環境経済研究所理事竹内純子の論文からである。
見出し以外の文中強調は私。
日本は今後、どんな産業で食べていくのだろうか。
地下に豊富な天然資源が埋まっていれば考えずに済むのかもしれないが、残念ながらわが国はそうではない。
コロナによる自粛で、国民の命は医療・福祉だけでは守れず、経済活動も重要であると改めて認識されたにもかかわらず、国会でもメディアでも、どう稼ぐかではなく、配分のあり方や手法に議論が偏っている。
本稿では日本の「飯の夕ネ」について考えてみたい。 

日本の「飯のタネ」を考える 

コロナ・ショック前に大きな期待を集めていたのは観光だ。
訪日外国人旅行者数はここ数年驚異的な伸びを続け、平成30年には3千万人を突破した。
しかし訪日外国人旅行消費額は3兆~4兆円と、GDPの1%にも届かない。
不況になれば消費支出の中で真っ先にカットされ、コロナによる移動の減少は長期化する懸念もある。 
農林水産業の成長産業化も議論されている。
この5年で輸出額を約10倍にしたイチゴのような高付加価値商品もあり、農業総産出額は増加に転じている。
第1次産業には国土保全など多様な意義もあり発展を期待するが、就業人数は急速に減少し、現実は厳しい。 
データ・通信関連事業はどうか。
ヤフーや楽天なども事業拡大を進めており、GAFAと対抗するデータプラットフォーマーとなることを筆者も期待しているが、先行者利益が大きいデジタル化の領域でこの体力差をはね返すことが容易でないことも確かだろう。 
それぞれの分野に伸びしろはあるがキラーコンテンツといえるまでではない。
古いといわれるかもしれないが、日本経済の柱として製造業の重要性は変わらないのだろう。
雇用確保の観点からも品質の安定した商品を確実に入手したいという消費者からも、製造業の国内回帰を期待する声は強い。 
日本の製造業は、効率性やリスク分散の観点からグローバル・サプライチェーンを確立してきたが、コロナで、グローバルに分散していることが効率性を阻害したのは皮肉だ。
中略

製造業の国内回帰支える 

しかしわが国の経済を強靭化するには確たる「飯のタネ」が必要であり、製造業は柱の一つと期待される。
製造業の国内回帰には何が必要か。
国内設備投資に対する優遇措置や法人税軽減、労働・環境規制の緩和などさまざまな施策が考えられるが、加えて指摘したいのがエネルギーの安定供給とコストの抑制だ。
エネルギーは基本的な生産財で全ての製造業の競争力に関わる。
安定的で高品質な電力がなければ高付加価値製品は作れないし、将来的に安定供給が確保され、コストが急激に上がることはないという安心感がなければ生産拠点を移す判断はできない。
わが国はエネルギーコストの引き下げを目的として、電カ・ガスのシステム改革を断行した。
自由化以降この数年は電力会社が体力を削り合う形で競争したため電力価格は低下傾向にあったが、自由化を先行的に進めた米国各州や欧州で、自由化によって長期的に電気料金が低下したと評価できる事例はない。
加えてわが国は、原子力発電所の新規制基準適合審査に膨大な時間とコストをかけ続けている。
巨額の安全対策投資を行って新たな基準に合格し、立地地域の同意も得て稼働した原子力発電所が運転差し止めを求める仮処分により停止する事例も出ている。 

エネルギー供給強靭化法 

再生可能エネルギーは国民に負担を求め、自由化市場の外で導入されてきた。
国民が今年度に支払う再エネ発電賦課金は約2.4兆円だ。
太陽光発電の発電電力量が世界第3位にまで拡大したことは成果であるが、家庭では電気代の10%以上、電力多消費型の製造業では電気代の15%、場合によっては25%程度を再エネ賦課金として負担している。
これで削減したCO2が年間0.5億㌧程度では、費用対効果の観点から批判は避けられまい。
しかも賦課金は当面増加することが明らかで、年間4兆円を超えるという試算もある。 
幸い再生エネのコスト競争力は高まりつつある。
主力電源化に向けてやるべき施策は、送配電線の有効活用などに移っている。 
エネルギー問題には腰が重かった安倍政権ではあるが、本国会ではエネルギー供給強靭化法を成立させ、自然災害への備えや再生エネの価格を市場に連動させるなどの改正を行った。
だが再生エネ導入支援施策の変更は令和4(2022)年からとされ、スピードやコスト抑制の効果が十分とは言い難い。
製造業回帰を進めるにはエネルギーコストの抑制は避けて通れず、在宅時間が長くなる今弱者世帯への救済策としても有効だ。 
安定・安価・低炭素なエネルギーがなければ社会のレジリエンスは確保できない。
安倍政権のレガシーとしてこの問題に取り組むことを期待したい。 

    


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