以下は前章の続きである。
礼儀知らずの国
そして中国共産党国家は、今や世界中にその迷惑ぶりを発揮している。
彼らがやることと言えば恫喝と脅し、いわゆる「戦狼外交」だ。
元駐中国大使の垂秀夫が『日中外交秘録 垂秀夫駐中国大使の闘い』(文藝春秋)で、興味深いエピソードを紹介している。
2021年、安倍晋三が台湾の民間シンクタンク主催によるシンポジウムにオンライン参加、そこで「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」と話した。
そしたらその当日、日本大使館に中国外交部から「大至急、垂大使は外交部に出頭せよ」と呼びつけた。
垂はほかのアポイントもあり、しかも、外交部から何度か嫌がらせを受けていたこともあり、放っておいた。
もちろん外交部から「このまま出頭しなければ、垂大使との今後のアポイントメントは全部拒否する」と、いつものように脅してきた。
垂はすぐに行くのも癪に障るし、パーティーの予定も入っていたので、夜遅くに外交部に行った。
出迎えたのは、女性報道官の華春瑩(かしゅんえい)だ。
垂は彼女とはそのとき初対面だったそうだが、華春瑩はいきなり居丈高に「申し入れを行いたい」と言い、抗議の書面を勢いよく読み出した。
20分から30分間読み上げたそうだ。
黙って聞いていた垂は皮肉を込めて丁重に初対面の挨拶をした。
「私はこれまで中国は礼節を重んじる国だと思っていました。しかし本日初めて、私のこれまでの認識が間違っていることがよく分かりました。私が面会を申し入れした時は無視していたのに、自分が必要なときは大至急呼びつける。これが数千年来、礼節を重んじてきた国のやり方でしょうか」と。
抗議をした垂も立派だが、中国人の本性、粗暴さがよく現れたエピソードだ。
華春螢は己の思い上がった対応に恥じたのか以来、垂との一対一の対面を避け続けた。
中国の民は同じ漢人が支配するより、客帝が統治する時代、つまり奴隷にされているほうが幸せだと思っている。
確かに歴史を振り返れば、中国が繁栄するのは客帝のときばかりだ。
習近平はその現実を踏まえて、異民族王朝の業績も取り込めるよう漢民族プラス異民族王朝を併せて「中華民族」と総称して、秦の始皇帝も隋の煬帝も成吉思汗の業績も「漢民族を主体とする中華民族の業績」に仕立てる作業をやった。
だから中原のほかにモンゴル、ウイグル、チベットまで広げた満洲人の清王朝の大版図も「当然、漢民族を中心とする中華民族の版図」に仕立てた。
習近平ほどの詐話師兼地面師をほかに見たことがない。
しかし、そんな地面師の言を世界が信ずるわけもない。
あのバイデンですら、政権末期にチベットは独立させるべきだという決議を通している。
ウイグルについても文化を破壊したことを問題視している。
トランプも今、はっきり習近平のペテンを嫌悪し批判している。
それが世界の対中国観だが、日本だけは違う。
乗り遅れというより、習近平中国の正体も見えていなくて、パンダがまた日本に来そうだと喜び、日本の牛肉輸出が解禁されそうでまた喜ぶ。
先の戦争では日本軍の追及をかわすために黄河を決壊させ、100万の民を溺死させ、世界の注目を集めるためだけに上海市内に800キロ爆弾を落とした。
それが平気でできるのが今、我々が見ている中国人だ。
だから平気でパンダも金儲けの材料にする。
彼らの素顔を見るだけでいい。
彼らの言い分を聞くことはない。
耳を貸せば日本人は騙される。
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