文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

室井佑月 頼りたい、頼れない 5/20号週刊朝日から。

2011年05月11日 12時00分00秒 | 日記
むろい・ゆづき 作家。 1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の『読者による性の小説』に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。著書に『ぷちすとバイパー!」(中公文庫)、『ママの神権卜(講談社文庫)など。

黒字化は芥川。

起こってしまったことは取り返せない。我々大人たちは、自分たちの都合で事実から目を背けてはいけない。こうなったら、どの現場でもそれぞれの大人が、仕事人としてのプライドと良心を持って、未来ある子供たちのことを考えるべきだ。責任を取らなきゃね。
 
農家や漁業者は、安全で美味しい食べ物をあたしたち消費者に届ける、そこにプライドがあるはずだ。
 
教育者は、子供のことを真っ先に考える、そこにプライドがあって欲しい。
 
けど、プライドの持ち方を誤っている人もいる。そういう人たちに、その先の良心を求めても無駄なのだろうか。具体的にいえば、この国の政治家と官僚だ。


…中略

学校に話をすると、「教育委員会が……」といわれた。教育委員会に話をすると、「文科省が……」といわれた。そして、今回の話し合いとなった。
 
文科省が福島の学校をどうするかにあたって、相談したのは原子力災害対策本部だった。そして、原子力安全委員会に助言を求めた。
 
そのことについて、原子力安全委員会事務局はこういっていた。
「公式な会議は開かずに、文科省の通達は差し支えないと、委員5名の総意として2時間後には意思決定を出した」。けれど、「決定に関する議事録は承知していない」とのこと。
 
責任の押し付け合いだ。そんなことをしている場合か。早く、子供たちの安全を確保しろ。
 
市民団体と文科省の話し合いの映像を観ていただければわかるけど、文科省はデータを提出しない、言質を取られないように必死、とても子供のことを考えている人たちには見えなかった。そうそう「持ち帰って相談」という回答が多かった。はじめから親玉を出してこいっつーの。
 
この国は、責任を取りたくない人ばかりで、責任を取る人がいない。つまり、頼れない。

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