野党は、ここで新型肺炎について質問することはせず、メディアの前で自分たちも関心を持っていることを示すためだけのパフォーマンスを演じたのだ
2020年02月28日
以下は前章の続きである。
お得意の役人イジメ
世間の批判を浴びたのは国会質問だけではなかった。
石垣が質問に立ったのと同じ29日午後、国会で開かれたのは安住肝煎りの「新型肺炎野党合同ヒアリング」。
ヒアリングのため野党の部屋に呼ばれたのは、まさに新型肺炎対策に現場で当たっている外務省と厚労省の官僚およそ10人だった。
24時間体制でチャーター機による日本人移送が進められる中、徹夜で勤務していたのだろう、官僚たちの顔は土気色をして、目の下にはクマができていた。
官僚たちの向かい合わせに座った野党各党の議員たち。
テレビカメラが撮影を開始したのを確認すると、国民民主党の渡辺周副代表が役所がつくった配布資料をめくりながら、官僚たちへ質問を浴びせかける。
「PCR検査って何?ローマ字じゃなく、平仮名で言ってよ」
インターネットで調べれば一瞬で分かることを、わざわざ現場から呼びつけた官僚に質問していく。
実に、こうした不毛な“役人イジメ”は1時間15分にも及んだ。
ヒアリングが行われた時間には、すべての閣僚が出席する参議院の予算委員会が開かれていた。
野党は、ここで新型肺炎について質問することはせず、メディアの前で自分たちも関心を持っていることを示すためだけのパフォーマンスを演じたのだ。
当然、こうした行動に対し、「なぜ予算委員会で大臣に質問しないで、忙しい現場の官僚を別で呼んでヒアリングをやるんだ」と各メディアからも厳しく批判されたことは言うまでもない。
後略。