文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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人権弾圧が国際社会から批判されている香港やチベット、ウイグル問題などで、中国政府を積極的に擁護するような発言をしている人物も千人計画の有力候補

2020年07月27日 14時53分27秒 | 全般

以下は前章の続きである。
低レベルの人材はいらない 
北京市大地法律事務所が訳したという中国の公文書がある。
日本貿易振興機構(JETRO)が、同事務所の許可を得てインターネット上に掲載した資料だ。2017年3月28日付で、国家外交専門家局、人力資源社会保障部、外交部、公安部の4つの部門による共同発行の形をとり、十外国人訪中就労許可制度全面実施に関する通知」との表題だ。
指導思想の項目に、こう書いてある。 
「習近平党総書記の重要講話を徹底し、技術革新、協調、緑色、解放、共有という発展の理念を強固に樹立し、「世界中の英才を集めて起用する」という戦略的な思想を実践し、人材優先の発展戦略と就業優先戦略を着実に実施し、『ハイレベル人材の訪中を奨励し、一般人材は制御し、低レベル人材は制限する』という原則を守り(以下、省略)」*この緑色を見て小池百合子の緑色を 
低レベル人材は制限するという表現は、いかにも共産党独裁政権らしい差別的で階級意識の表れた物言いではないか。 
他の部分で目を引くのが、メディア関係者も対象になっていることだ。
これは、中国の政治的なプロパガンダを忠実に実行し得る影響力を持った人材を欲しているとみられる。
人権弾圧が国際社会から批判されている香港やチベット、ウイグル問題などで、中国政府を積極的に擁護するような発言をしている人物も千人計画の有力候補だろう。 
米中両国が知的財産の流出をめぐって激しいつばぜり合いを繰り広げるなか、日本政府も遅ればせながら動き出した。
先端技術の海外流出防止のため、米国を参考に指針を設ける方向で検討を始めたのだ。
科学技術振興機構(JST)など、政府系機関から資金支援する研究室のすべてについて、海外からの資金の情報開示を求める方針という(6月24日付日経新聞)。 
国会でも動きが出始めた。
自民党の有村治子参院議員が6月2日の参院財政金融委員会で、千人計画について、日本政府がどこまで実態を把握しているのかを質した。
政府委員は、日本には何も規定もなく、千人計画と日本人研究者とのつながりは把握していないと答弁した。 
有村氏は、「日本の技術や教育資源によって培われた最先端心術を持つ研究者が、研究技術を軍事転用することを是認し、他国の国家戦略の中枢に担がれ、日本の安全を脅かしたり、防衛力が不当にそがれるようなことがあれば、日本の力が一気に落ちる」などと述べ、政府の無為無策を厳しく批判している。 
歯止めのない頭脳流出は国益を損ねるが、自分の能力を十分に発揮できず、自らの能力に見合った報酬を得られないことに不満を持つ日本人技術者は少なくないのも事実だ。
国も会社も自分の価値を認めてくれないとなれば、自分を高く評価してくれる国家、外国企業に身を委ねようと考えてもおかしくない。 
軍事転用可能な先端技術の流出を食い止めるため、日本政府に訌日本人研究者への重点的な資金援助など優秀な人材へのきめ細かな支援の実施が求められる。
同時に、米国と同様、国から補助金などを得ている研究者には、海外から資金提供があった場合は国への報告を義務付けるなど、法の整備を急ぐとともに、野放し状態で中国などの草刈り場となっている現状を把握し、頭脳流出の作止め策を講じる必要がある。


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