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欧米石油大手も「上流特化」?精製事業など分離模索 4~6月軒並み増益 世界経済変調に備え

2011年07月31日 21時07分46秒 | 日記
日経5面から。

原油高を追い風に、欧米石油大手の業績拡大が続いている。29日までに出そろった大手5社の2011年4~6月期決算は米エクソンモービルなど4社が大幅な増収増益。唯一減益の米コノコフィリップスも前年の一時的要因を除くと実質増益だった。ただ、世界経済の変調など懸念材料も浮上。コノコが精製・販売事業の分離を決めるなど、各社は収益性の低い下流部門合理化の動きを加速している。
 
エクソンの純利益は前年同期比41%増の106億8000万ドル(約8300億円)。原油、天然ガス価格が前年同期より高く推移したうえ、原油と天然ガスの生産量を前年同期より10%拡大したことや、精製部門の利益率改善などが寄与した。
 
他の大手では、液化天然ガス(LNG)の販売を24%増やした英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルの純利益が97%増。米シェブロンも43%の大幅増益だった。一方、メキシコ湾での事故の影響で生産量が11%減少した英BPは最終損益が黒字に転換したが、原油高の恩恵を生かし切れなかった。コノコの前年同期は資産売却が利益を押し上げており、こうした一時的要因を除くと純利益は39%増だった。
 
ただ、先行きには警戒感も出ている。エクソンのデイビッド・ローゼンサール副社長は28日の決算会見で「政府の債務問題への懸念や企業の投資活動の低迷、個人消費減少の結果、持続的な景気回復は難しくなっている」として、世界経済の変調がエネルギー価格や需要に与える影響を注視する考えを示した。
 
大手各社は探鉱・生産の上流部門に比べ収益性の低い下流部門の合理化で体質改善を進める。
 
コノコは14日、12年前半をめどに下流部門を別会社として切り離すと発表。中堅クラスの米総合石油会社で最近相次いだ「上流特化」の流れが、大手の一角に波及したとして注目を集めた。
 
シェルのピーター・ボーサー最高経営責任者(CEO)は28日の決算会見で「考えていない」と下流部門切り離しを否定したものの、今年に入りアフリカとチリの製油所やマーケティング部門を売却するなどスリム化を継続。シェブロンも英国の製油所や給油所を近く売却する。BPは12年までに米国で2つの製油所を売却して米国での精製能力を半減する一方、残る製油所に今年10億ごを投じて設備を更新する。
 
大手で「総合石油」の看板を下ろす動きはいまのところ限定的だが、投資家の間では、原油流出事故後、株価が「同業に比べ21%割安」(クレディースイスのアナリスト、キムーフェスティエ氏)に放置されているBPに対する下流部門分離の圧力が増している。
 
(ニューヨーク=小川義也)

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