文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

日本のみ事実上の原発排除が続き、太陽光や風カヘの投資が続く。太陽光、風力発電で日本はこれまで以上に中国依存を強めることになる

2022年07月04日 20時44分31秒 | 全般
以下は、今日、産経新聞のフロントページに、原発活用 首相は決断を、と題して掲載された、櫻井よしこさんの定期連載コラムからである。
本論文も彼女が最澄が定義した「国宝」、至上の国宝である事を証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
見出し以外の文中強調は私。
世界情勢の激変で、わが国は安全保障政策もエネルギー政策も大転換を迫られている。
3月21日、政府は電力需給逼迫警報を発令した。
6月7日には全国に今夏の節電を要請した上で冬季はさらに厳しいと警告した。
かつて、世界一を誇ったわが国の電力安定供給能力は今や失われ、大停電におびえる国となった。 
元凶は、平成23年3月の東京電力福島第1原発事故後に当時の民主党政権が打ち出した原子力発電の否定と、再生可能エネルギー最優先の政策であり、それを受け継いだ自公連立政権の責任でもある。
岸田文雄首相はドイツでの先進7力国首脳会議(G7サミット)後の記者会見で、エネルギー問題はロシアのウクライナ侵略で生じたと述べた。
しかし、わが国の電力不足はそれ以前からだ。その事実の受け入れなしに、まともなエネルギー政策は作れない。 
共産党や立憲民主党など野党は原発への恐怖をあおり立てる。
自民党内でも河野太郎広報本部長らが反原発を唱え、再生可能エネルギーに前のめりだ。
だが、今は再生可能エネルギーの可能性を認めつつ、安全が確認された原発の再稼働にとどまらず、新増設を打ち出すべきときだ。
世論を恐れるのではなく、国益に基づいた政策を打ち出し、世論を導けるか。首相の見識と覚悟が問われている。 
国際社会は現時点で、再生可能エネルギーヘの過度の依存に危険性を察知しており、グリーン政策への投資は鈍化傾向にある。
一方、投資は化石燃料や原子カヘ向かっている。
ウクライナ侵略戦争で世界の原発重視の傾向は一層強まり、中国は2年ほど前に決定した原発200基の建設に邁進中だ。
フランスは新たに最大14基の欧州加圧水型炉(EPR)の建設を決定し、英国も最大で原発8基の建設を決め、最初の2基には中国資本が入る見込みとなった。 
世界で原発を稼働させ、今後も原発を活用する国は25ヵ国、新たに原発を導入する国はインドネシア、トルコ、ポーランドなど14ヵ国に上る。
日本のみ事実上の原発排除が続き、太陽光や風カヘの投資が続く。
太陽光、風力発電で日本はこれまで以上に中国依存を強めることになる。 
首相は先述のドイツでの記者会見で、記者に質問されて初めて原発に言及した。
原発は安全確保と地元の理解に宣づき「再稼働」し「最大限活用」するとの発言があった。
原子力規制委員会に論点を公表させ、事業者との意思疎通を進め、審査を迅速化させると正論を述べた。 
ただ、首相は今年3月、首都圈での停電発生時、安全が確認されている原発の再稼働を宣言しなかった。
規制委についても首相の言動は一致していない。
エネルギー政策は日本国の浮沈に関わる重大事であり、首相の認識と言行は日本の命運に重なる。
この稿続く。


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