文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

日本は平和である―これ、大嘘…餓鬼大将(アメリカ)がいて、わがヤマトはその御大将に胡麻をすり、守ってもらっているというのが事実

2021年12月22日 16時14分18秒 | 全般

以下は12月20日に発売された月刊誌WiLLの巻頭を飾る大阪大学名誉教授加地伸行の連載コラムからである。
日本は平和である―これ、大嘘。
ま、言ってみれば、餓鬼大将(アメリカ)がいて、わがヤマトはその御大将に胡麻をすり、守ってもらっているというのが事実。 
もっとも、自衛隊は存在する。しかし、諸法律で雁字搦(がんじがら)めとなっている。
緊急事態となっても、こちらから先制攻撃することは法的にできないという話になっている。
向うから攻めこんできて始めて戦うとのこと。 
これでは、下っ端の褌担(ふんどしかつ)ぎが、物真似で、常に受けて立つ横綱相撲をするようなもので、とてもまともな話ではない。 
ただし、もちろん戦争はあってはならない。当り前の話。とすれば、どのようにして戦争をせずに勝つかである。 
それには、いろいろな方法がある。一例を挙げよう。
ベトナム戦争のとき、米軍は現代戦力に依り優勢となった。敗戦必至のベトナムを支援するため、中国は、米軍に対する必勝の策略を立てていた。
それは結局は実現されなかったが。こういう軍略である。
軍服は着るが、武器は一切持たず、両手を上げ、米軍に降参する。その数、1万。そして翌2日目、同様の兵が1万、投降する。
投降兵であるから、食べさせ、住まわせなくてはならない。2万人となると大変。
ところが3日目に、またも1万人が降参してくる。戦略的降伏である。 
米軍はどうするか。
無抵抗の捕虜3万人の宿営を準備しなくてはならない。もちろん食料・衣服も。と言っているうちに翌日、また1万人が着用の軍服以外、無装備で降伏。 
たまったものではない。米軍は、あーもーすーもなくただちに休戦協定に入らざるをえない。 
というふうな軍略を中国側は本気で練っていたのである。
勝つためには、有利になるためには、どんなことでもするのが、中国人の本質なのである。
歴史上のさまざまな軍略を見れば、勝つためには、どのようなことでもするというのが中国人であることがわかる。
とあれば、日本もそれに対抗できる策略を考えなければならない。
ところが、諸意見は、純然たる軍事戦略が大半である。その筆者も、元自衛隊幹部が多い。 
それはそれでよい。しかし、総合戦略としては、まったく別の非軍事的戦略もある。 
それは何か―と書き出して、実は或る自己嫌悪を覚える。
と言うのは、この案、もう数10年も前から何度も書いてきたのだが、政治家、自衛隊等の関係者のだれ1人として、それを取りあげた人はいないからである。 
その意味で、いささか気力を欠くが、お国のため、ここにもう1度述べることとする。ただし、略述するにとどめる。 
では始める。敵を攻めるには、その最弱点を攻める。当り前である。 
中国の最弱点は何か。ずばり食糧それも主食の小麦不足問題である。
中国大陸は長江を境に南北に分れる。南部の主食は米。これは十分にある。しかし、北部の主食の小麦は不足。
近年、小麦輸人量は1千万トン(1億人の1年間の消費量)と公表されるが、私は信じない。
30年前の不足量は3千万トン。ではこの30年間で小麦増産に成功したというのか。嘘だ。
中国の北半分において2千万トンの増産をしたという証拠はあるのか。ありえない。
と言うのは、北方農業の要である黄河の水量が減りに減っているからだ。 
オーストラリアの移民において中国人が激増しているのは、将来、オーストラリア産小麦を狙っているからと断ずる。 
アメリカは軍事力と農業力とが世界一だから強国。中国は農業力不足なので格下。
とあれば、小麦で勝負だ。ここに日本の巨大商社の出番がある。すなわち数10兆円を商社に無利子で貸して小麦を日本が買い占めることだ。
残念、ここで紙数が尽きた。では又。 
古人曰く、籌策(ちゅうさく)(策略)を帷帳(いちょう)(野営の本陣)の中に運(めぐ)らし、〔それを使って〕勝(かち)を千里の外(遠いところ)に決す(勝利する)、と。



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