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日本発の虚構だった  朱益 鍾著(文芸春秋・2420円) 反日種族主義「慰安婦問題」最終結論

2024年06月30日 09時51分42秒 | 全般

以下は今日の産経新聞の書評欄からである。
日本発の虚構だった       
朱益 鍾著(文芸春秋・2420円)

反日種族主義「慰安婦問題」最終結論
本書は韓国で経済史を研究してきた著者が、膨大な資料を実証的に研究し、強制連行など慰安婦問題の大半が虚構と歪曲だと立証したものである。
索引も含め480ページを超す大著だが、その行間からは「これでもか」というような著者の強い思いが感じられる。
この問題で日本を批判してきた勢力の議論が極めてずさんなものだっただけに、ファクトに基づく本書はまさに「最終結論」となるだろう。
慰安婦問題が1980年代から持ち出されてきたのは、私は偶然だと思っていたのだが、本書を読むと、軍人であ’れ官吏であれ業者であれ慰安婦と直接関わった経験のある人間が少なくなっていたことが、逆にプロパガンダの温床を作ったことが分かる。
本書にも度々引用されている西岡力氏が昔から言っていたことだが、慰安婦問題が日本側で作られたものだったことも再認識させられた。 
「従軍慰安婦」は作家の千田夏光の造語だったと聞いている。
「慰安婦」はあっても「従軍慰安婦」という言葉はなかった。
これと「性奴隷」という言葉、吉田清治の「慰安婦狩り」証言、考えてみれば全てが日本発である。 
韓国では、野党などが慰安婦問題について実証的研究すら封じる法律を制定しようとしていると聞く。
一般国民も大多数は慰安婦強制連行を真実だと思っている。
その中で、本書のような主張をするのは大変だったと思うだけに、やり抜いた著者の努力は尊敬に値する。 
一方で、私たちの「敵」がまた別のゴールポストを作ろうとしていることも、肝に銘じておくべきだと感じた。 
「慰安婦強制連行」に疑問が呈されるようになっだのと時を同じくして出てきたのが、軍艦島やユネスコ世界遺産登録を目指す「佐渡島の金山」などを巡る「強制労働」説である。
日本と韓国の左派勢力にとって、日本を攻撃し、日韓関係を悪化させられるなら題材は何でもよいのだろう。
本書を読んで、改めて気を引き締めるべきだと痛感した。 
評・荒木和博


2024/6/29 in Osaka


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