ーーグワダル港の利用は中国にどんな利点があるのか。
「パキスタンは中国と中東や西欧を結ぶ動脈となる。グワダル港はその出入り口だ。中国は港湾の建設に大きく関与したが、それだけでは終わらない。交通、通信インフラも両国で整備する。
グワダルからクンジェラブを経て新疆ウイグル自治区のウルムチ、さらに北京、上海につながれば、マラッカ海峡より格段に短いルートになる」「すでに両国間の道路はつながった。
最優先で必要なのは鉄道で、建設に備え地質や標高の調査を始めた。鉄道の後には石油、天然ガスのパイプラインも予定している。両国政府の最高首脳レベルで話し合っている」
-ーパキスタンの治安情勢には不安かおる。
「問題があっても必ず克服できる」
ー-地域の勢力バランスに影響するだろうか。
「我々は純粋に経済上の狙いで動き出した。ただ、すべての幹線は時間とともに地政学上の意味を持ってくる。上海協力機構(SCO)は中央・南アジアの安全保障で重要性を高めつつあり、中国はその中で最も重要な国となるだろう」