のらさんのうだうだ日和

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「わたしたちの教科書」の話12

2007年06月29日 14時36分59秒 | 2007年04月期ドラマ

木曜劇場「わたしたちの教科書」 {オフィシャルサイト} 最終話・「感動のラスト!!希望の明日へ」(視聴率12.4%、平均視聴率11.17%)

雨木音也(五十嵐隼士)は、兼良陸(冨浦智嗣)を人質に取っている。
兼良の首筋に当てられたナイフ。
大城早紀(真木よう子)「いやああ、耕平!耕平!誰か!救急車!」
床には兼良を助けようとして音也二刺された、加地耕平(伊藤淳史)が倒れ込んでいる。
音也「皆さん!落ち着いて!ちょっと冷静になって下さい!良いですか?これから僕がこの学校のイジメを解決します!」
雨木真澄(風吹ジュン)「音也、バカなまねは止めなさい!」
音也「何も出来なかったあんたに、僕を否定する資格は無いよ!この世界を支配しているのは暴力だ!世界は怒りと憎しみに満ちあふれている!僕がそれを証明する!こいつを殺して!この世界の真実を証明する!」

原告側の証人として法廷に立つ、仁科朋美(谷村美月)。
仁科朋美(谷村美月)「小学校2年生の時に、私が居たクラスに明日香が転校して来ました。明日香が施設に入った後です。」

明日香が転校してきた時の回想。
小学生の明日香「藍沢明日香です。」

朋美「初めて会ったその日から、私と明日香は友達になりました。」

小学生の頃の朋美と明日香は、学校帰りに手を繋ぎ、しりとりをしている。

朋美「朋美、三日月、きりぎりす、水車、シャンデリア、明日香。学校の帰り道に、立ち入り禁止の廃墟がありました。私と明日香の秘密の隠れ家でした。私たちは学校が終わると毎日、そこに行き、日が暮れるまでずっと一緒にいました。楽しい事は全部半分こにしよう。悲しい事も全部半分こにしよう。あなたは私で、私はあなた。ずっと2人で生きて行こうって。子供っぽいかも知れないけど、私たちだけの秘密の約束でした。小学校卒業しても、ずっとそんな関係が続くと思ってました。」
積木珠子(菅野美穂)「変わったのですか?」
朋美「はい、変わりました。」
珠子「どのように変わったのですか?」
朋美「私が、一人の男の子を好きになりました。」
珠子「…」
瀬里直之(谷原章介)「…」
朋美「名前、言っても良いですか?」
珠子「…言えますか?」
朋美「言えます。今は好きじゃないから。」
珠子「…」
瀬里「…」
朋美「兼良陸くんです!」
珠子「!」
瀬里「!」

異変に気付き、職員室に集まってくる教師達。
音也「誰も入んな!」
戸坂篤彦(大倉孝二)「下手に動くな!生徒も近づけんな!」
扉を塞ごうとロッカーを移動しでいる戸坂と熊沢茂市(佐藤二朗)。
音也「そっち行け。早くしろ!」
戸坂「その子を、放せ!」
音也「だったら、あんたがこいつの代わりに死ね!あんたら先生だろう。教師の鏡だよ。世間に祭り上げられて、ヒーローになれるかも知れない。先生なんだったら、生徒の為に死ねるよね!ハイ、手を上げて!」
誰も手を上げる教師は居ない。

朋美「兼良くんの事、好きになった事、私、明日香には言いませんでした。」
珠子「どうして?」
朋美「明日香がまた、一人ぼっちになるからです。あれが私と明日香の間に出来た、初めての秘密でした。あれが、すべてのイジメの始まりでした!」

タイトル

朋美「私は、兼良くんと帰るようになりました。休みには映画に行ったり、遊園地に行ったりして、明日香と過ごす事もなくなりました。ある時、見てしまったんです。はあ、はあ、見知らぬオジサンが、高校生の女の子と、車の中でキスをしていました。はあ、援助交際だと分かりました。わ・私、その人が誰だか知らなくて、気持ち悪いって言いました!はあ、最低だねって言って、兼良くんを見たら、兼良くん泣いてました。」
珠子「彼の、お父さんだったんですね。」
朋美「次の日、兼良くんが私の席に来ました。昨日急に帰ったから、謝りに来たのかなって思って微笑みかけたら、兼良くん言いました。」
珠子「何と?」
朋美「お前、雑巾臭いって!」
珠子「…」
瀬里「…」
朋美「雑巾の臭いがするって言って、私の椅子を蹴りました!クラス全員がそれを見ていて、その日から私のあだ名は、雑巾になりました。私、一年二組のイジメられっ子になりました。」

音也「いじめっ子の為に死んでくれる人、居ませんか?」
真澄「私が代わるわ!」
音也「あんたは黙ってろ!俺はこの教師達に聞いてんだ。八幡先生、だよね。あの人が書いた記録読んだから知ってるよ。あんたさ、何で教師になったの?」
八幡大輔(水嶋ヒロ)「金八先生に、あこがれて。」
音也「金八先生なら、真っ先に名乗り出るんじゃないの?」
八幡「…」
音也「吉越先生。ダメだよ、学校の先生がそんなバイトしちゃあ。」
吉越希美(酒井若菜)「はい。」
音也「熊沢先生。イジメがあるのに、見て見ぬフリをしてたんだ!?」
熊沢「ああ。」
戸坂篤彦(大倉孝二)「業者からお金貰ってた戸板先生。生徒の親と不倫していた大城先生。あんた達は、全員教師失格だ!」

珠子「明日香さんは、あなたがイジメられている事に気付いてたのですか?」
朋美「はい。明日香にだけは、私がイジメられるようになった事情を話しました。明日香は兼良くんと話そうとしてくれましたが、私が断りました。」
珠子「どうしてですか?」
朋美「同情されたく無かったからです。私、見下されてると思って、明日香にひどい事を言いました。あなたみたいな、親も居ない子に同情されたく無い!あなたは、可哀想な子だったから、私には優越感があったから、一緒に居ただけだって。明日香は、何も言わずただ悲しそうにしていました。イジメは2学期になっても続いたけど、私、我慢出来ました。ピアノがあったからです!ピアニストになる夢があったし、ピアノを弾いている時間だけは、イジメられている事も忘れられました。でも、教室で誰かが投げたモップが当たって、指を骨折しました。指が曲がっているのを見た時、直ぐに分かりました。あぁ、終わったんだ。もう、どうでも良いんだって。死のうと思いました。帰りにカッターナイフを買って、誰にも見られないように、久しぶりに秘密の隠れ家に行きました。」

音也「正直に言えば良いじゃん。ホントは生徒より、自分の方が可愛いんだろう。生徒の事なんか大嫌いなんだろう!」
陸「止めて下さい。…悪いのは全部僕です。先生達は、いつも僕達の為に頑張ってくれてました。先生達は、悪くありません。」
音也「ふうん、良く分かってんじゃん。だったら、死ね。」

カッターナイフの刃を出す音がする。
朋美がそれを首筋に当てた瞬間、腕がつかまれ、カッターが床に落ちる。
朋美「明日香!」
藍沢明日香(志田未来)「あのさ、あのさ朋美。」
朋美「何で邪魔するの?邪魔しないで!何で?何で死んじゃダメなの?私が生きようが死のうが、私の勝手じゃん!皆言ってる、死ねって!」
明日香「そんなの」
朋美「もうピアノも弾けないの。生きててもしょうがないの!」
明日香「そんな事無いよ!朋美には居るじゃん、朋美が死んだら悲しむ人、沢山居るじゃん!お父さんやお母さんに相談すれば」
朋美「あなたに私の気持ちなんて分からない!!だったら代わってよ。」

朋美「だったら代わってよ。私の代わりにあなたがイジメられてよって。そしたら明日香…」

明日香「良いよ。」
朋美「えぇ?」
明日香「私が代わる!私が朋美の代わりになる!だからもうそんな事」
朋美「何で?何でそんな事言うの!?」
明日香「だって朋美、約束したでしょ。あなたは私、私はあなたって。どんな事も半分ずつって。大丈夫、私だったら悲しむ人は居ないから。」

涙を流す珠子。
朋美「明日香は自分で噂を流し始めました。はあ、兼良くんのお父さんの事を皆に言いました。噂は直ぐに兼良くんに知れて、はあ、次の日、明日香の机の上には、消臭剤が置いてありました。はあ、私には、また静かな毎日が戻って来ました。はあ、明日香の笑顔と引き替えに…。はあ。ある時誰かが言いました。はあ、藍沢なんて死ねば良いのに。違う!違うの!はあ、明日香は私の身代わりになってくれただけなの、心の中で何度も言いました!はあ、でも、私言えなかった!何も言えず黙ってました。はあ…」
珠子「…明日香さんが、教室の窓から転落した時、あなたはそこに居たと言いましたね。」
朋美「はい。皆、校庭のケンカを見に行ってました。私も一度は外に出ましたが、怖くなって教室に戻りました。明日香、死のうとしてるんだと思いました。」

朋美「明日香?」
明日香「…朋美。」

音也「こいつは、何の罪も無い女の子をイジメて自殺させたんだ。俺が、この俺がその子に成り代わってこいつを裁く!」
加地「はあ、はあ、誰にも、誰にも裁く事は出来ません!」
戸板「加地!」
加地は、起き上がって音也の方に歩み寄ろうとする。
その気迫に押されて下がる音也。
加地「はあ、藍沢明日香は、はあ、そんな事を望んではいません!」
音也「黙れ!」
その瞬間、刃身を両手で掴む雨木副校長。
音也「放せ!」
戸板と熊沢が音也を押さえ込む。
音也「母さん!」
雨木副校長は、両手を血だらけにしながら、首を横に振る。
真澄「誰か!110番を!」
戸板「救急車もだぁ!」
加地「兼良!」
起き上がろうとして床に倒れた加地は、動かなくなる。
大城「耕平!耕平!耕平!!」

朋美「明日香の笑顔は、昔と同じでした。イジメよりヒドイ事をした私に、微笑みかけてくれました。明日香の笑顔を見て思いました。やっぱり私、あの時死んで置くべきだったんだって。」

明日香「朋美。どうしたの?大丈夫?」
朋美「何で?何でそうなの?明日香、あたしのせいでイジメられてるんだよ!どうしたの?大丈夫?なんて、私一度も明日香に聞いた事無かったんだよ!なのに、何で?」
明日香「昨日ね、加地先生に言われたの。私達は、駅伝のたすきを繋いでるんだって。私もさ、朋美からたすきを受け取ったの。朋美と一緒に走ってるんだと思えばさ、全然大丈夫!ねえ、それよりさ、一昨日ね、あそこに行ってみたの。私達の秘密の隠れ家。ねえ、私達、また一緒に…」
朋美が、教室の窓を開ける。
明日香「朋美?」
朋美「ゴメンね。」
朋美は、涙を流しながら、窓に付いている落下防止用の柵によじ登り…、明らかに自殺しようとしている。
明日香「朋美!一昨日さ、私も一昨日死のうと思った!私が死んだって悲しむ人は居ないし、ただ消えるだけだし、そう思ってさ、私秘密の隠れ家に行ったの。でも、死ぬの止めちゃった。」
朋美「…どうして?」
朋美と同じように、明日香も窓によじ登り、柵に腰掛ける。
明日香「私は一人じゃないって分かったの。私にも、私が死んだら悲しむ人が居るって分かったの。」
朋美「友達?」
明日香は首を横に振る。
朋美「先生?」
明日香は再び首を横に振る。
朋美「家族?」
明日香は首を横に振る。
明日香「朋美にもいる。どんな人にも。世界中のどんな人にも!生まれた時からいる!悲しんでくれる人がいる!行き続ければ、いつか気付く。きっと励ましてくれる!だから死なないで!死んじゃダメだよ!生きてなきゃダメだよ!」

珠子の瞳から、涙の粒が零れ落ちる。
珠子「間違いありませんか?死んじゃダメだよと、生きてなきゃダメだよと、…明日香は、言ったんですね。」
朋美「はい。」

明日香「朋美、三日月、きりぎりす」
朋美「水車、シャンデリア、…明日香!」
小学生の頃の記憶が戻ってくる。
明日香「帰ろ!また私達、一緒に帰ろ!一緒に帰ろ!」
首を縦に振る朋美。
朋美は、室内へと戻って行く。
朋美が後ろを向いているその瞬間、室内に戻ろうと身体を反転させた時、濡れた上履きが窓枠から滑り落ちて…。
朋美が振り返る。
けれどもそこに明日香の姿は無い。
外で悲鳴が聞こえる。
朋美「明日香。」

呆然とする珠子。
珠子「自殺では無かったのですね!事故だったのですね!」
朋美「明日香が死んだのは、私のせいです。あの時、一緒に私も死にました。」
原告席から、証人台へと近づく珠子。
朋美「お願いします。私を死刑にして下さい。」
朋美の肩に手を置く珠子。正面から俯く朋美を覗き込むように話しかける。
珠子「これ以上、自分を責めちゃダメ!…朋美ちゃん?」
朋美の顔からは、生気が消えている。
瀬里も異変に気が付く。
珠子「朋美ちゃん?」
呼びかけるが、朋美は反応しない。

1年後
喜里丘中学校にやって来た珠子。
加地「積木さん!」
加地が車椅子に乗って登場する。傍らには大城早紀がいる。
珠子は2人に軽く頭を下げる。
珠子「明日、裁判が結審します!」
加地「はい!」
珠子「調子どうですか?」
加地「彼女に扱かれてます。」
大城「早く治って貰わないと、人手が足りませんから!」

珠子と加地は教室に場所を移している。
珠子は、明日香の座っていた机の上にタイヤキを置く。
加地「雨木副校長以外は、ほとんどの先生方が残ってます。」
珠子「雨木さんは何処へ行かれたの?」
加地「分かりません?」
珠子「そう」
タイヤキを一口サイズに千切って食べる珠子。
加地「正直言って、今もイジメはあります。」
珠子「そう」
加地「ただ、毎回のように職員室の議題として上がるようになりました。毎晩遅くまで大激論です!」
珠子「そう」
加地「時々、想像することがあります。学校から、社会から、イジメが無くなる特効薬を誰かが発明するんです。」
珠子「うん」
加地「その時、学校はどうなってるんだろう、世界はどんな姿をしてるんだろう、僕達はどうしてるんだろうって、想像します。でも、何も思い浮かびません。」
タイヤキを食べ続けている珠子。
加地「頭ん中が真っ白になります。人はこのまま問題を抱えながら、それでも生きて行くしかないのかって!」
珠子「青春ね!」
珠子につられ、加地は微笑んでから、タイヤキを頬張る。
珠子「あなたに聞きたいことがあるの?仁科朋美さんの事!何度か手紙を書いているんだけど、彼女、引っ越したのね。」
加地「僕も、ずっと連絡を取ろうとしてるんですが、きっと仁科はまだ…。」
珠子「心に傷を抱えたままだと思うわ!」
加地「明日、全校でホームルームがあります!藍沢さんの事を忘れない為に、毎年行う事になりました。宜しかったら生徒たちに何かメッセージを残して貰えませんか?」
珠子「私、…!」
チョークを取り、何事か黒板に書き始める珠子。

結審前の法廷。
瀬里「良く続いたな!あの日、仁科朋美の証言が出た時点で君の目的は果たされ、この訴訟は取り下げられると思っていたよ。意地か?」
珠子「あなたの言う通りかも知れない。私のした事は、間違いじゃないか?何が正しのか?何が悪いのか?勝ったら嬉しいのか?負けたら悔しいのか?何も分からない!明日香はこんな裁判、望んでなかったのかも知れない!」
瀬里「被告代理人から一言言わせて貰う。この訴訟は勝敗に関わらず、意義のあるモノだった。君の戦いに恥じる所は何一つ無かった!」
珠子「…不遜な物言いね!」
瀬里「ふっ!開廷だ!」

加地が教室に入ってくる。
生徒達「おはようございまーす!」
女生徒A「これ何ですか?」
加地「今日のホームルームの議題だよ!」
黒板に書かれた文字。
”世界を変えることは出来ますか?”

先生達は、自分の担任の生徒達の意見を聞いている。
男生徒B「出来ると思います!僕たち一人ひとりがそれを信じて、頑張る事が必要だと思います!」
女生徒C「私は出来ないと思います。私達に出来るのは、ただ毎日を大事に生きる事では無いでしょうか?」
男生徒D「僕はどちらかと言うと、世界を変える前に、自分を変えたいです!自分を変える方が難しいと思います!」
女生徒E「この質問は間違ってると思います!人は世界を変えています。私達は生きているだけで、世界を変え続けているんだと思います!」
女生徒F「世界は別に誰のものでもないし、誰かの考えに合わせて変えるとか言うのは、おこがましい気がします!」
男生徒G「答えは、答えはこの質問そのものにあると思います。僕達は社会に向け、自分自身に向け、問いかけ続けるべきです!」
女生徒H「何も、世界を変えたりしなくても、そう悪くはないんじゃないでしょうか?」
男生徒G「ケンカをしてはいけません!人の物を取ってはいけません!物を大切にしよう!…」
この生徒の言葉は、かつて明日香が言っていた事!
明日香「ケンカをしてはいけません!人の物を取ってはいけません!物を大切にしよう!動物や草花を可愛がろう!先生、世界を変えることは出来ますか?」

裁判長「判決を言い渡します。主文、原告の要求を一部を除き棄却する!判決の理由を説明します。藍沢明日香さんに対しては、生徒によるイジメが存在したにも関わらず、被告は適切な処置を怠った物であり、被告に安全配慮義務違反があった物と認めます!しかし、仁科証人の証言によれば、藍沢明日香さんはイジメを苦に自殺した物とは認められず、明日香さんの死亡と、イジメの因果関係は認められません!以上により、明日香さんがイジメを受けた事による精神的苦痛についての慰謝料請求を認容し、明日香さんの死亡についての損害賠償請求は棄却する事としました。」

明日香のお墓にお参りをする珠子。
雨木真澄とすれ違い、互いが頭を下げる。
珠子「あの、今、どうなさっているんですか?」
真澄「不登校の児童を預かる、ボランティア活動をしています。」
雨木真澄は挨拶をして、行きかけて、止まる。
真澄「積木さん。」
珠子「はい。」
真澄「先日、フリースクールをしている知人から、仁科朋美さんの居場所を聞きました。彼女を救えるのは、あなただけです。」

フリースクール”学びの広場”を訪れる珠子。
珠子「朋美ちゃん!」
返事は無い。
珠子は朋美の正面の椅子に腰掛ける。
珠子「あなたに連れて行って欲しい場所があったの!明日香に、会いに行こう!」
朋美、三日月、きりぎりす、水車、シャンデリア、明日香!
朋美の道案内で、廃墟の中を歩く珠子。
落書き、玩具のピアノ、ハンカチが棒に縛ってある。
そこで、壁に明日香が書いた明日香宛のメーセージを見つける。
珠子「明日香より。明日香へ。」

明日香より。明日香へ。
わたし今日死のうと思ってた。ごめんね、明日香。
わたし今まで明日香のことがあんまり好きじゃなかった。
一人ぼっちの明日香が好きじゃなかった。
だけど、ここに来て気付いた。わたしは一人ぼっちじゃないんだってことに。
ここには、8才のときのわたしがいる。
わたしには8才のわたしがいて、13才のわたしがいて、いつか20才になって、30才になって、80才になるわたしがいる。
わたしがここで止まったら、明日のわたしが悲しむ。
昨日のわたしが悲しむ。わたしが生きているのは今日だけじゃないんだ。
昨日と、今日と、明日を生きているんだ。
だから明日香、死んじゃダメだ。生きなきゃダメだ。明日香、たくさん作ろう、思い出を作ろう。
たくさん見よう、夢を見よう。明日香、わたしたちは思い出と、夢の中に行き続ける。
長い、長い、時の流れの中を行き続ける。
時にすれ違いながら、時に手を取り合いながら、長い、長い、時の流れの中を歩き続ける。
いつまでも、いつまでも。

いつの間にか、珠子と朋美の前の壁には、窓の絵が描かれていて、そこから陽の光が差している。
エンディングが始まり、過去の場面に次々と切り替わる。
加地「藍沢明日香さん!藍沢さん?」
明日香「先生、世界を変えることは出来ますか?」
戸坂「二年三組の生徒が、教室の窓から落ちました!」
珠子「まだ分かってないの、あの学校は今、異常事態なのよ!」
珠子「教えてくれる?誰があなた達をイジメていたの?」
真澄「当校にはイジメはありません!学校の問題は、学校で解決すべきです!」
幼い頃の明日香「ありがとう、珠子さん!」
瀬里「今、君のしようとしている事は復讐だ!僕は君にこんな事をして欲しくない。」
吉越「こういう面倒臭いのに巻き込まれるのは凄い困るんですよ!」
珠子「雨木さん、この学校を訴えます!」
山田加寿子(鈴木かすみ)「僕はみにくい、みにくい黒いにわとりだ!」
八幡「また誰か死ぬんだよ!ハハハ」
珠子「分からなくなんか無い!分からなくなんか無いハズよ!」
熊沢「当校には、イジメがございます!」
音也「そんなに悪い奴、死刑になった方が良いと思わない?」
大城「副校長!イジメはあると認めて下さい!」
加地「お願いします!」
珠子「あなたは生きなきゃいけない。彼女が生きるはずだった未来を生きなきゃいけない!」
加地「確かに彼女は、僕の前で笑った事があった!だからもう一度、藍沢の笑顔を思い出したい!積木さんもそうなんじゃありませんか?」

最終話、ほぼ全てのセリフを載せてみました。
感想ですが。
まず、生徒たちのあまりの歯が浮くセリフに、イナイ、イナイと呪文のように画面に向け呟いていた事。
しかも演技出来てないし…。
谷村美月や冨浦智嗣ですら、”演技”が見えてしまうのだから、それだけ難しい話なのでしょう。
そういう意味では、大人たちの演技は素晴らしいものがありましたね!(一部を除き)
リアリティがあるように観せる、そこが上手かったかな!

追記:【参考:6/28(木)】
まるまるちびまる子ちゃん…10回9.5%、平均10.47%
木曜時代劇・夏雲あがれ…9.6%
木曜洋画劇場「マーキュリー・ライジング」…11.5%
K-1ワールドMAX2007世界一決定トーナメント開幕戦…12.0%


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