負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

「神の宣託」という名の巨大なソフトウエア会社がある

2005年01月13日 | 詞花日暦
データベースを作るのは簡単ではない……
当社に追いつくには何年も努力が必要だ
――L・エリソン(オラクルCEO)

 神の宣託という意味を持つ「オラクル」の社名は、一般にはなじみがないだろうか。マイクロソフト社に次ぐ売上げ第二位のソフトウエア開発会社で、データベース分野に特化した技術で急成長を遂げた。日本の大手企業や官公庁のほとんどが、その製品を採用している。
 会長のエリソンが「技術とビジネスの未来」を予感して開発したリレーショナル・データベース(RDB)は、だからワープロや表計算ソフトの比ではない利用効果を上げている。隠れて見えないが、人々の日常生活にそっと忍び寄ってさえいる。
 RDBは多様な情報を相互連結し、情報を蓄積・管理する。たとえば個人のなまえを打ち込むと、住所、生年月日、家族構成から、預金口座、カード利用状況、犯罪歴、交友関係などまで、あらゆる情報が手に取るようにわかる。技術の高さを誇るエリソンが受けた神の宣託は、使い方によると、国民を支配する情報管理にもなる教えであった。なんとも冷酷な神の宣託である。