菅原貴与志の書庫

A Lawyer's Library

法律英語の特色(3)

2012-10-25 00:00:00 | 国際法務

国際法務入門 第26回
 頻出用語の例(上)

 法律英語では、後記(5)(6)のとおり、古語・ラテン語が多用されたり、類義語を重複するために文章そのものが長文化するなど、難解で分かりにくい面がある。また、契約書に使用される英語も、法律用語として登場する場合には、一般的な意味内容と異なることも少なくない。

 契約書に頻出する用語を列挙するならば、次のとおりである(abc順)。

・above, above-mentioned, aforementioned, aforesaid
 いずれも「前記の」「前述の」という意味であり、後記”said”と同じである。

・agreement
 “agreement”には、合意、協定、協約など、広い意味があるが、英文契約書に記載されている場合は、主に契約ないし契約書の意味で用いられている。
 契約を意味する言葉としては”contract”という単語もあり、講学上は、広義の契約(agreement)のうち、法的強制可能(enforceable by law)なもののみを”contract”と呼称している。しかし、契約実務においては、法的強制力の有無にかかわらず、”agreement”の語を用いる例が大半である。

(次回に続く)


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