菅原貴与志の書庫

A Lawyer's Library

準拠法か、管轄か

2011-09-10 09:00:00 | 国際法務
国際法務入門 第9回

 The parties hereto shall submit for all purpose of or in connection with this Agreement to the exclusive jurisdiction of the Tokyo District Court of Japan.
(この契約当事者は、この契約またはこれに関連するすべての目的のために、東京地方裁判所の専属的裁判管轄に服する。)

 契約交渉では、どちらの当事者も、自国の法律を準拠法(governing law)にしたいだろうし、紛争が生じれば、我が方の近くを裁判管轄(jurisdiction)にしたい。しかし、交渉は"power game"である。結局のところ、双方の力関係でいずれかに落ち着くのが一般的だろう。
 では、交渉の結果、準拠法と管轄のいずれか一方を選択できるとした場合、どちらをとるべきであろうか。

 これは"case by case"というよりほかないが、あえて選択するならば、裁判管轄を日本にもってく
ることにこだわるのが得策である。

 ルール(準拠法)は世界共通といった部分もあるが、試合場所であるコート(裁判管轄)は地元のほうが有利に働く。管轄裁判所が直接勝敗に影響すると考えるべきである。

(次回に続く)


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