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ALLIONはありよ~ん:オーディオ界、価格破壊のアンプが登場

2007年12月16日 | Audio
12月15日(土)は、駒込にあるソフィアザールでレコード・コンサートに参加。お題は「この1枚この1曲」。というわけで、私はスパイス・オブ・ライフのまたもや『エンブレイサブル/リーサ』をかけました。皆さんの食いつきをしっかり実感。また呼んでください。
さて、本日16日(日)は、定点観測をさせていただいているジャズ評論家の成田さんのご自宅にお邪魔してきました。
今日の目的は、インレットの改修を行ったサンスイのアンプAU-α907XRの試聴と電源ケーブルのエージング進行の再確認という課題が定点観測的にあったわけですが、実はそれ以上の目的がありました。
  
それは、出水電器の新作アンプの「アリオンAllion」の試聴なのです。そうなんですよ。成田さんは、このアンプをご購入なさるんですねぇ。それも200V仕様の物を。この200V仕様の顛末については後で書きますが、この日は、午前中に到着しましてアリオン導入前の音をしっかり把握するという目的がありました。で、まずはビフォアである今までのセットの音なのですが、インレット改修の効果(電源ケーブルも変わっていますが)がしっかりと出ていまして、過去比から言えば、鮮度が断トツに良くなっていて、旧譜から新譜・新録に至るCD及びSACDの音になんの不満もなく、あのスピーカーから(バックナンバー参照)こんな音が出るというのが、もう不思議なくらいのサウンド・ステージがそこに出現しておりました。取り敢えずの難を無理矢理に言えば、スーパー・ウーハーとKEFとのクロスオーバー付近の音がやや薄いということぐらいで、不満が出るという類の物ではありません。
で、そうこうしているうちに、出水電器社長の島元さんと、オーディオ・ライターの田中伊佐資さんが到着いたしました。
そうなんです。この新作アンプが100V仕様の物と200V仕様の物が聴き比べ可能な状態になったのです。この2台は外見からは、全く区別が付きません。バックにある型番シールのところでその違いが分かるだけ。まぁ、当然かもしれませんけれど。
 
スペックは以下の通り。
ALLION Ultimate T-100
定格出力 100W×2(8Ω)
周波数特性 20Hz〜120kHz(+0,-3dB)
全高調波歪み率 0.1%以下(1kHz 10W出力時)
信号雑音比 85dB
(1V入力 10W出力時 UN-WTD)
寸法 442×370×110
重量 約13kg
至って普通であります。
というわけで、まずは田中さんがしっかりエージングを済ませてくれていた100V仕様から試聴を開始いたしました。
えーーーー。これヤバイです。
もうこのアンプ凄すぎです。半端なアンプでは、ありません。正直申し上げて、私の視線が彷徨いましたから。「目が虚ろ」になるというやつです。目から鱗が落ちるなんていう半端さはないです。その衝撃の凄さに、私は間違いなくポカーンとしていたに違いありません。成田さん、田中さん、私、3人とも絶句・・・。島元さんニヤニヤです。
単純に言えばCDに入っている音をしっかりスピーカーに全部出し切っているという音でしたから。「アンプでマスキングされている感じが全く皆無」ということです。今回はCDダイレクトモードのポジションでの試聴ですが、音のフォーカスがしっかりしていて各楽器が実体のある音になっています。しゃっきりと背筋がしっかり伸びた音なんですね。単純に書くなら、このKEFのスピーカーが大型のスピーカーに一大変身してしまったという感じでしょうか。
『サマータイム/ウィル・ブールウェア』(Eighty-Eight's)のリチャード・ボナのエレベが字義通り「地を這う」という感覚が理解出来る方には、すぐに納得していただけると思いますが、いかんせんあのKEF君(スーパー・ウーハーが付いていても)から出てくる音では絶対にありません。もう一つ驚いたのは、ピアノの音。サンスイのアンプでは、ブールウェアのピアノのスケール感が出ていないことと、高域のメロディー・ラインが滲んで聴こえていたのが、いきなりフルコンサートグランドのピアノが眼前に出現するというこの快感。タッチの明確さ(強靱な)、ピアノのサイズまでもが別物に変身しちゃいました。うーーん、こんなの「無し」です。音の粒立ちなども想像を遙かに超えたところにありましたし、楽器の前後感など音場の再現性は、高級ハイエンド・アンプが可哀想なくらいの仕上がりです。
『ウイ・ゲット・リクエスト/オスカー・ピーターソン』に至っては、エド・シグペンのバスドラムの踏み込みの強弱が手に取るように分かるというのも、新鮮な驚き。ちなみにこの盤を持っている方は、もう一度聴いてください。シグペン先生のバスドラが「トントン」ではなく「ドスドス」と鳴っているかどうかですけれど。ましてやシグペン先生がスティックワークに注力しているので、足を忘れて強弱のシンコペートが弱強になったりシンコペートしたりするなんて思いもよらない聴こえ方です。
そうそう、田中さんが持参されたポール・モチアンの『Garden Of Eden』(ECM)のシンバルの音は、驚異、驚異、驚異。こんな音が出るのか、こんな音に聴こえるのかと呪文のように頭の中で呟いておりました。ミンガス、モンク、パーカー曲のオンパレード。とても楽しめる盤です。明日買いに走ります。ハイ。
この100V仕様のアンプでビックリ(激変ですから)している場合でないのは、分電盤からのラインを200V仕様に島元社長がしてくださり、遂に200V仕様のアリオンの試聴を開始した時に訪れました。これが成田さんの新しいアンプとなるものなのですが、この時点でジェラシーを感じましたねぇ。流石に電器屋さんでございまして、ものの20分もかからずに分電盤直に出ている2本の電源ケーブルの内1本を200V仕様に変更です。そして200Vアンプのアリオンの試聴開始。
とはいえエージングも完璧ではなく、ましてや全く暖まっていないアンプを急に比較するというのも問題ありなので、取り敢えず通電10分(ゴメンね、アンプ君)。その間島元社長からこのアンプのコンセプト、製作裏話などいろいろな情報を頂きました。これだけは書いておきます。「半端な代物ではない」と。もう少し書けば、このアンプに社運をかけていると仰っていました。それは100V仕様を聴いたばかりでさえ、十二分に実感していたので、我々はただ頷くのみ。
さて、200V仕様のアリオンですが、えー、100V仕様というのはいったいなんだったの?という感じでしょうか。100V仕様が直球勝負の若手ピッチャーなら、こちらは酸いも甘いも知ったベテランピッチャーの趣。音自体の発声は明確なのですが、音が非常に柔らかくなって、弾力のある肌触りを持った音に変身しています。音がとても暖かい。そう、それも鮮度はしっかり保ったままにですから、再び口がアングリしちゃったわけです。ましてやこの200Vアンプはエージングが済んでいないアンプなのですから。エージング後が末恐ろしい。これをやられては、その音に降参するしかありません。私の心拍数は明らかに急上昇してしまいました。
その後、島元社長は、分電盤にもう一工夫を加えました。そうなんです。ビス関連を非磁性体のものに取り替えて、克つ分電盤内部の配線を撚るという作業を実施しておられました。出てきた音は、「しなやかに歌って~♪」というもの。私のボキャブラリー不足でありますね。いやはや、恐ろしい世界です。これらのことは段階的に行い試聴する、というのをしてくださったわけです。で、その違いが克明に耳元に届くというのですから、驚きを通して驚愕の顔つきになっていたのは想像に難くありません。
島元社長の音楽的趣味(チューニング)は、バロック音楽がメインだと仰っていましたが、私の印象ではジャズを聴く人にこそベストマッチではないかと思っています。スピーカー・フロントに浮き出して欲しい音像はしっかり眼前に。そして後方に定位して欲しいバック・ミュージシャンはしっかり後方に定位するという、一見なんでもないように思えることが出来ないアンプの多いことを考えるとこの立体的な音像・音場のあり方は、音楽ファンの琴線を揺さぶること必定のアンプであると断言出来そうです。
というわけで興奮醒めやらぬなかで書いていますので、誤字脱字は失礼いたします。
ちなみにこのアンプ、346,000円です。すでに試聴した方々(ブログなど)は、「反則」であると断言しておられますが、正にその通りで、私は「オーディオ界の価格破壊や~」と書いておきます。
いずれにしても、音楽好きには、堪りませんよ。このアンプ。余り知られたくないなぁというのが本心ではありますが、久々の感動体験となりました。成田さん、島元社長、田中さん、今日はありがとうございました。超充実した6時間でした。なんせ3時間ぐらいにしか感じなかったというのが驚き。SD05を聴いたときの驚き、感動が再び味わえたのが最高にして最大驚き。至福の時間でございました。こりゃ、もしかすると禁じ手を聴いてしまったのかもしれません。取り敢えず「アリオンは有りよ~ん!」ということで。
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