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デジタル・ケーブル追記

2008年10月18日 | Audio
エージングを続けていたカルダスのLIGHTNING 15は、その後大変身を遂げていて、非常に滑らかで艶のあるシルキーな響きを身に纏ったようだ。派手な音ではないが、これは音楽を聴くという行為に集中出来る美音だといっていいまでに仕上がった。音のヌケも良く、導入直後と一番違うのは、各楽器の定位のシャープさがしっかり際立つようになったこと。これによりドラムやピアノの実体感が大きく改善されている。当初低域(超低域も)だけがやたらに目立つような挙動がなくなったというのも嬉しい限りだ。
さて、もう一本のワイヤーワールドのGOLD STARLIGHT IIIだが、これは、ほぼエージングが終わったと思われる状態においても大きな変化はない。物凄いセパレーション(微細定位!!)の良さがあるものの、盤によっては高域にややメタリックな質感を感じる時もある。良し悪しはあると思うのだが、クラシックのバイオリン群の高域がどうしてもリアル過ぎて、しなやかさに欠けているような響きが付き纏うことがある。しかしジャズを聴くということに関して言えば、音の安定感(全帯域)がなんとも好ましいものがあり、現在我が家のリファレンスな1本となった。ドラムスのブラッシュ、ハイハットやライド・シンバルなどの空気感は旧録音、新録音の区別無く素晴らしいパフォーマンスを示してくれている。
さて、このところ集中的にエージングに勤しんできたのは、新品となって帰ってきた(!)e-square製のLune Purete(1m)とSoleil Purete(70cm)。そしてオーディオ リプラスのALM500というご太いデジタル・ケーブル。そして最後にMuse cableのシルバープラグ付きの計3本をエージング中だ。
 
e-squareの2本だが、1本目のLuneは修理という名の新品返還(!)。もう1本のSoleilも新品ゆえにエージングが必要だった。最初から鳴ってくれたのはSoleilの方で尺が短い70cmなこともあってか、このケーブルが到着して直ぐに最初からいい音がしたのには驚いた。ジャズだけを聴くというなら、このケーブルで全てOKって感じの音が最初から出たのだ。しかしながらLuneのエージングが進むに連れて音的には追い抜かれていった。Soleilはハッキリクッキリ的美音で、Luneと質感は似ているのだが情報量は少ない。エージング開始時点でも情報量は圧倒的にLuneの方が多いのだが、音的にはLuneはまだエージングが必要な感触があった。しかし、流石に丸々1ヶ月間、これらの新参ケーブルを取っ替え引っ替えしてエージングすると、Luneは、その持てる真価を発揮し始めたようだ。やや籠ったような音だったのが、秋の空のように、クリアにヌケ始めている。音に鮮度があり、かつ音がとても熱いのだ。とても有機的な音がするケーブルとして重宝している。それにしても銀線の嫌な音がしないというのも特筆に値するものだと思う。
オーディオリプラスのケーブルは、中古だが、ほとんど使われていないかの様な音だった。当初はヌケが悪く、細かい音はするものの力感がなく、精彩に欠ける音だったが、これまた一変している。低域の質感も充実し、当初ピアノの音が実に情けない音がしていたが、ここへきて、しっかりとした重量感と高域の力感が出てきた。音場感はCable Linksのイエロー・デジタルと似ており、スピーカーの左右の軸上に音源群が定位するというもの。いわゆるスタジオで聴くモニター的な音がする。ハイエンダーが好きな音かもしれない。左右の音場は広いが、高さや奥行きがでない。逆説めくが情報量が少ないのかもしれない。あるいはもう少しエージングが必要なだけかもしれないのだが。現時点で、相当改善はされているが。
さてMuse Cableは、新品ゆえに一番エージングに時間が掛かった。e-squareのケーブルが新品なのによく鳴ってくれたのとは好対照で、ちょっとガックリしたのも事実。プラグは、銀にしたのが失敗したのかとやや落ち込んだが、これもエージングでヌケてきた。まぁ、かなり聴き込んで購入したケーブルなので、安心していたのがそれが逆に仇になったのかもしれない。ジャズを聴くというのならば、オリジナル通りの金のプラグの方が良かったかも知れないが、音場の広さを活かしてクラシックを聴くためのケーブルに仕上げたかったので銀プラグにした。なお、このケーブル自身は細いので、音圧による共振で音が濁ることがある。で、このラインの一ヶ所にテーピングをして共振を回避することで、音場が一回り深くなることを付け加えておこう。付ける場所で音が相当違うので、カットアンドトライが必要なのだが。
それにしても、この3ヶ月間デジタル・ケーブルを集中的に聴いてきた訳だが、どのケーブルにも聴き所があって「ザ・ベスト」を決めかねているというのも事実。
安心して聴けるのがワイヤーワールドで、コッテリとした音楽を聴きたい時にはe-squareのLune、サッパリとした質感でクラシックやアコースティック・ジャズを楽しむならMuse Cableというところか。なおオーディオリプラスのケーブルは、感触的にまだエージングが必要かもしれない。


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