スピーカー編に続いてアンプ編で行ってみようと思う。
それにしても買ったアンプをかなり忘れているものだなぁ。ましてや型番なんか忘却の彼方なわけだし。それを騙し騙し思い出して書いてみよう。
最初にコンポーネント・ステレオを導入したときに買ったのは、Sonyだったと思う。この時のものはF-333(かなぁ?)。型番の後にアルファベットが付いていたような付いていなかったような。まぁ、その位の認識なのだ。
やや順不同になるかもしれないけれど、次がサンスイのAU-6600か、あるいはAU-666だった(様な気がする)。これはなかなか分厚い音がしていて、好きな音質(音色)だった。「ステレオ」を聴いているっていう気にさせてくれた最初のアンプでもある。1970年代の頭の頃の話だ。この間、前後するがNECのA-10も家にいたし、ヤマハのA-1もいた。NECは超重いアンプで無骨な顔をしたアンプだったが、そのフェイスのままに音楽を骨格から聴かせるという感じでまさに骨太な音だった。片やヤマハはといえば、“ナチュラル・ビューティー”と言えば誉め言葉となるが、線が細くて柳腰の音だった。でも、どちらのアンプも捨てがたい魅力はそれぞれにあったのだけれど。
さて次は遂にセパーレート・アンプの登場となる。この頃はオンキョー大好き人間になっていたので、まずプリをP-306とパワーP-507で組んだ。その後、プリをP-307にしたりパワーをP-509にしたりしている。その後プリをP-309にした。スカッと伸びやかな音、いわゆるレンジの広いアンプではなかったが、暖色系の音色と粘りのある低域が魅力というオンキョー・サウンドを醸し出してくれていた。基本的に聴くのはロックやジャズだったから、このオンキョー・サウンドは、僕自身結構嵌った。そういえば、今で言うエージングがあまり必要でないアンプでもあった。なおサンスイのアンプも最初の導入段階でかなりいい音がしていた。勿論本当にいい感じになってくるのは、3ヶ月から6ヶ月後だったが、「え?どうしてそんな音なの??」みたいなことはまったく無かった。なお、この時代に友人からYamahaのC-1a(プリ)やテクニクスのパワーSE-A100なども、うちに間借りしに来ていた。綺麗な音なんだけど・・・・。(しかし、どれもメーター付きですね。流行だったし、好きでした)
次に購入したのは、なんとプリメインなのである。セパレート街道まっしぐらだといいのだが、そうはならなかった。当時有楽町にサウンドハウスの店舗があった。そこで聴いたのが運の尽きで、トリオ(当時)のケンウッド名義のL-02Aを買ったのだ。またこの有楽町にトリオのショー・ルームがあったことが購入動機としては大きかったのかもしれない。このショー・ルームに足繁く通い、かなり長い時間、何度も何度も聴かせていただいた。ましてや当時のショー・ルームにおられた担当の方が、めちゃくちゃに親切で、何時間いても嫌な顔をせず、質問にも答えてくれた(そこにいた女性の人も親切だったなぁ)。というわけで、このショー・ルームでこのL-02Aをとことん聴いてから購入と相成った。まさに納得して購入したわけである。
しかし自宅へ持ち込んで聴いて愕然とした。JBLがまるで鳴らないのだ。当然のことながらいろいろなことをやった。それでもまともに鳴らなかったのである。そうなのだショー・ルームで鳴っていたようには・・・である。聴き続けて3ヶ月、6ヶ月と月日は流れたけれども、エージングによる改善は遅々として進んでくれなかった。そんなことをしているうちに突然壊れた。それもあっけなく壊れた。カチカチ病と呼ばれたリレーがおかしくなったのだ。そこでショー・ルームの担当責任者の方(その頃にはとても親しくさせていただいていた)にお願いして直していただいた。第1回目の修理である。もちろん保証期間内のことだ。
このL-02Aはトータルで3回修理に出している。リレーの全取り替え(2度!)、電解コンデンサーとフィルム・コンデンサーの交換、パワー・トランジスタの交換など、「オイ、オイ、本当に大丈夫かい?」というぐらいに修理を行った。今だから言えるのだが、実は全部「無料」だった。最終修理は購入からほぼ4年後ぐらいのことなのだから、保証期間はとっくに過ぎている。ケンウッドさんの当時のフラッグシップであったアンプだけに、手厚い保護を受けたアンプともいえるが、今思い返しても本当にありがたい話ではある。
で、音はどうなっていったかなのだが、購入当初の音は、線の細い力感のない音だった。これには愕然とした。それが上記の修理度毎に音が良くなっていったというのも??な話である。普通はパーツを買えたら音が悪くなったという話はざらにあるのだが、まったくその逆だったわけである。今思にしてえば、最初の部品は耐久性のないスイッチングリレー(当時最新テクノロジー)を使っていたのかなぁと思う。激変したのは、当然といえば当然なのだがパワー・トランジスタを交換した時だ。別物のアンプ?という変貌ぶりだった。そうそう思い出しました。パーツ交換だけではなく、全面的なメンテナンス(掃除と再調整も含む)もしてもらっている。3度も出しているのでいつもピカピカになって戻ってきていたなぁ。ありがたや、ありがたや。
というわけで、4年目からは快調、快調ということになった。素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれるアンプに変貌していったわけである。低域から高域まで筋金が入ったような音と言えばいいのだろうか。かなり強烈な音も出るアンプに変貌した。まさに豹変と言っていい。ただし冷徹なまでのクール・トーンであるのは最初から変わっていない。響きの良い鋼(はがね)をガツンと叩いたような音である。けして鉄板でもないし、響きの良い木を叩いたような音でもない。ましてやこのアンプはスピーカーを選ばないのに驚いた。こう書けば格好がいいが、スピーカーさえもこのL-02Aの音に染め上げてしまうようなところがあったわけである。そこがこのアンプの最大の魅力でもあるのだが、これが駄目な人はまったく受け付けないような音なのだ。
というわけで、非常に愛着のあるアンプであるのだが、このアンプが沈黙していた時代もあるのは、前述の通り。この4月から再び大活躍しているが、いかんせんお爺ちゃんアンプであり、現代的な意匠を施したアンプとはまるで違うはずで、いま浮気の虫が騒いでいる。この結末はいずれ。
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古いアンプを安心してリペアして貰える素晴らしい修理屋さん
古いアンプが息を吹き返すって素晴らしいことだと思いませんか?
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ここで評論家の児山紀芳さんが、レコードコンサートをやっておられました。
本当は、オンキョーやケンウッドに行かなければ、今もサンスイ・ユーザーだったかも。
その位にサンスイは好きです。
私は最初はパイオニアの何か。30年前のことなので。当時はスイッチ&グミック+SN否、歪率 命的なカタログ多かったですよね。
ちなみに
伊藤氏は現在 環境系の会社を運営されています。
http://www.zephyreco.co.jp/index.html
ちょっと有名な会社です。
素晴らしい製品を出しています。クラフトマン
の意地を感ぜざるを得ません。
僕もサンスイには友人がいました。
どうされておられるやら。懐かしい想い出です。
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imazeki-san
そろそろアンプも触ってください。
とても期待しています。
ケニーGは、楽しく拝見しました。
あのウーハーは、制動をかけてなかったような記憶があるので、かなり動いていいウーハーでなかったでしょうか。動かないとストローク取れないですし、低音が出ないですからね。サンスイのこのアンプなら、いい音出たでしょ? 名器ですね。アンプもスピーカーも。