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今日は朝からビル・エバンス

2006年05月21日 | Jazz
ステレオ全体の調整を取るために朝からエバンスを聴いている。課題はどこまで音質の違いが分かるのかに絞って聴き始めた。とは言っても、ヴァーブ盤でかつトリオだけの盤の連続試聴なのだが・・・。
    
手始めは『EMPATHY』から。1962年8月14日録音ということで、私の誕生日の録音(年度は違うけど)。そんなことはどうでもいいか。まずはインナーの写真を見て頂きたい。ゲルダー・スタジオでの録音風景が載っている。こういう風に録っているんだなぁというのが良く分かる写真ではあります。それにしてもスタジオの隅で録っているなぁ。ドラムのマイクアレンジとベースのセッティングはとても分かり易い。ピアノは写真が切れているから分かりにくいが、間違いなくかなりのオン・マイクのアレンジには違いない。
この盤は何度聴いても、どうも好きになれない。3人がちぐはぐに聴こえる。纏まりがまるでなくて、一人一人がゴーイング・マイ・ウェイというトリオに聴こえる。ゲルダーはシェリー・マンの音をこう録るのか、というのが分かるのは<グッドバイ>で、演奏的にも録音的にもこれがベストかな。
次は『Trio Live』。邦題は『ラウンド・ミッドナイト』。ジャケット写真はタウン・ホールの焼き直しってのも問題だが、この盤は結構好きで良く聴いている。タウンホールの写真を使っているけれど、サンフランシスコ対岸にあるソーサリートのトライデント・クラブでのライブ録音。バンガードの名盤と比べて拍手の数も多いし、音を聴いても結構広そうなところであることが分かる。エンジニアはウォーリー・ハイダー。ジャズ・ファンにはあまり知られていない人かも。まず彼は西海岸ではモービル、すなわち録音車で録音の仕事を行うエンジニアとしても知られている。もちろんスタジオ持ちで、ジャズ・ファンが知っている盤を挙げるならばUA盤の『ThreeBlindMice』やMuseのソニー・クリスなどや70年代のブルーノート盤の幾つか(ホレス・シルバーなど)が彼のスタジオでの録音。ロックでは有名で、ポール・マッカートニーの『バンド・オン・ザ・ラン』やクロスビー・スティルス&ナッシュの盤、それにジェファーソン・エアプレーンとかフランク・ザッパ、グレートフル・デッドなどロックの貸しスタジオとしてもかなり使われている。そういえばサンタナの『アブラクサス』も彼のスタジオでの吹込みだ(紙ジャケ最高!です)。(閑話休題)
しかしこの盤、音はかなりいい。特にバンカーのバスドラのボリューム感、イズリールズのベースの沈み具合は、かなりのもの。細かいパッセージも良く拾われている。お勧めの1枚。
   
次は『TRIO 64』。僕自身はゲイリー・ピーコックを聴くために買った盤。64とはいっても63年末録音。どうりで<サンタが街にやってくる>なんてやっているわけだ。この盤、演奏は好きだが、選曲がジミ?である。音的にはゲルダー録音でないのが幸いしたのか、ちょっとシックでクールな響きを持った盤でややタイトな録音。エンジニアはボブ・シンプソン。全体にシャープ(細身)な録音なのでピーコックのベースも細かいパッセージが良く捉えられている。でもピアノがドライなので、エバンス聴きにはちょっと面白くないかも。
次は『Trio '65』。スタンダード・ナンバー勢揃い盤なので、本来何度も聴いていてもおかしくない盤だが、なぜか聴く頻度は低かった。エバンスの十八番揃いという演奏なので何も言うことがない。名盤だと思う。『トリオ64』の後にこの盤を聴くとホッとするのは、エア・ボリュームが聞こえてくるからか。クールな64に対してホットな65というところだと思う。
僕のベスト・トラックは<我が恋はここに>。ピアノに艶がある録音だ。それにしてもこの盤、1日録りなのにやけにバラツキがある。これは推測だが、マイクの位置決めが難航したのではないか。ダメ曲は<ハウ・マイ・ハート・シングス>。3分を切る演奏で、演奏は素晴らしいが音が・・・止めておこう。
    
次は『at Town Hall』。この盤はよく聴いた。でもアナログ盤とCDとでは、まるで受ける印象が違う。アナログ盤はライブ録音とはいえ、トータルアルバムの感がある作風(作品)なのだが、CDでは曲を追加して、単なるライブ盤となり下がった。拍手の量からしてもホール録音だが、演奏にはホール録音のボリューム感がまるでなくてスタジオ録音のようでやや無機質な音がしている。アナログでの5曲は、エバンスの演奏もいつもとちょっと違うぞ的な雰囲気で、裃を着けて居住まいを正したかのような演奏に聴こえる。特にピアノ・ソロは端的で、エバンスのソロの中では一番好きな演奏だ。ピアノに向かうエバンスの真摯な風情が伝わって来て感動的ですらある。
音はどうかといえば、まずインナーの写真を見ていただきたい。正統的なホール演奏会定番の位置関係となっている。先に無機質と書いたが、よく言えば端正な録音。しかし僕の耳にはロー・カット、ハイ・カットのような音に聞こえる。この頃の録音としては珍しくピアノがセンターで、やや位相を付けて大きめのピアノを演出しているが、スケール感がない。ドラムも単モノがはっきりしたものだし、ベース・マイクがピアノの音を拾っているようにも聴こえる。いずれにしても大ホールという空気感がまるで感じられないのがこの盤の弱点。
なお、追加曲の音はマスタリングが違っているのか、同一録音日なのに、音は違っている。こちらの方が鮮度が高く演奏も派手に聴こえる。
さて、今日のエバンス聴き最後は、シェリー・マンに始まり、シェリー・マンに終わるということで『A Simple Matter Of Conviction』。4年を隔てて再びシェリー・マンと競演。この後、エバンス・トリオのレギュラーになるエディ・ゴメスとは初共演盤。この盤は僕は苦手である。ピアノ・トリオに一体感(ユナイト)を感じたい(シンパシー)人なので、どうしてもこの盤では三者三様の様に聞こえてしまう。マンは「エバンスに合わせてプレイしているモンね」といいつつ、あかんべーをしているように聞こえるし、ゴメスも気負い立ったはいいけど、引きどころが分からなくなっちゃって「僕そのまま行っちゃうモンね」という風な演奏に聴こえてしまう。
さて音なのだが、僕の持っている盤が悪いのか、どうも精彩がない。ゲルダー録音なのだが、音に“切れ”が感じられない。ベースに至ってはやたらにフェーダーを動かしているようなところもある。ただしマンのドラムはブラッシュも含めて流石ゲルダーとは思わせるし、エバンスのピアノもいつものゲルダー・ピアノだ。音の厚みはある方だと思う。いずれにしても音の良さそげな24ビットCDなどの盤を買って真偽を確かめてみたい。

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3 コメント

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今晩は! (kuiren)
2006-05-22 22:38:01
長い放浪生活から先程帰着して久し振りに自宅で音楽を聞いています。やはり自分の家で聴く音楽は落ち着いて聴けるだけでも素晴らしいです。



ビルエバンスの“TRIO 64”は確か高校3年か大学1年かに買ったのですが、一度か二度聴いただけであまり聴かずにおりました。当時はエリックドルフィーが好きでこんな演奏をする奴は他にはまずいないぞ~という感じでそれと比べてビルエバンスを軽んじている部分があった自分の青さが恥ずかしい想い出となっています。



以前にご指摘いただいたAXIM80はあまりボリューム上げると痛める恐れがあるとの事でしたが、少し心配になって確認しましたが6RA8管アンプでは一杯に上げても保護回路があるから大丈夫との事でした。他のアンプではやばい場合があってコーンが揺れて痛む事が多々あるとも聞きました。
お帰りなさい (Sugar)
2006-05-22 23:40:16
Axiomは、例えば、音量をある程度上げていて、レコードの針を落とすと「ボツン」っていいますよね?

その時、サブソニックを効かせていれば、いいんですが、そうでないとストロークを取ろうとするので、痛みやすいです。

何人もの方が、これで死期を早めているんです。

kuiren-sanのような使い方なら大丈夫ですけど。

みんないい音なので、ついつい音量を上げて聴いている時、忘れてやっちゃうんですね。
安心しました (kuiren)
2006-05-23 10:13:03
>レコードの針を落とす時

私は針を落としてからボリュームを上げます。そうしないとスピーカーもアンプも心配です。



例えばレコードの無音の溝から有音の溝へ入った時もこちらの耳には聴こえませんがアンプのメーターは振れていますから結構な衝撃があるんだと思いますので、より慎重を期して取り扱っています。



>ついつい音量を上げて聴いている

おっしゃるとおりです。ついついとなりますね(笑)

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