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恐るべしCX-1といってもフジじゃないし、ホンダでもない

2007年10月07日 | Audio

このところオーディオ熱も過熱気味のジャズ評論家、成田正さんから、嬉しいプレゼントが舞い込んできた。
すでに成田さんのご自宅訪問記は、何度か当ブログでもご紹介させていただいているが、どうもこのところ物凄いグレードアップが計られているようだ。その中にスーパーツィーターの導入というのがある。そう、ご存じムラタなのだ。まだ残念ながらこのツィーター装着の音は聴かせていただいていないのだが、どうやらドツボだったようで、高域改善という以上に低域改善されるとのお話だった。
さて、ムラタのツィーターには、どうやらプレゼント企画のようなものがあり、付属にスピーカー・コードが付いてくるようなのだ(たぶんキャンペーン企画)。それを今回、ちゃっかり頂いてしまったというわけ。超うれしい。スピーカー・ケーブル換えたばかりだというのに。
 
今回は、このケーブルを集中試聴しようという企画。
そも、このケーブル、オマケというには、凄すぎる。その実体は三菱電線工業の新素材D.U.C.C.導体を使ったCX-1なのだ(村田製作所のキャンペーン用に開発したとも書かれている)。このケーブルは実際スピーカー・コードとしても販売しているようなのだが、どう見てもいわゆるライン・ケーブルなのである。+側の心線が単線であり、回りをぐるっと囲んで同軸のように-側が配置されている。ゆえにスピーカー・ケーブルとしては、縒り線が2本入っています的な作りではない。三菱電線工業のHPには「スーパーツィータやバイワイヤリングの高域用スピーカーケーブルとしてご使用下さい」と書いてあるのだが、それは上記の理由によるところが大なのだろう。
さて、土曜日から導体を剥いて結線。第一声から、実にスムーズな音を聴かせてくれる。Zu Cableとはえらい違いだ。当然ケーブルなのでエージングしていくと音が変わってくるのはご同慶の至りではある。一番変わったのが、低域の拡大だった。まぁ、凄い重低音が出るケーブルに大変身するのだが、量より質という喜ばしい音で、これが実に滑らかな低域なのだ。各楽器ともに共通して聴こえてくるのは、上下方向への倍音の乗せ方だ。例えばピアノ。単音を弾いても両端への倍音がしっかり乗る。ゆえにピアノの大きさが物凄くよく分かるのだ。ベースでいえば、胴鳴りがこんなに聴こえるケーブルは、先日k1xv1xさんが持参してくれたエソテリックのインターコネクト試聴以来の出来事だった。
当初は、ピアノの音にやや寸づまりの感(コーコーという付帯音)があったが、なんと1日にして“濡れ艶音”に大変身。こりゃちょっとヤバイものを聴いてしまったという感覚を味わっている。特に中低域の滑らか感というのは、アクロス2000でも味わえないようなマジックにも感じるし、いわゆる銅線一発的ケーブルでは、到底なしえないパフォーマンスのような気がする。7Nクラス高純度銅というのは、あながち伊達じゃないかもしれない。なにしろ今まで聴こえなかった重低域の部分(100Hz以下)もファンダメンタルとしてしっかり再現されるようになっちゃいましたから。うちのOpusでは、不可能と思われていた低域なんですね、これが。
ところが、大いなる問題も派生している。50年代60年代のナロウな録音の盤では、あまりにストレートの音を出すからか、音の悪さがモロに出てしまうのですよ。いわゆる往年のブルーノート、プレスティッジというレーベルの、ゴリゴリした音が、あまりに素っ気ない音として再生されてしまうわけ。なんと言えばいいのだろうか。非常にノイジーに聴こえてしまうという感じかなぁ。素材が真面目だからこの辺の音を巧くデフォルメしてくれないのだ。
80年代以降の最新録音には、なんの問題もない。いや、このケーブルの方が10倍楽しめる。この滑らか感というのは、病みつきになりそうな音なのだ。これで、またデジタル・ケーブルで落ち所を探さなくてはならないのかなぁ。まぁ最後の手段で、バイワイヤにするという手もあるのかな。高域側をSaint Julian。低域側をCX-1という感じにする(あるいはその逆かもしれない)のが賢明かもしれないが、どうにかしてこのループを抜け出す方法を見つけ出したいと思っている。
というわけで、お決まりになった感のあるやり方だがスピーカー・ケーブルをSaint Julianに換えて見た。そうそうこの金っ気のある音ですよ。なんというか中高域が厚い音、これだと昔の録音は楽しい。とはいいつつ、やっぱり最低域の音が出ない。トレードオフの関係なのかなぁ。恐るべしCX-1という感じだ。
ということをやっている間に、あることを思いついた、これは相当いい感じになるんじゃないの。ということで、続編に続く。



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