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サラにマルガリータ、侮れない女性ボーカル2作

2007年05月06日 | Jazz
「これも聴きなはれ~」という感じで手元に送っていただいた盤が2枚。
1枚はサラ・ガザレクというシンガー、もう一つはやや舌を噛み切りそうなマルガリータ・ベンクトソンというシンガーの作品です。
どちらも女性ボーカルなのですが、これがとても妙~な雰囲気を持った盤2枚なのでご紹介いたしましょう。
前者のサラ・ガザレクの盤は、すでに日本でも発売されているデビュー盤『ユアーズ』(西海岸のクラブ、ジャズ・ベーカリーでのライブ作もあるのですが)の次にリリースされる予定の盤でタイトルは『リターン・トゥ・ユー』。
ジャズじゃないと言えばその通りだし、ジャズだと言っちゃえばジャズなのかもしれないというその「浮遊感」がとても素晴らしい作品だと思います。僕はたぶんそのスイートな「声」にやられたのかもしれないのですけれど・・・。バックはしっかりとしたピアノ・トリオ、でも出てくる音は、上手く言えないのですがフォーク・フレーバーがタップリという感じで、そこがこの作品の聴き所なのかもしれません。OMAGATOKIから5月23日発売。
注目なのは、録音エンジニアとマスタリング・エンジニア。録音はジョエル・モス。そもそも40年代からTVの“音”方面の仕事をして、その後、映画のサウンド・エンジニアを相当長く行っている人。グラミーも取っている大ベテランなんですねぇ。なんか聞いたことある名前だよなぁと思っていたら、ピアノのビル・チャーラップのプロデューサーとしてしっかり載っているじゃん!と気がついたんですが。それにしても探すといろいろ出てくるものです。リッキー・リー・ジョーンズなんかも彼がやっているんですね。そしてマスタリングがバーニー・グランドマンという布陣。そう、判る人には分かる人選。ハイ。音がめちゃくちゃリアルです。
たぶん今年夏以降のオーディオ・フェスタ系にはかなり使われるんじゃないでしょうか。グランドマンのマスタリングでベースが弾けて(はじけて)います。サラのボーカルは超リアルです。試聴はここで。
さて、後者のマルガリータ・ベンクトソン盤は、昔々「ザ・リアル・グループ」ってボーカル・バンドがありました。マルガリータ(どうもお酒のようで、なんなんですが)は、そのバンドのリード・ボーカルを務めていたお姉~様。このバンドの名前は覚えていましたが、マルガリータは覚えてませんでしたねぇ。彼女が独立(?)してソロ歌手に、という感じでしょうか。ソロ・デビューといっても41歳。うーむ。ジャケットも渋いですねぇ。
でもです。取り敢えずその声を聴いて欲しいんですね。もうウットリなんですから。ぜひここで試聴を。6曲が聴けます。欧州では昨年10月にEMIから、日本ではスパイス・オブ・ライフから5月23日リリース。
こちらは、ジャズとボサノバの名曲集といった趣で、ひたすら謹聴です。そうなのですね。これまたとんでもなく音のいい盤です。声のリアルさ、バックのサウンドなど、ゾクゾクものです。総勢30名からなるスウェーデンのミュージシャンの素晴らしさがこの1作で分かる!と言ったら大袈裟でしょうか? そのくらい演奏、そして彼女の歌が、とても素晴らしい作品です。
さてこの2作、内容は全く違うのですが、その「声」が実に色っぽい。今日なんか3回も聴いちゃったし。久々にボーカルにドップリ浸れる1日でした。