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ポケットにパク・ヒョシン 🥨

ロバートヨハンソン演出家 インタビュー ⑵

2018-07-05 19:15:12 | 笑う男


ロマンスと社会ドラマの間の均衡が重要だったのに
中心はラブストーリーです。基本的にこのミュージカルはお互いに愛し合っているグウィンプレインとディア、彼らを幼い時に引き取って育てたお父さん的存在のウルシュスの話です。ウルシュスは「愛は苦難でいっぱいでその中で出来ることは生き残ることだけだ」と思っています。そしてやはり、グウィンプレインはディアと一緒に暮らしながら愛することを学びます。血の繋がりはないがお互いに深く愛を育み、世間に立ち向かう3人は明らかに家族なのです。


当時のイギリス🇬🇧は現在の世界と妙に似ている
原作小説の「富める者たちの楽園は貧しい者たちの地獄の上に作られた」という有名な一節があります。この小説を書いた時ユゴーは共和制を擁護して追放になりイギリスに亡命した66歳の老人でした。野心に満ちた青年作家の時に祖国フランス🇫🇷で書いた《レミゼラブル》に比べるとストーリーもキャラクターももっと深いんです。当時のイギリスは400人余りの高位貴族が全てを統制していました。権力と富を独占した1%でした。主人公グウィンプレインは不条理を黙認した人々の目を覚まそうとする。持っているものを分け与えて他者を助けたら世界はより生きる価値があるだろう。人間はもっと大きな共同善を追求する責任があります。美しい愛、そして富者と貧者の対立、この二つがストーリーの核心です。

けて救済したら、世界はより価値がある場所

富める者の楽園は貧しい者の地獄というのは随分と極端ではないですか
富者だから悪いのではありません。この作品の根本にはもっと沢山の富を持っている子どもが良い方向に導いて行けば亀裂を防ぐことができるという考えが下地になっています。世界には必要なコトがもっとあるのに助けないせいで飢えて苦痛を受ければ、それはもっと大きな悲劇ではないですか❓

最近はバッドマンのように善悪が曖昧で反英雄が人気です。善・悪・美・醜・支配・非支配のような対立構図はちょっと古くではないですか
そうではありません。グウィンプレインは単純な英雄、一方的にいい人ではありません。愚かで傷も多い。誘惑も受ける。ディアを愛していながらも自分の容貌をあざ笑わずに関心を持ってくれる貴族の女性ジョシアナに出会い火花が飛ぶように惹かれる。あちこち迷いながら自分探しをするのです。ジョシアナも男を堕落させる単純な悪女ではありません。グウィンプレインに出会い新しい運命を探そうとして成熟していきます。全てのキャラクターが多層的です。純粋そのものなのはディアだけです。

グウィンプレインは顔が怪物で、貴族は内面が怪物という事ですか❓
そう、グウィンプレインの舞台の上の姿は重要です。観客の受け取り方が難しいだけにゾッとする感じじゃダメなんです。どんな悲劇を経験しても彼はいつも笑っています。本当に詩的です。彼は自分がディアと一緒にいる姿さえも他の人々の目につかぬように隠すのです。ディアが自分のようにつまはじきにされ疎外されることを望まないからです。


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