[あらすじ] 同居母86歳パーキンソン病要介護2認知少々が、
8泊9日のショートステイ。
古い布団を粗大ゴミに出し、焦げた鍋を磨き、シンクにこびり付いた石灰を落とし。
日常の中ではできないあれこれを片付ける。
楽しみもある。
タラの木を切って、芽吹かせるための作業をした。
今年は出遅れたので、先端の芽は伸びきっている。
しかし、やわらかいので充分食べられる。
飼い犬ジーロ13歳8ヶ月去勢オスは、
留守番できない。
大きく鳴いて、私を呼び求めてしまう。
だから、大学病院の通院の間、近所の友人Mに留守番を頼んだ。
犬にとっても親しい友人Mがいれば、鳴かないで済む。
Mも葉っぱが好きなので、伸び過ぎたタラの芽をお礼に分けた。
※
今日は近所のスーパーで野菜の特売日だが、
買い物に行く前に冷蔵庫を掃除しよう。
パーキンソン病の特徴の一つとして、前傾姿勢が有る。
大きな冷蔵庫の一番下は野菜室で、そこは今は母室になっている。
食パンでもマーガリンでもお弁当でもなんでも、そこに入れる。
そんならそこだけにしてくれれば良いのだが、主室も使う。
味噌汁などを主室に入れる。
こともあろうに、蓋の無いタッパーに味噌汁をなみなみと入れて、
主室に入れる。
当然、こぼす。
下のほうでこぼしていれば汚れる範囲も狭くて済むのだが、
上のほうに置こうとしてこぼすと、その下の引き出し全部が汚れる。
もちろん、毎日掃除している。
しかし事はそれだけではないので、追いつかない。
出入りしている介護士さんが言った。「毎日の掃除だけでもたいへんですよね。」
ほんと、そうです。
身体介護を介護士さんがやってくれるのは本当に助かる。
冷凍室の引き出しは一昨日掃除したので、今日は野菜室の引き出しを掃除して、
買い物して、気持ち良く入れよう。
※
月曜日、大学病院の皮膚科を受診した。
足の指の間の皮が剥けているのだ。
結局、これといった診断が下ることは無かった。
ただ、石鹸で足を洗って、指の又に薬を塗って、それから弾性ストッキングを履かせること、
という指導が有った。
足は、日々ヘルパーさんに洗ってもらっていたが、
皮むけがひどくなって薬を塗る必要が有るようになってからは、
ヘルパーさんでは対応できなくなってしまった。
足浴ごと中止となってしまった。
それで、足を洗う回数が減った。
すると、足がにおうようになった。
たしかに足のにおいは強い。
けれど、私は子どもの頃から母の足にこの手のにおいを嗅いでいたので、
あまり驚かなかった。
後日、母が言った。
「私があなたの齢の頃にはもう鼻が利かなくなっていたけど云々」
ああ、本人は自分の足のにおいに気付いていなかったのだろう。
後年、パーキンソン病だとわかり、
また、パーキンソン病の症状のひとつとして嗅覚が悪くなることを知ると、
母は自分の嗅覚の悪さはパーキンソン病のせいだと理解した。
どうだろう。
ヘビースモーカーの父と伴に暮らしていたことも大きいと思うが。
原因を究明してもあまり意味の無いことも、ある。
弾性ストッキングはものすごく縮む力が強いので、
履かせるのはひと苦労だ。
何かコツでも有るんじゃないかと思って、病院では看護師さんにやって見せてもらった。
ぽろりと看護師さんが言った。「これくらいはやんないとね。」
介護の現場の人と、医療の現場の人と、言うことは随分違うものだ、
と思いつつも、責められるようなイヤな気持ちは拭い難かった。
介護に近い訪問看護の看護師さんだと、またひと味違って、良いのだが。
※
休憩に、黒崎視音『警視庁心理捜査官』を読む。
5分の2くらい読んだが、もう、やめることにした。
作文がよろしくない部分がチラホラ目に付く。
それは作文の基礎的なこと、たとえば修飾語と被修飾語、主語と述語などが
離れ過ぎていて文意が掴みにくいとか、そういったことが時々有る。
我慢しながら読んでいた。
しかし、我慢が怒りに転じた部分が有る。
「―しかし、爽子にとって性犯罪だけはそれが出来ない。理由は、爽子が女性だからだ。
オトコが女がレイプしても、女が男をレイプすることはまずない。
性犯罪だけに限っていえば、女は被害者にならざるを得ない。一方的な欲望の対象だ。」
何を言っておるのだ。
引いて引いて、これが小説の登場人物の思いであって、作者の考えではないとして、
また、この内容を作者が世間に伝えたいわけではないとして、
物語の後半でこの考えが覆されるようなことが起きるとしても、
どうしても不快でならない。
友人に、レイプ被害者を支援する活動をしている人がいる。
レイプはあらゆるジェンダー、あらゆるジェンダーの方向で起きる。
男性の被害者も多くいる。
それを一生懸命に伝えようと活動している。
この友人がこの部分を読んだら、どう思うだろう、どうするだろう。
小説の登場人物とは言え、この述懐は警視庁心理捜査官によるものだ。
性犯罪も多く取り扱う部署の人物だ。
警察が「女が男をレイプすることはまずない。」と思っているのなら、
レイプ被害に遭った男性は警察を頼ることは、「まずない。」
いや、小説の中の話なんだけれど。
ああ、気分が悪い。すっきりしない。
最後の方をパラパラ飛ばし読みでもして、図書館に返却してしまおう。
8泊9日のショートステイ。
古い布団を粗大ゴミに出し、焦げた鍋を磨き、シンクにこびり付いた石灰を落とし。
日常の中ではできないあれこれを片付ける。
楽しみもある。
タラの木を切って、芽吹かせるための作業をした。
今年は出遅れたので、先端の芽は伸びきっている。
しかし、やわらかいので充分食べられる。
飼い犬ジーロ13歳8ヶ月去勢オスは、
留守番できない。
大きく鳴いて、私を呼び求めてしまう。
だから、大学病院の通院の間、近所の友人Mに留守番を頼んだ。
犬にとっても親しい友人Mがいれば、鳴かないで済む。
Mも葉っぱが好きなので、伸び過ぎたタラの芽をお礼に分けた。
※
今日は近所のスーパーで野菜の特売日だが、
買い物に行く前に冷蔵庫を掃除しよう。
パーキンソン病の特徴の一つとして、前傾姿勢が有る。
大きな冷蔵庫の一番下は野菜室で、そこは今は母室になっている。
食パンでもマーガリンでもお弁当でもなんでも、そこに入れる。
そんならそこだけにしてくれれば良いのだが、主室も使う。
味噌汁などを主室に入れる。
こともあろうに、蓋の無いタッパーに味噌汁をなみなみと入れて、
主室に入れる。
当然、こぼす。
下のほうでこぼしていれば汚れる範囲も狭くて済むのだが、
上のほうに置こうとしてこぼすと、その下の引き出し全部が汚れる。
もちろん、毎日掃除している。
しかし事はそれだけではないので、追いつかない。
出入りしている介護士さんが言った。「毎日の掃除だけでもたいへんですよね。」
ほんと、そうです。
身体介護を介護士さんがやってくれるのは本当に助かる。
冷凍室の引き出しは一昨日掃除したので、今日は野菜室の引き出しを掃除して、
買い物して、気持ち良く入れよう。
※
月曜日、大学病院の皮膚科を受診した。
足の指の間の皮が剥けているのだ。
結局、これといった診断が下ることは無かった。
ただ、石鹸で足を洗って、指の又に薬を塗って、それから弾性ストッキングを履かせること、
という指導が有った。
足は、日々ヘルパーさんに洗ってもらっていたが、
皮むけがひどくなって薬を塗る必要が有るようになってからは、
ヘルパーさんでは対応できなくなってしまった。
足浴ごと中止となってしまった。
それで、足を洗う回数が減った。
すると、足がにおうようになった。
たしかに足のにおいは強い。
けれど、私は子どもの頃から母の足にこの手のにおいを嗅いでいたので、
あまり驚かなかった。
後日、母が言った。
「私があなたの齢の頃にはもう鼻が利かなくなっていたけど云々」
ああ、本人は自分の足のにおいに気付いていなかったのだろう。
後年、パーキンソン病だとわかり、
また、パーキンソン病の症状のひとつとして嗅覚が悪くなることを知ると、
母は自分の嗅覚の悪さはパーキンソン病のせいだと理解した。
どうだろう。
ヘビースモーカーの父と伴に暮らしていたことも大きいと思うが。
原因を究明してもあまり意味の無いことも、ある。
弾性ストッキングはものすごく縮む力が強いので、
履かせるのはひと苦労だ。
何かコツでも有るんじゃないかと思って、病院では看護師さんにやって見せてもらった。
ぽろりと看護師さんが言った。「これくらいはやんないとね。」
介護の現場の人と、医療の現場の人と、言うことは随分違うものだ、
と思いつつも、責められるようなイヤな気持ちは拭い難かった。
介護に近い訪問看護の看護師さんだと、またひと味違って、良いのだが。
※
休憩に、黒崎視音『警視庁心理捜査官』を読む。
5分の2くらい読んだが、もう、やめることにした。
作文がよろしくない部分がチラホラ目に付く。
それは作文の基礎的なこと、たとえば修飾語と被修飾語、主語と述語などが
離れ過ぎていて文意が掴みにくいとか、そういったことが時々有る。
我慢しながら読んでいた。
しかし、我慢が怒りに転じた部分が有る。
「―しかし、爽子にとって性犯罪だけはそれが出来ない。理由は、爽子が女性だからだ。
オトコが女がレイプしても、女が男をレイプすることはまずない。
性犯罪だけに限っていえば、女は被害者にならざるを得ない。一方的な欲望の対象だ。」
何を言っておるのだ。
引いて引いて、これが小説の登場人物の思いであって、作者の考えではないとして、
また、この内容を作者が世間に伝えたいわけではないとして、
物語の後半でこの考えが覆されるようなことが起きるとしても、
どうしても不快でならない。
友人に、レイプ被害者を支援する活動をしている人がいる。
レイプはあらゆるジェンダー、あらゆるジェンダーの方向で起きる。
男性の被害者も多くいる。
それを一生懸命に伝えようと活動している。
この友人がこの部分を読んだら、どう思うだろう、どうするだろう。
小説の登場人物とは言え、この述懐は警視庁心理捜査官によるものだ。
性犯罪も多く取り扱う部署の人物だ。
警察が「女が男をレイプすることはまずない。」と思っているのなら、
レイプ被害に遭った男性は警察を頼ることは、「まずない。」
いや、小説の中の話なんだけれど。
ああ、気分が悪い。すっきりしない。
最後の方をパラパラ飛ばし読みでもして、図書館に返却してしまおう。
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