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犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

老犬歩く

2016年07月12日 | 犬と暮らす
室内で犬を飼っている。

犬の行動や表情を逐一見ることができる。
庭のすみに繋いでおいて、家の出入りの際や、
犬の散歩と餌やりの時だけにかまっていたのとでは、
まるで見え方が違う。

犬にとっても同じことだ。
人を近くで四六時中見ていると、いろんなことがわかるだろう。
人の言葉や、家族の関係性や、生活習慣や。

外から家に帰って、部屋に入ると、2匹が尾を振って駆け寄ってきて、
おかえりなさいの挨拶をする。
必ずする。
欠かさずする。
犬の良いところだ。

挨拶が済むと、寝ていた場所に戻る。

夜遅く帰宅すると、雌のカバサが挨拶に来ないことがある。
無作法である。
そんな時は名前を呼んで、挨拶に来させる。

9歳の頃、夜遅く帰宅すると、今度は雄のジーロが挨拶に来ないことがあるようになった。
ジジイになったのか?
呼べば来る。
わかっちゃいるのに起きて挨拶に来ないのはけしからん。

昨夜のカバサは、起きて挨拶どころではないだろうと思い、
こちらから様子を見に行った。
庭の見えるお気に入りの椅子の上で、横たわっている。
声をかけて触ると、重たげに頭を上げた。

今夜がヤマかもしれない。
と思わされるような様子だった。

朝、心配に思いながら戸を開けると、目の前に来ていた。
尾なんか振っちゃって、早く散歩に行きましょう、という顔をしている。

散歩に出ても数百m行くと立ち止まる。休憩。
とぼとぼと、たまに爪先を引きずって歩く。
そして休憩。
でも、いつも行く植木畑のほうまで行きたい。

今までの倍は時間がかかる。

帰り道に、近所の犬に久しぶりに会った。
「あら、ひさしぶりだから死んだと思ってたでしょ」
飼い主の年配の女性は、パリッと冗談を言う。
当分死ななそうだ。

小型の老犬を連れている。
チンチクリンの、たぶん、ポメラニアンだ。
毛を刈っているので、よくわからない。
ほっくんと呼ばれている。
正式には、北斗くんだ。
強そうな名前だが、チンチクリンの毛を刈ったポメだ。

一時期、自力で歩けなかった。
腰に紐を掛けて、飼い主さんが引っぱり上げて散歩していた。
そこから、不思議なほどに復活した。
多少ヨタつくが、踏ん張りも利くし、ちょこまかとよく歩く。

「3度死にかけたわよ。
でも毛もフサフサになってきて。」
こういうことがあるからわからない。

その犬の生命力と、寄り添う飼い主の力と。


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